報道官会見記録 (平成16年4月30日(金)16:30~ 於会見室)
マドゥーロ・ホンジュラス大統領の来日について
(報道官)本日閣議がありませんでした関係で、大臣に代わって会見を開かせていただきます。一点報告があります。ホンジュラスのリカルド・マドゥーロ大統領が日本政府の招きで5 月9日から13日まで訪日されることになりました。東京で小泉総理大臣を始め、政府などの要人と会談を行う他、5月12日に東京で開かれる予定の米州開発銀行(IDB)と国際協力銀行(JBIC)共催の第6回日本・ラテンアメリカ諸国経済交流シンポジウムで特別講演をされることになっています。私からは以上です。
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六者協議について
(問)5月12日から北京で六者会合が開催されることに決まりましたが、日朝協議の見通しについてはどうですか?
(報道官)かねてから申し上げていますように、北京の大使館ルートを使って、北朝鮮側に対して日朝間の話し合いをなるべく早く行おうと何回も呼びかけておりますが、残念ながらまだ北朝鮮側からの返事はありません。しかし、今回の作業部会での北朝鮮側との接触ということも考えられるわけで、引き続き北朝鮮側に対して、もちろん作業部会の席でも、それより前でも構わないので日朝間の話し合いをしようということを引き続き督促していくことに変わりはございません。
(問)「前」というのは可能性としてはあるのでしょうか。日程も大分迫っていますが。
(報道官)ボールは北朝鮮側にあるということです。北朝鮮側がどう返事をしてくるかにかかってくるわけですが、御指摘のように、5月12日という日が設定されましたのでとりあえずそれがひとつの機会になるのかなという感じはしております。繰り返しになりますが、まだ北朝鮮側からの返事はございません。
(問)関連して、米国がテロ支援国家から解除する条件にですね、拉致問題の解決に言及したんですけれども、それについて日本側はどういう評価をしているのですか。
(報道官)米国が拉致問題を国家のテロ犯罪としてこれまでも厳しく糾弾してきたわけですが、これを報告書の中で明記したということは、多分、拉致被害者や家族の方々の心情などを慮っての判断だったと想像はしております。我々としては米国政府の取った措置を評価しています。北朝鮮側がこうした国際世論の高まりを受けて一日も早く拉致被害者の家族の方々の帰国、家族との再会、そして将来の計画について自由な雰囲気でじっくりと話し合えるようにすることを強く求めたいと思います。また、死亡もしくは行方不明とされた方々についても、我々からの質問への解答も含めてより詳しい正確な情報を一日も早く提供してくること、これも併せて求めていかなければいけないと考えます。
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報道官会見記録 (平成16年4月28日(水)17:00~ 於会見室)
イスラエル・パレスチナ間の衝突
(報道官)現在のイスラエル・パレスチナ情勢について次の「談話」を発表致しました。近日、ガザ地区及びその周辺、西岸において、イスラエル軍とパレスチナ人の間で衝突が生じ、その結果、双方に多くの死傷者が生じたことに懸念を有している。我が国は、23日(金)夜、シャロン・イスラエル首相がテレビのインタビューにおいて「アラファト議長に危害を加えないとの約束を撤回する」旨を発言した件に関して、イスラエルがそうした措置をとること、更にはそうした発言を行うことに強く反対し、同発言を実行に移さないよう求めるとともに、事態沈静化のためにイスラエル政府が最大限の自制を行うことを要請する。我が国は、パレスチナ側も過激派の取り締まり等に成果をあげることが重要と考えており、イスラエル・パレスチナ間の和平に至る唯一の道である「ロードマップ」に沿った和平努力を両当事者が早急に再開させることが不可欠であると考えている。
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ファルージャ情勢
(問)イラク情勢ですが、ファルージャで米軍が大規模な攻勢をとって非常に治安面でも懸念されていますが、どのように御覧になっていますでしょうか。
(報道官)戦闘、攻撃が行われているという情報があり、憂慮をしながら情報の収集にあたっています。ファルージャの問題を含めてイラクの治安の回復、情勢の安定化は大変重要です。たまたまブラヒミ事務総長特別顧問の報告が安全保障理事会で歓迎、承認され、5月末までに移行のための政権作りを行い、6月末には受け皿となる政権に対して権限の移譲が行われ、1月には選挙という道筋がはっきりと示されていますので、この道筋を実現するためにはやはり国内情勢の安定化が欠かせないものと考えています。その意味では一刻も早く治安が回復され、情勢が安定化するようにと強く願っています。
(問)米国の攻撃についてかなり批判的な見方もあろうかと思いますが、どのように御覧になりますか。
(報道官)停戦の条件であった武器の回収がなかなか進んでいないという側面もあってのことかとも思われます。米国側も必要な行動を自制しながらやむを得ずとっていることと考えます。一方、武装勢力についてもファルージャ情勢がこれ以上悪化することのないよう、停戦の条件をきちんと守って武器の回収、特に大型の武器の回収について真剣に取り組むように強く求めたいと思います。
(問)ある意味やむを得ない攻撃だというのは。
(報道官)停戦の条件が守られなければこのような行動をとらざるを得ないということが、米国側の度々の発言と承知しています。その流れの中で行われたものと理解しています。
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北朝鮮情勢
(問)北朝鮮の関係ですが、作業部会について川口大臣は5月中旬と、現段階で日程とかの調整というのはどういう段階ですか。
(報道官)大臣の発言にありましたように、5月中旬ということで今調整が行われていて、この調整がうまくいって日程が決まれば、おそらく中国側が発表するものと思います。いずれにせよ、私たちとしては作業部会と6 月末までに予定されている六者会合に向かってやるべきことをやり、北朝鮮の核問題の解決に向けて前進が図られること、そうした機会を通じて日朝間の接触が出来ることが大変強く望まれますので、そうした点についても我々は我々のルートを使って北朝鮮側に働き掛けていきたいと思っています。
(問)そうしますと、日朝の協議というのは作業部会とは別の日程ということではなくて、この作業部会の期間中に並行して行いたいという政府の考えですか。
(報道官)日本側からは北朝鮮側に対して、いつでも、なるべく早い機会に日朝間のハイレベルの接触をもう一度行うということを働き掛けているわけですが、当面、日朝の然るべき人間が顔を合わせる機会としては作業部会ということになるのではないかと考えられますので、この機会は是非利用したいと思います。もしそれ以前に北朝鮮側が会おうということであれば、日本側は喜んで会うということになろうかと思います。
(問)そうすると、今のところは返事は先方からないわけですか。
(報道官)まだ届いていないと承知しています。
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報道官会見記録 (平成16年4月23日(金)09:30~ 於会見室)
川口外務大臣の体調
(報道官)川口外務大臣が疲労で昨日委員会審議を中座させて頂きましたが、病院で診断を受けた結果、もう一日静養する方が良いということでしたので、今日は自宅で休ませて頂いています。従って、私が替わりに記者会見をすることになりました。
(問)大臣の御様子ですが、秘書官あるいは外報官と直接話をされたかどうかということと、もし話をされたのであればどのような言いぶりであったのかということと、なかなか今後の見通しは立ちにくいのでしょうが、土日を休めば週明けからまた公務に復帰出来るのかどうか、その辺の見通しは如何でしょうか。
(報道官)私自身は話していませんが、秘書官が電話で何度もやり取りを行っています。大したことはないと大臣から伝わってきていると聞いています。大臣自身は、今日一日休み、週末をゆっくりすれば月曜日から公務に復帰できるということで、今は、月曜日は予定を全てこなすという方向で準備しています。
(問)今日の会見で各大臣から年金の加入状況について説明を頂く予定だったのですが、川口大臣の年金の加入状況というのは承知していますか。
(報道官)大変申し訳ないのですが、これは川口外務大臣個人の問題で、外務省の報道官である私の方から申し上げる類のものではありませんので、次の会見の時にお尋ね頂けたらと思います。宜しくお願いします。
(問)大臣が病院で診断を受けられたのは昨日の国会審議を中座した後ですか。
(報道官)私はそのように理解しています。病院に行った後、自宅に戻ってそのまま静養しているということです。
(問)大したことはないという電話のやり取りは今日のことですか。
(報道官)昨日もありました。今朝もあったはずです。
(問)大臣の症状ですが、どのような症状だと伺っていらっしゃいますか。
(報道官)やはり疲労だったようで、昨日の委員会審議の途中でもかなり疲れているという感じだったということです。疲労感があったということで、体調優れずとは言うものの何か深刻な事態ということでは決してありません。
(問)風邪とかそういうわけではないのですか。
(報道官)特に風邪ということではないようです。疲れがたまったということのようです。
(問)自覚症状としては何かありますか。頭が痛いとか、お腹が痛いとか。
(報道官)疲れているということだと聞いていますが、それ以上のことについては聞いていません。
(問)ゴールデンウィーク中の外遊に支障を来すような感じでしょうか。
(報道官)月曜日からは仕事に復帰する予定と承知していますので、その先のことで何か支障が出るということは今考えていません。ゴールデンウィーク中の外遊についてはまだ検討している最中ですので、今ここでどのような予定だということを申し上げる段階には至っていません。
(問)土曜、日曜は元々何か公務が入っておられて、それをキャンセルされる運びなのか、元々何もなかったのか、その辺はどうですか。
(報道官)土日もずっと仕事で出ておられたので、この週末は出来れば休んで頂こうと思い、少なくとも私が承知している限り予定を入れないようにしていたと聞いています。
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北朝鮮における列車事故
(問)北朝鮮での列車事故についてですが、外務省としては現段階でどういう情報を把握していらっしゃいますか。
(報道官)何か大きな事故があったようだという報道があったことは承知していますが、我々の方で詳細な情報はまだ得られていません。
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報道官会見記録 (平成16年4月21日(水)17:00~ 於本省会見室)
海洋調査船に関する日中協議
(報道官)海洋調査船に関する日中協議が22日(木)に北京で開かれることになりました。我が国からは西宮伸一外務省アジア大洋州局審議官を団長とする代表団、外務省、防衛庁、資源エネルギー庁、海上保安庁の関係者が参加しています。中国側からは孔鉉佑外交部アジア司副司長を団長とする関係者が出席して協議をすることになっています。この協議ですが、これまでにも海洋調査船の問題は、海洋法の問題に関する日中協議で平成10年から毎年開いていましたが、今回は特に、最近、中国の海洋調査船が我が国の排他的経済水域の中で国連の海洋法条約の手続きを踏まないで活動するケースが大変増えているため、こうした点の再発防止について協議するることになっています。
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北朝鮮(金正日総書記の訪中)
(問)北朝鮮の金正日総書記の訪中についてですが、中国側も報道していますが、その中で中朝首脳が6者協議の継続、推進で合意したということですが、こうした今回の訪中の結果について外務省は現時点でどういうふうに評価していますか。
(報道官)金正日総書記が中国を訪れているようだという報道がずっと続いており、我々としても大変関心を持って情報収集に当たっていましたが、今日になって中国の中央テレビ、新華社通信から公式にこれを認める発表がありました。このような形で北朝鮮が外の世界、諸外国と意見を交わす、対話をすることは、特に核問題等については大変良いことである、つまり北朝鮮が今後責任ある行動をとるという方向に向かっていくことに繋がってくる、こうした点で評価をしています。また、北朝鮮がそのような行動をとることを期待しています。特に新華社通信が胡錦濤国家主席と金正日総書記の間で六者会合のプロセスを推進していくことで合意したと伝えていること、かねてから北朝鮮は六者会合のプロセスは維持する姿勢であることは中国側からも伝えられていましたが、最高首脳がそうしたことを約束したことが、核問題の解決に向けて事が動くことを期待させるものとして注目したいと思います。また、六者会合のプロセスが動くことが日本人の拉致問題を中心とする日朝間の問題の解決に向けても原動力になっていくことを期待したいと思います。
(問)現時点で中国政府からは直接日本政府側にこの事実関係については何か説明はあったのですか。
(報道官)中国との間でいろいろな情報のやり取りをしていますが、特にこの点について、今、私どもの方から申し上げるようなことはありません。
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川口外務大臣の外遊日程
(問)川口大臣の連休中の外遊先でパキスタンとか韓国という名前が挙がっていますが、今現在どういった感じでしょうか。
(報道官)様々な国際情勢、日本との二国間の関係、いろいろなことを勘案しながらゴールデンウィークの外遊日程の検討は続けられていますが、まだ正式に決まったものはありませんので、今この段階で申し上げることは何もありません。
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イラク(駐留軍の撤退)
(問)イラクに駐留する外国軍隊のことですが、スペイン、ホンジュラスに続いてドミニカでも撤退の動きがあるということですが、この一連の動きについてどう思われるかということと、それが日本の自衛隊に及ぼす影響についてはどうでしょうか。
(報道官)それぞれの国がそれぞれの判断でイラクに対していろいろな形の支援を行ってきたわけですが、今回、スペインをはじめとする3カ国が撤退を表明して、実際にスペイン軍の一部は撤退したという報道があります。これは各国それぞれの判断に基づくものなので、あえて私の方からコメントすることは控えたいと思います。逆に、これからも支援をしていく、特に日本のように資金面による支援と人的支援を車の両輪として行っていくことを表明している国もあるわけです。そうした支援の輪が、特に6月30日の権限の移譲に向けて益々必要になってくることは明らかですので、各国が国際協調の理念の下で協力しあってイラクを助けていくという構図が広がっていくことを期待したいと思います。実際に、今回、部隊の引き上げを決めたスペインも全部やめてしまうということではなくて、イラクの復興に関してはこれからも協力をするという立場だと聞いていますので、スペインはスペインなりに、ホンジュラス、ドミニカ共和国はそれぞれの立場でこれからも協力していくのだろうと半ば期待しながら今後の動きを見ていきたいと思っています。
(問)アメリカのパウエル国務長官がこの件で10数カ国に電話をして駐留を続けるようにという働きかけをされているようですが、日本に関しては如何でしょうか。
(報道官)日本にはパウエル長官からの電話はかかってきていません。御承知のように、先日、チェイニー副大統領が来訪されて、小泉総理大臣から日本のイラク復興支援に対する考え方、これをきちんとやっていくということを既に伝えてあることですから、もしかするとそうしたことも踏まえて日本は電話をかけるリストに入れる必要はないとお考えになったのかもしれません。
(問)パウエル長官が電話した先にはオランダも入っていますが、オランダは自衛隊がサマーワで活動を行うにあたっては、治安維持を担当しているところであって、仮にオランダがいなくなった場合は自衛隊もそこで活動するのは困難になると思うのですが、今の段階でオランダ軍が撤退するような動きというのはあるのでしょうか。
(報道官)私たちはオランダ軍が撤退するといった話は承知していません。現地においてはオランダ軍と自衛隊との間で密接な連絡がありますし、オランダ軍からきちんとした支援を受けているわけです。言及されたように、サマーワの自衛隊の安全確保をきちんと行って頂いているのはオランダ軍であり、我々はオランダ軍の協力に大変感謝しているということです。
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報道官会見記録 (平成16年4月17日(土)18:30~ 於会見室)
イラクにおける邦人人質事件(解放)
(報道官)今月の14日にバグダッド西部のアブグレイブで、武装グループに連れ去られていたと伝えられていました二人の日本人、安田純平さんと渡邊修孝さんが本日無事保護されました。日本時間で夕刻の5時56分、バグダッドの日本大使館に入りました。今、2人を保護した上村臨時代理大使と大木イラク担当大使が二人から話をうかがっています。2人の健康状態は、今は良さそうだという報告がきております。
経過を申し上げます。本日、上村臨時代理大使が、昨日の3人の日本人の解放に尽力して頂いたイラクのイスラム聖職者協会に打ち合わせのために向かうことになっていました。このアポイントメントが日本時間の午後4時45分でしたが、そのアポイントメントのために向かっている途中、車に電話があり、このイスラム聖職者協会に二人の日本人が解放されて来ているという連絡がありました。上村臨時代理大使が到着して直ちに二人と面会し、確認いたしまして、日本時間の午後5時半ぐらいには車に乗せて、大使館に向かい始めたということです。
人質、もしくは行方不明になっていた五人の日本人の方々全員が保護されて、既に三人の方々はドバイで健康診断を受けておられますし、また、安田さん、渡邊さんは既にバグダッドの日本大使館に入られたことで私達は本当に喜んでおります。またこの解放に向けていろいろと協力をして頂いたイラクの関係者の方々、また国際社会の様々な関係機関の方々に心からの謝意を表したいと思います。
(問)確認ですが、(アポイントメントの)時間は午後4時45分、向かっている途中ですか。
(報道官)アポイントメントが4時45分で、電話がかかってきたのがその10分前の4時35分。実際に上村臨時代理大使がこの二人に会ったのは、アポイントメントの時間とほぼ同じ4時55分くらいと聞いています。
(問)このニュースは、事前に、何か働きかけに対する手応えとか、こういったことがあるかもしれないという情報はあったのでしょうか。
(報道官)私達は事前にいろいろな働きかけをしたり、また、情報収集を行っていましたが、その詳細については、今、私から申し上げることは控えたいと思います。ただ今回、上村臨時代理大使が向かう時に、既に二人が解放されて待っているということは知らされていませんでした。車中にかかってきた電話で初めて判明して、到着後、実際に二人であることを確認できたということです。
(問)車に電話がかかってきたのは、聖職者協会の方からでしょうか。
(報道官)そうです。
(問)今後の二人の出国、あるいは帰国等の予定はどうなっていますか。
(報道官)今、大使館に到着して話をうかがっている最中であり、まだそこまでは決まっていません。
(問)先程、聖職者協会の話をされましたが、今回のケースは前の三人のケースと違って犯行のビデオとかがなかったのですが、どのような事件として把握されているのでしょうか。
(報道官)詳しいことについてはこれから色々調べてみる必要がありますが、安田さんと渡辺さんが行方不明になられたということは、一緒にいた方のE-MAILで14日にわかっていました。しかしそれ以外の情報についてはなかなか掴めなかったために調査が難航していましたが、こうして二人が無事に解放されて保護されたということは、まことに喜ばしいことと思っています。
(問)聖職者協会は二人とどのような状況で接触したか、どのようなグループから連絡があったのかと言うことについては。
(報道官)詳細については把握していません。私たちが把握していることは、二人が無事に大使館に入って保護されているということだけです。
(問)上村臨代に電話があるまで、生死を含めて安否確認がわからなかったという理解でよろしいですか。
(報道官)私たちは詳しい情報を手に入れようと努力していましたが、その途中で電話がかかってきたということです。
(問)今の確認ですが、つまり、電話がかかってくるまでは二人が元気かどうか、どこにいるのか、それについては外務省は情報を得ていなかったということですね。
(報道官)色々な情報入手に努力していたということです。この度の聖職者協会から車中にかかってきた電話で二人がいるということがわかったものです。
(問)上村臨代が二人に会った時に、大使に何か話したことは。
(報道官)詳細は伝わっていませんが、今、二人から話を聞いているところです。最初に伝わってきたところでは、二人は安堵しているという話が伝わってきています。
(問)犯人からメッセージを託されているという報道もありますが、これまで何の声明もなかった犯人側の意図をどのようにお考えですか。、
(報道官)報道があったことは承知していますが、外務省で確認したということはありません。これから色々な情報が入ってくると思います。
(問)アポイントメントですが、どのような用件で聖職者協会に向かわれていたのですか。
(報道官)昨日の三人の解放に聖職者協会が努力していただき、実際に開放された場所もそこでした。その時、また、その後にも謝意を表明していますが、改めて努力に感謝すると共に色々な話を伺う目的で上村臨代がアポイントメントを取って、伺うということになっていました。
(問)この二人に続いて、三人の解放についても聖職者協会が大きな役割を果たしているという認識でよろしいのですか。聖職者協会が果たした役割についてどのように評価されていますか。
(報道官)昨日、聖職者協会で三人の方が日本側に引き渡され、また本日、聖職者協会で二人を日本側に引き渡していただいたこと、この努力に大変感謝致します。また、この聖職者協会だけではなく、イラクの様々な機関を含めて、色々なところがこの五人の解放に向けて協力、尽力していただいていました。このような協力、尽力に対しても心より謝意を表したいと思います。
(問)本日、上村臨代が聖職者協会に向かったのは、謝意を表すると共に二人に関しての協力要請ということもあったのですか。
(報道官)詳細については報告を受けてからということになると思います。謝意を表すると共に打ち合わせをするということであった承知しています。
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報道官会見記録 (平成16年4月14日(水)17:00~ 於会見室)
ハムダーン・アラブ首長国連邦副首相兼外務担当国務大臣の訪日
(報道官)アラブ首長国連邦のハムダーン副首相兼外相が本日、午後2時に外務省の賓客として日本を訪問されました。ハムダーン副首相は先程、午後4時30分から官邸で小泉総理大臣と会談を行っています。明日は皇太子殿下との御接見、川口外務大臣との会談が行われる予定です。ハムダーン副首相兼外相は今月19日まで日本に滞在されることになっています。日本とアラブ首長国連邦の間では、今年の1月に川口外務大臣がアラブ首長国連邦を訪問しており、今回のハムダーン副首相の訪日で両国の友好関係が一層発展するものと期待されています。
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川口外務大臣のASEM出席
(問)川口大臣のASEMへの出席ですが、これはどうなりますか。
(報道官)ASEMの外相会議が今週末に予定されていますが、現在の状況から、果たして日本を離れることが出来るかどうか検討しているところであり、最終決定に至っていません。出来れば参加したいと大臣も強く望んでいますが、イラクでの人質の問題もありますので、まだ検討しているところです。
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ブッシュ米大統領の演説
(問)ブッシュ大統領が先程行われた会見で、イラクの主権移譲について予定通り実施すると言っておりましたが、そのことについてはどのように。
(報道官)私たちとしてはブッシュ大統領がイラクの主権移譲を予定通り6月30日に行うことを中心として政治プロセスを進展させること、国際協調の中でイラクの復興、立て直しを図るということで、特に国連の参加を強く呼びかけ、新しい安保理決議の必要性についても認めたということ、こうした点を高く評価しています。米国のイラク再建に向けての努力が実ってイラクの情勢が一日も早く安定して主権の移譲がきちんと行われて、イラクがイラク人のためのイラク人による民主的な国になることを日本としても強く望んでいます。
(問)ブッシュ大統領ですが、米兵の増派も検討されるとおっしゃいましたが、その点については。
(報道官)ブッシュ大統領が言われたのは、現地の司令官から必要との要請があればこれに応えるという趣旨で発言したものと私は理解しています。米国がイラクの治安の維持について英国と共に責任を持って当たっているわけですから、米国の、しかも現地の司令官が治安の維持、イラクの安定化のために更なる米兵が必要だということを判断した場合には、米国政府はそれにきちんと応えることを表明したこと、これは治安の維持、安定化を望む我々としては歓迎すべきことと考えています。
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イラク(ファルージャ情勢、邦人人質事件)
(問)ファルージャについてですが、停戦合意が終わった後、散発的な戦闘等もあるようですが、現状をどのように把握していらっしゃいますか。
(報道官)現状を一言で申し上げれば流動的という印象を持っています。停戦が続いていましたが、米国の空爆があったとか、いろいろな情報が入ってきています。依然として情勢は落ち着いたとは言えない流動的な情勢だと思っています。
(問)人質事件の件ですが、今日、韓国の牧師さんたちがソウルに着かれたということで、その中の何人かは自分たちが目撃した中に女性がいて、明るい色、ふわっとした髪型という非常に似た外見を言っているわけですが、これは今後、韓国の大使館員の方などが牧師さんに話を聞かれるということになるのでしょうか。
(報道官)韓国の解放された人質の方々も含めて様々な形、場所でいろいろな情報を集めているということは間違いありません。ただ、個々具体的にどこで何をしているかという点については、今の情勢ですので詳しい言及は控えさせて頂きます。
(問)一番有力な証人とされるタクシーの運転手ですが、これは見つかったのでしょうか。
(報道官)タクシーの運転手についても、私たちは様々な形で話を聞くべくいろいろな努力をしているところです。
(問)現在、努力中ということでしょうか。
(報道官)そのとおりです。
(問)イタリア人が拘束されて、撤退を求められているのですが、これと日本人の人質事件との関連についてどのように見ていらっしゃいますか。
(報道官)関連があるかないかということは、私どもが今持ち合わせている情報の中では何とも申し上げようがありません。基本的には、人質の解放に向けての様々な努力の中で情勢分析が行われているわけですが、具体的に何が行われているか、今指摘されたイタリアの4人の人質についても様々な形でのコンタクトは行っていますが、それについての詳しい内容は控えさせて頂きます。
(問)イタリア側とは割と緊密に情報交換をしているという理解でよろしいですか。
(報道官)私たちが承知しているのは、イタリア政府はこのことについて今の段階でコメントはしないと言っているということです。
(問)宗教指導者の方がテレビに出て民間人を誘拐するのは間違ったことだというメッセージをいろいろ出されていますが、引き続きそういう誘拐が続いているという状況もあるわけで、そういう言葉が届かないのではないかという懸念もあるわけですが、その辺をどのように御覧になっていますか。
(報道官)イラクのしかも宗教指導者という地位にある方が今回の誘拐事件を含めて誘拐というものを否定する、そうしたことはイスラムの教えには反するということを積極的に発言しているということは、やはりイラク国内においても今回の事件が許されざるものであるということを示しているのだろうと思います。こうした発言、こうした声が犯人グループに届いて一刻も早く人質の解放、もちろん日本人の3人の方もそうですが、その他の人質になっている方々も一刻も早く解放されるように私たちは祈っています。また、私たちは私たちなりに全力を挙げてそちらの方向に向けての努力を続けています。
(問)今回の事件はアルジャジーラを使った情報戦の様相もありますが、その一方で政府、官邸の方で情報管理というか、情報統制とも取れるような幹部の発言があります。国民注視の事件ですが、今後、こうした国民への説明責任についてはどう考えていらっしゃいますか。
(報道官)現在、人質が捉えられていて、その方々の生命、安全が脅かされている状態の中で、情報の外への流出をある程度制限しなければいけないということは、特に解放に向けての努力やその内容について、どのようなことが行われているかといったことを詳しく説明をしたり、内容について触れたりすることは、努力そのものを損なう危険があるわけですから、これについては国民の皆様も十分御理解頂けるものと思っています。御指摘のあったアルジャジーラを中心として、あたかも情報戦の様相を呈しているという話もありますが、むしろ情報戦になることによって犯人グループに対して本来伝わってはいけない情報が伝わったり、誤解を招くような情報が伝わったりすることもあろうかと思います。そうした点は厳に慎むべきことと思っています。一番目指すべきは人質の一刻も早い無事な解放ですので、それを最優先に考えながら出来る限りの努力をする、その中には国内においても、国外においても不必要な情報がその努力を損なったり、人質になっている方の安全や、ましてや生命を更に危険にさらすことがないようにしなければいけないと考えています。
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