報道官会見記録 (平成15年7月30日(水) 17:00~ 於:芝会見室)
KEDO
(問)北朝鮮ですが、KEDO理事国の非公式協議がアメリカで開かれる予定なんですが、これは日本政府としてどういう対応を思っておられるのかということと、会議の見通しについてお願いできますでしょうか。
(報道官)サンフランシスコで2日間行われておりまして、日本時間で明日まで続くことになると思いますが、これはあくまでも非公式な意見交換ですので、何かを決めるといったようなものではありません。現在のKEDOの状況について日本、アメリカ、韓国、EU、つまり理事国がそれぞれの現状認識を伝え合って、お互いにKEDOについて今どんなことを考えているかという意見交換をするものです。繰り返しになりますが、何かを決めるといったことではありませんので、あくまでも意見交換の場だと御理解ください。
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ボルトン国務次官の訪日
(問)アメリカのボルトン国務次官が明日、日本を訪問して、あさって軍備管理検証委員会に出席するほかに外務省の高官の方々といろいろ協議をするというふうに聞いておりますが、どのような内容がテーマになるかということと、どのような話し合いを期待されるのかというか、どのような話し合いがなされる見通しかというのを聞かせてください。
(報道官)御指摘があったとおり、まさに軍備管理と不拡散をテーマとした、日米双方であらかじめ決められている協議です。日本側からは天野軍備管理・科学審議官が出て、互いに意見交換を行います。今まさに軍備管理の問題、不拡散の問題で様々なところでいろいろな問題が起きているわけですが、こうした現状認識をお互いに話し合うこと。これから秋に向けて種々の国際会議があるものですから、そうした点についても当然話し合いが行われるであろうと予想しています。ボルトン次官が来られるということで、日本側は単に天野審議官だけではなくて、いろいろなレベルの方がボルトン次官と会談をすることになっていまして、そうした一連の会談の中で当然、北朝鮮の問題も話しに出るだろうと予想しています。北朝鮮については現在、御案内のようにアメリカと中国が話し合って、これから先どういうふうな形の会談、協議にするか、特に日本も求め、アメリカも求めている多国間の協議にどういう形でもっていくかということがあります。そして、北朝鮮側と中国側の話し合いがどういうことになっていくのか、今その状況を見守っているところです。そうした点を踏まえながらボルトン次官とも日米間で今後の北朝鮮との対話の進め方、更に北朝鮮の核の問題、その他大量破壊兵器の問題についても意見交換が行われるものと予想しています。
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日米エネルギー戦略対話
(問)米国でありました日米エネルギー戦略対話の話なんですが、日本はアザデガン油田開発について米国の理解を得て、いろいろ協議の中で言われたように聞いておりますが、しかしながらアメリカの態度は固くて今回については平行線だったというふうに言われていますが、秋にまた再度会議があるということですが、日本がアメリカの理解をこの問題で得られる見通しについてお願いします。
(報道官)まず今回の協議ですが、これはあくまでも予備的な話し合いということで、必ずしもイランの油田開発の話だけが扱われたわけではなくて、もっと大きなエネルギーを巡る日米双方の考え方を紹介しあうということで、例えば原子力の問題ですとか、水素エネルギーの話だとか、いろいろな話が交わされています。その中で、御指摘のように、イランのアザデガン油田開発の話についても取り上げられまして、日本側はこれが日本のエネルギー政策の中で極めて重要な地位を占めているものであるということを説明したわけですが、アメリカ側からはまさに核の不拡散の話を中心にイランの核開発に対する懸念が表明されて、お互い考えていることの認識が深まったというレベルです。今後の話ですが、秋を目処に本格的な対話、協議をしようということが今回まとまりまして、おそらく次官級で、まだ場所、具体的な時期は決まっていませんが、今回の話し合いを踏まえて日米間のエネルギーに関する政策の擦り合わせ、更に意見交換、こうしたものを行うことで合意が成立しました。問題は、その時に果たしてイランがどうなるかという御質問ですが、これはまだ時期が定まっていないこと、これから先いろいろと動きもあるでしょうし、その段階でまだイランの問題に決着がついていなければ当然取り上げられることにはなると思いますが、今から予測するのはちょっと難しいところです。
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フジモリ元大統領に対する引渡請求
(問)日本にいるペルー大使がですね、いよいよフジモリ大統領の引渡を求めて、日本側に要請を行うということなのですが、これは、いつ頃どのように行われるかというのはもう決まっているのでしょうか?
(報道官)これは、ペルー側が行うことなので、わたくしたちの方から、いつかということではありません。しかし、私たちの方に漏れ伝わってきているところでは、多分、明日の朝、在京のペルー大使が外務省を訪れ、本件に関する日本に対する申し入れの文書を届けられると理解をしております。
この問題については、これまでにも何遍かお話いたしましたけれども、そうした文書が届き次第、その文書を詳しく読ませていただいて、しかるべき措置を取りますけれども、基本的な立場としては、日本の国内法を法務省の方で検討し、そして日本政府としての対応を決めるということになろうかと思います。
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報道官会見記録 (平成15年7月23日(水) 17:00~ 於:芝会見室)
日米地位協定に基づく刑事手続き問題
(問)日米地位協定に基づく刑事手続き問題の話し合い、日米間の協議なんですが、次回の会合というのは決まったのでしょうか。
(報道官)7月24日にホノルルで開催することになりました。24日ホノルル時間です。ただ、出席者、議題はまだ調整中で、決まるまでにもう暫く時間がかかりそうです。一応、24日の予定ということは決まりました。
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北朝鮮情勢(多国間協議)
(問)北朝鮮の核問題を巡る多国間協議の設定についてですが、いろいろな報道が出ていますが、現段階で把握されている進捗状況、今後の見通しについて考えを伺いたいのですが。
(報道官)基本的には中国が特使を北朝鮮に派遣し、その後、(中国の)戴次官がワシントンを訪問してその結果をアメリカ側に伝え、今、アメリカ側と中国側との間で更なる調整が行われていると承知しております。アメリカ側から出ている、5者を念頭においた3者といった話ですとか、様々な情報が今流れていますが、確定的なところにまではまだ至っていません。私どもが承知していますのは、アメリカと中国との話し合いの後、今度は中国側が北朝鮮とも話し合い、最終的にどのような形になるかまとまったところで連絡が入ると考えております。核の問題は極めて深刻な問題です。我々日本の安全保障そのものにも直接影響する問題ですので、速やかに多国間協議、しかも出来るだけ早い段階で、日本も韓国も加わった形での協議に移行して話し合いが行われ、問題が平和的に、外交的に解決されるようにと願っているところです。
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イラク復興支援
(問)イラクの、国連安保理での動きなんですが、国連安保理のメンバー間で1483に続く、例えばイラクの治安の回復を国際社会の責任というか役割とするようになるという趣旨での新しい決議が出来るかどうかというので調整が始まったようなんですが、この新しい決議を作ろうとする動きについての日本政府の考え方、どういう見通しを持っていますか。
(報道官)イラク復興に向けての国連安全保障理事会の決議は既に1483があるわけです。これに基づいて、例えば暫定統治の話も進んでおりますし、日本が、例えばヨルダンとイタリア間の物資輸送のために航空自衛隊の輸送機を派遣するといったことも行われているわけです。更に今、国会で審議されているイラク特措法もこの決議に基づいた形での協力になっているわけです。新しい決議は、例えばドイツの外相が言及しており、実際に国連の安全保障理事会のメンバー国の間でそうした考え方が浮上していることは承知していますが、残念ながら日本は安全保障理事会のメンバーではないわけですので、具体的にどういう形で今協議が行われているかについては、余り詳らかには承知しておりません。ただ、出来るだけ多くの国がイラクの復興、今後の新しいイラクを作っていくことに、どういうふうに協力するかという模索は更に続いていくのだろうと思います。たまたま安全保障理事会で、日本時間では今日未明になりますか、22日の段階で、イラクについてデ・メロ代表、アナン事務総長、統治評議会の3人の代表も参加した公開の討議が行われたわけです。この中で、例えばアナン事務総長からの報告では、国連がイラクに対する支援ミッションを出してはどうかという提案をされたとも伺っておりますので、様々な形でイラクの復興支援に向けて、国連が、また加盟国がどういう形で協力をし、支援をしていくかというのは、まさにこれから安保理を中心に協議が進んでいくのだろうと考えております。我々もその協議の行方を注目していくところです。
(問)今出ました国連の支援ミッションのところですが、これに何らかの形で日本政府なりが関わることはあり得るのでしょうか。
(報道官)アナン事務総長の報告は、実際にはかなりの長文の中でほんの少し触れられているだけで、構想は大体こういうふうになるとか、例えば300人ぐらいのスタッフで、そのうち半分は国連の関係者といった話が出てはいますが、更なる細かい内容というのはまだ表に出てきていないようです。これは基本的に国連が行う、国連が派遣するミッションということで、たぶん主体は国連になるのではないかと思いますが、実際には各国がこれに対してどういう協力を求められるのかといったところは全く明らかにされておりません。
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報道官会見記録 (平成15年7月16日(水) 17:00~ 於:芝会見室)
文藝春秋社及びPHP研究所への抗議文
(報道官)私の方から一点、御報告がございます。外務省は本日付を持ちまして、私、外務報道官名で株式会社文藝春秋社長、白石勝氏、株式会社PHP研究所所長、松下正治氏宛に抗議文を発送しました。この抗議ですが、文藝春秋社においては、同社が発行した月刊誌『諸君!』8月号、月刊誌『文藝春秋』8月号、一方PHP研究所の方は月刊誌『Voice』8月号に掲載された、何れも田中外務審議官と日本の対北朝鮮政策に関する記事に、多くの基本的事実の誤り、またその誤った点を前提として推論、立論を重ねて、記事を読む方々に誤った認識を植え付けてしまう可能性のある記事が掲載されたためにこの抗議を敢えて行ったものです。特にこれら3つの記事が、あたかも日本の対北朝鮮政策は田中外務審議官の個人プレーによって歪められたものになっているかのように書かれている点について、これは全く事実に反するものです。外務省がこれまで国会を含む様々な場所、公の場所で度々説明しておりますとおり、こうした点は全くありません。外務省はこれまでも総理官邸との緊密な連携を取りつつ、外務大臣の主導の下で組織として対北朝鮮政策を進めております。こうした点から見て、今申し上げた3つの記事は外務省から見て到底看過できるものではないと判断し、本日、抗議文を送付した次第です。
(問)その抗議文を我々にもコピーを頂けませんでしょうか。
(報道官)分かりました。差し上げます。
(問)その中では、具体的に事実誤認がここにあるというところは指摘されているのですか。
(報道官)全体として事実に誤った部分が極めて多いという点を申し上げておりますが、個々の点については先程申し上げたとおり、例えば国会などの場で既に明らかにしていること、それにも拘わらずその事実に反することが書かれているといったことを述べております。一部については、お読み頂けると分かるのですが、基本的な認識、例えば『文藝春秋』の記事にあった点ですが、カナナスキス・サミットに向かう政府専用機の中で、田中外務審議官(当時のアジア大洋州局長)が服部則夫外務報道官(当時)に対してこう述べたというようなくだりがありますが、事実は、田中審議官及び服部現駐ベトナム大使はカナナスキスに行っておりません。従って政府専用機の中でそんな話が交わされたという事実は全くないといったことを指摘しております。それに限らず幾つかの点、これはそれぞれの社がお調べ頂ければ簡単に分かることが幾つかあります。それも含めてですが、やはり一番大きな問題は、外務省がこれまで進めている、というよりも日本政府が進めております対北朝鮮外交、対北朝鮮政策、これが田中前アジア大洋州局長、現外務審議官の下で個人プレーとして進められていたという印象を極めて強く与える記事、これは大臣も含めて国会で何遍も述べておりますように、そんなことはありません。総理大臣をはじめとする日本政府全体が判断してこのような方向に進んでいるということです。
(問)抗議というのは具体的に訂正なり謝罪なり、それは文書の中でどういうふうに。
(報道官)私たちとしてはまず、こういう抗議があったということをそれぞれの社で判断頂いて、例えば抗議文を掲載して頂くとか、何らかの方向で読者にお分かり頂けるような措置を取って頂ければと願っています。
(問)そうした措置が取られなかった場合、その後の、例えば法的措置とかそういういうことも検討されるのですか。
(報道官)私たちとしては今、そこまでは考えておりません。しかしこのような状況が続いていくということは、日本外交にとっても決してプラスのことでもありませんので、まず誤りがあって、到底看過できないような重大な誤り、基本認識においての誤りが読者に誤った認識を強く植え付けるような記事が出た時にはその都度、例えば抗議もしくは訂正の申し入れ、それでも事態が改善されない場合には然るべき措置を検討します。今の段階ではまず、抗議をすることは我々にとっては極めて異例のことですが、その異例の措置を敢えて取らせて頂いたということです。
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北朝鮮情勢
(問)この前の北朝鮮を巡る中朝の特使派遣、会談が幾つかありますが、日本政府にはこの結果について中国政府の方から何らかの形で連絡、伝達はあったのでしょうか。
(報道官)私が承知しているところでは、中国側から日本に対する正式な伝達があることになっていると聞いております。今の段階では、私はまだ連絡があったという報告は受けておりません。何れにせよ中国側は大変な努力をされ、北朝鮮側と大変高いレベルで話し合いをして戻られてきたわけです。アメリカ、日本、そして間違いなく韓国、そうした関係の国々にはそれなりの結果を伝えて頂けるものと思っております。
(問)結果の伝達勧告を受けて、例えば日米韓3カ国による協議等なり、これらはまだ想定されるのでしょうか。
(報道官)今の段階ではまだその中身が分かっておりません。どのような内容の連絡があるかが分かっていない段階で先のことを申し上げるのも如何かと思います。一般論で申し上げれば、日本とアメリカ、韓国の3カ国、それに今回の場合には中国も含めて極めて緊密な連絡を取り合いながら今を迎えているわけですから、そうした態勢はこれからも続いていくと信じています。
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報道官会見記録 (平成15年7月9日(水) 17:00~ 於:芝会見室)
イランによる弾道ミサイル発射実験の実施
(報道官)今月7日のことですが、イランが弾道ミサイルの発射実験をしたことを認めました。この件に関しまして、我が国としてはこのミサイル発射実験、地域の安定や国際社会の安全保障に重大な影響を及ぼす、またそうなり兼ねないこととして遺憾の意を表明します。イランに対しては弾道ミサイル発射実験の自制をこれからも強く求めていくつもりです。
(問)イランの方ですが、今日、談話が出ていますが、これは7日にイラン外務省がしゃべっっていると思うのですが、今日になったのはなぜでしょうか。
(報道官)我々の方で情報の処理にいささか手間取ってしまいまして、今日になりました。その点はややタイミングを失しているということで反省をしています。
(問)イランのミサイル発射ですが、この時期に発射実験を行うということは、決して緊張を緩和する方向ではなく緊張を高める方向の行為なんですが、この行為が、懸案となっているイランの油田開発に、アメリカからちょっと待って欲しいとかの件の問題解決に何か影響を与えることはあると思いますか。つまりアメリカが態度を一層硬化させる、この問題の解決は難しくなるとか、そういうことは考えておられますか。
(報道官)イランの問題は、この問題や核開発を巡る疑念、様々な点があるわけですが、決してこのミサイルの発射実験がイランに対する周りからの警戒感を薄めるようなことには全く繋がらない、むしろ先程申し上げましたように、緊張を高める悪影響があるのではないかと、大変強く危惧しているわけです。イランがそうした行為を停止すること、まさに自制をすることを我々は強く求めているわけです。核の問題については、御承知のようにイランの核開発疑念というのは、何もアメリカや日本が言及しているだけではなくて、IAEA、つまり国際機関がこの問題について様々な疑念があることを既に公式の文書として発表していますし、エルバラダイ事務局長が9日にテヘランを訪れると承知しています。私たちとしてはイランが追加議定書に直ちに署名、批准して、これを実行に移すことなどを通じて、核疑念についての疑いを晴らす。イランが言っているように、イランの核開発は平和利用だけのためのものだということを国際社会に示す努力をしてもらいたい。そうしたことをすることが、私たちがイランと進めている油田開発の交渉を進める雰囲気を、和らげて良くしてくれるということに繋がっていくわけですから、イラン側の積極的な対応を求めたいと思っています。
(問)天野軍備管理・審議官を12日でしたか、イランと対話させる。その中では、やはり同じようにミサイルの、この核実験の問題も取り上げて議論したいということになるのでしょうか。
(報道官)当然、私たちの方からそうした問題を取り上げることになります。もちろん核の問題もそうですが、天野審議官が行う日本とイランとの間の定期協議はこれだけに限ったものではなくて、大量破壊兵器の不拡散という大きな問題も取り上げることになっていますので、化学兵器とか生物兵器についても取り上げることになると思います。
(問)イランが発射実験を認めたことについて、今日、遺憾だということをおっしゃいましたが、これによって日本とイランのアザデガン油田を巡る交渉に変化が出る可能性があると受け止めてよろしいものでしょうか。
(報道官)今の段階でアザデガン油田の話し合いは、私たちが承知しているところでは、6月30日までは日本が優先交渉権を持っていた、6月30日を過ぎた段階でイラン側は、日本だけとの交渉ではなくて他の国も交渉に参加することが可能になったという見解を表明しています。我々はまだ、交渉に変化が生じたという情報には接していませんが、この交渉はあくまでも日本の民間企業のコンソーシャムとイラン側が行っていることであって、政府は直接タッチしているわけではありませんので、直ちにミサイル発射実験に対する遺憾の意の表明がこの交渉に影響を及ぼすとは考えません。しかしイラン側が、そうした国際社会の懸念を増すような行為を是非控えられて、平和を求める国であるということを、核の問題でもミサイルの問題でも示して欲しいというのが我々の強い願いです。
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パレスチナ情勢
(報道官)中東情勢に関して、8日のことですが、パレスチナ自治政府のアッバース首相がPLOファタハの中央委員会に辞表を提出したという情報が伝えられています。私たちは、この辞表は今のところ受理されてはいないと承知していますが、我が国としましては、アッバース首相が4月29日に就任して以来、暴力の停止、パレスチナ自治政府の改革、イスラエルとの和平に努力をされて和平に向けて重要な進展が見られるようになっていること、こうした点を高く評価しています。アッバース首相が引き続き首相として和平に向けて力強い指導力を発揮されることを願っていますし、そのために我が国としては、引き続きアッバース首相の取り組みに対する支持と支援を行っていくことを改めて表明します。
(問)アッバース首相なんですが、辞任を、明言はしていないけれどもほのめかしているという報道もありますが、その辺については情報はありますか。
(報道官)私たちのところに入っている情報では、実際に辞表を提出されたそうです。
(問)ファタハの方ですよね。
(報道官)ファタハの方へ。
(問)首相職自体も辞めると。
(報道官)その中には、首相を辞めるという話が入っていると聞いております。それに対して、私たちとしてはアッバース首相は現在の地位に留まって引き続き和平の努力を続けて頂きたいと願っているということを申し上げます。
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自衛隊による輸送機派遣
(報道官)今月4日に閣議で決定されたヨルダンに対する自衛隊の輸送機派遣の点ですが、航空自衛隊のC-130輸送機2機が明日の午前に小牧の基地を発って、沖縄、タイ、モルディブ、アブダビを経由して14日に活動のベースとなるヨルダン、アンマンのマルカ基地に到着することになりました。C-130は、イタリアにある国連備蓄基地などとアンマンとの間で人道関連物資の輸送に当たることになっています。
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報道官会見記録 (平成15年7月2日(水) 17:00~ 於:芝会見室)
矢野外務副大臣の韓国訪問
(報道官)矢野外務副大臣が明日3日から4日にかけてソウルを訪問し、韓国の尹永寛外交通商部長官他、韓国政府要人と会談することになりました。日韓関係と対北朝鮮政策についての意見交換が目的です。
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キン・マウン・ウィン・ミャンマー副外相の訪日
(報道官)ミャンマーのキン・マウン・ウィン外務副大臣がタン・シュエ国家平和開発評議会議長の特使として、4日の朝から5日にかけて東京を訪れることになりました。キン・マウン・ウィン外務副大臣は小泉総理大臣宛の親書を携えて来られるということです。ウィン副大臣が東京での日程はまだ調整中で、決まり次第報告したいと思います。
(問)ミャンマーについてなんですが、先日、宮本大使を通じてスー・チーさんの拘束場所について再度確認をするということだったようですが、その結果、進展状況等についてはどういうふうになっていますか。
(報道官)残念ながらまだミャンマー側から宮本大使に対してそうした情報が提供されておりません。宮本大使の方からミャンマー側に対してスー・チー女史との面会、タン・シュエ議長とも会談をしたいということを伝えているのですが、まだ返事がありません。我々としては、キン・マウン・ウィン副大臣が持ってこられるタン・シュエ議長の親書の内容や、このキン・マウン・ウィン副大臣を日本を含めて関係国に派遣することを決めたミャンマー政府の考え方についてじっくりと話を聞いてみたいと思っております。また、これを機会に兼ねてから日本が言っているように、まずスー・チー女史及びNLDの現在拘束されている人々の即時解放、政治活動の再開、更に、5月30日に何が起きたのかを国際社会にきちんと分かるように説明することを求めております。これを改めて伝えたいと思っております。
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日イラン軍縮・不拡散協議
(報道官)日本とイランの軍縮・不拡散協議は既に何回か開催されており、最近では2000年9月に東京で開かれたのですが、今回7月12日にテヘランで開催することになりました。日本から外務省の天野軍備管理・科学審議官、イラン側からはザマニニア外務省国際政治問題局長が参加します。日本側としてはこの会合でIAEAの核不拡散体制に関する問題、ミサイル不拡散、生物・化学兵器を中心とした問題、こうした点について意見交換をしたいと思っております。またイランの核問題でありますが、IAEAはイランの核開発について疑念を表明しておりまして、今月の9日にはエルバラダイ事務局長がテヘランを訪問するといった情報もあります。そうした形を通じてイラン側に、イランが言っているような平和目的のための開発であるのであれば、透明性をはっきりと出してIAEAに協力し、追加議定書に無条件で署名をして批准をし、これを実行に移してほしい。そうすることによって国際社会の疑念を払拭することが出来るということを申し入れております。つい最近、6月27日には茂木副大臣が外務省で、在京のマジェディ・イラン大使にそうした点を伝えましたし、翌28日にはテヘランで河村大使が、アミンザーデ外務次官にも同じ趣旨を伝えておりますが、今回、7月12日の軍縮・不拡散協議の席上でも天野軍備管理・科学審議官がイラン側に対して、日本側のそうした強い要請を伝えることにしております。
(問)イランのアザデガン油田に関連してなんですが、一部報道で、アメリカのライス大統領補佐官やアーミテージ副長官が、加藤駐米大使を呼んで契約を中止するように要請したという報道があるのですが、これについての事実関係はどのように。
(報道官)この問題について日本とアメリカの間で様々なレベルで情報の交換、意見の交換をやっているということはありますが、個々の内容、実際に誰がどういう形で話をしたかということについては明らかにすることは控えたいと思います。ただ、イランの核を巡る疑惑、国際社会全体がIAEAも含めて、イランが実際に核兵器を開発しているのではないかという疑いを持っているということ、これは日本にとっても重大な関心事でありますし、もちろんアメリカの関心事でもあります。そうした点は我々も十分理解をしておりますし、石油の開発というのは日本にとって大変意味のあることです。この2つの課題をどうやって解決していくのか、またイラン側がこの問題についてどういう対応をするのか。先程申し上げたように、例えば9日辺りにエルバラダイ事務局長が行かれるという話もありますので、イラン側がどういう対応をするのかということも見極めていきたいと思っています。
(問)軍縮・不拡散協議なんですが、3年ぶりということで、この間ちょっと間が開いているように思うのですが、その理由と、このタイミングで開くことになった経緯を説明頂けますか。
(報道官)3年ぶりということなりましたのは、双方で開催することについてまとまって、今回行うことになったと聞いております。実は1999年には2回、ハーグとジュネーブで開かれており、特にいつ、どういう形で開くということが決まった定例の協議ではありません。双方がそろそろ意見交換をしようかということでまとまって開催されることになる。日本側としては天野審議官の方から日本側の、これまでにも度々伝えてあるイランに対する要望、要請を改めて伝えることも含めて、不拡散の問題を話し合いたいと思っておりますが、そのために開くということではなくて、この機会も活用しながらイラン側に伝えていきたいということであります。あえて申し上げますと、イランの疑惑、特に追加議定書の署名、批准、実行、こうした点については、御記憶かと思いますが、去年の12月に保障措置についての国際会議を東京で開いたことがあります。その時にもイラン側の出席を求めて、申し入れたりもしていますし、以降、これまでに確か13回程、様々なルート、様々なチャンネルを使って、イラン側に日本側の考えを伝えております。
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刑事裁判手続きに関する日米交渉
(問)日本とアメリカの間で、米軍の引渡し後の手続きですとか、そういったことを協議していると思いますが、今の状況をどのように認識されていますか。
(報道官)今日と明日の午前中、東京都内で会談、協議が行われています。アメリカ側からはモーラー国務省日本部長、タイグ国防総省アジア太平洋部長、日本側からは北米局の長嶺参事官、法務省と警察庁の課長クラスも参加しております。今日はまだ初日であり、日本側、アメリカ側双方の基本的な考え方を伝え合うということからスタートしているだろうと聞いております。明日の午前中で一旦この協議は終わることになっていますので、それまで内容については待ちたいと思います。
(問)日本側の基本的な考え方というのは。
(報道官)この問題については既に協議を始めて45日以内に出来るだけ解決するように、両方とも真摯に協議に努めるということが双方で合意されていますので、日本側としても出来るだけ日本側の考えを伝え、アメリカ側の考えを聞いて、一致点、合意できる点を見つけたいと思いますが、まだ今回が1回目であり、今回で結論が出るということはいささか難しいのではないかという感じであります。
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