報道官会見記録 (平成15年5月14日(水) 17:00~ 於:芝会見室)
盧武鉉韓国大統領の訪日
(問)韓国の盧武鉉大統領が来月、日本を訪問するということですが、具体的な日程など、その辺はだいぶ詰まっているのでしょうか。
(報道官)盧武鉉大統領が就任されたときに小泉総理が就任式に出掛けられて、そのときから、出来るだけ早い機会に盧武鉉大統領に日本を訪問していただきたいということをお伝えしてあるわけです。現在日本と韓国の間で日程の調整中でありますが、まだ決定には至っておりませんので、今日の段階では出来るだけ早期にということで調整中というところまでお答えできるだけです。
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サウジアラビアにおける爆発事件
(問)サウジアラビアでの爆弾テロなんですが、日本人のけが人の方が3人というのがありましたが、アメリカの国務長官はアルカイーダの犯行の可能性が高いと言っていますが、日本の政府というか外務省として、標的に日本人も含まれていたというふうに考えていますか。それともある種の巻き添え的な要素が強くて、あくまでもターゲットはアメリカ人だと、日本人は巻き添えだと。どういう受け止め方ですか。
(報道官)サウジアラビアについては、アメリカの国務省がこれまでも度々、テロの危険性があるということで、サウジアラビア在住のアメリカ人に対して警告を出していました。それを受けて外務省でも、5月1日に、サウジアラビアではテロの危険があるというアメリカ国務省の警告が出ているので、滞在される方、または行かれる方については十分気を付けてほしいという注意を喚起していたわけです。また特に最近よく言われているようにアルカイーダの残党というか、そのグループがアフガニスタンからいろいろな場所に散っていって、サウジアラビアでも存在する可能性があるといった情報が流れていたわけですから、今回の事件についてアメリカからアルカイーダの可能性があるというような情報が流れてくるということそれ自体について驚くわけではなくて、可能性はあるのではないかと思っております。また、テロの標的になったところはリヤドにいる外国人が集まって住んでいる地域、従ってアメリカ人がターゲットになるというよりも、外国人がターゲットになった場合に日本人が巻き添えになる、もしくは日本人がその中で怪我をしたり、最悪の場合には犠牲になったりすることもあり得ないわけではないということで、注意を喚起していたわけです。それが実際に起こってしまったことは大変残念ですし、テロに対して強い憤りを感じます。川口外務大臣からもそういう談話を出して頂いていますが、今回の出来事を一つの教訓として、やはりテロの危険というのはまだまだ去っていないし、テロとの戦いはまだ続いているということを改めて感じました。
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報道官会見記録 (平成15年5月7日(水) 17:10~ 於:芝会見室)
北朝鮮核問題
(問)アメリカの一部の報道で、北朝鮮が核の再処理を始めたという情報があるというものがありますが、これについての認識をお聞かせ願いたいのですが。
(報道官)パウエル国務長官もそのような趣旨の発言をなさったと聞いておりますが、実際問題として再処理が始まっているのかどうか確認をする術が今のところないようです。従って私たちとしては、北朝鮮側がそういう趣旨の発言をしたようだという状況を基に様々な発言内容、その後の北朝鮮の公式見解、そうしたものを分析しているところです。しかし、核兵器を持っているという趣旨の発言、再処理についてもやっているという趣旨の発言があったと私たちの耳にも伝わってきているということは大変遺憾なことでありますし、特にアメリカの外交の最高責任者の方もそういう発言をしているということで、やはり重大なこととして受けとめなければいけません。北朝鮮に対しては改めて国際的な約束をきちんと守ること、特に核の問題、再処理の問題といったようなことは日本との約束もありますし、アメリカとの約束、国際社会に対する約束、そうしたものが幾つもあるわけですから、それを北朝鮮がきちんと守って責任ある国際社会の一員としての行動をとるようにと改めて求めていきたいと思っています。これについては日本は日本なりのチャンネルで、また今後開かれるであろう様々な協議の場を通じて北朝鮮側に強く求めていく、こんなことを考えております。
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バグダッドの日本大使館の再開
(問)バグダッドの日本大使館の再開の目途など、現状はどうなっていますか。
(報道官)準備を進めておりまして、先日も外務省の方から担当者が現地を見てきて再開の方向に向けて今動いているところでありますが、具体的にいつということを今の段階で申し上げるのはちょっとまだ固まっていない部分がありますので控えたいと思います。ただ、そう遠くない将来に再開できるものと思っております。
(問)大臣が8日にもと発言されましたが。
(報道官)明日にもという発言を大臣がされたということも承知しておりますが、最終確認がまだ取れておりません。
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イラク復興支援
(問)アメリカのブッシュ政権のイラクの復興にあたります責任者という形でブレマー氏という文民行政官というポストが新設されて任命されました。今まで退役中将といういわゆる元軍人の方がORHAの支援室長、トップに立って進めるということなんですが、この文民行政官のポストを新設したことが日本のイラク復興への関わり方に何かプラス、マイナス、あるいは別にプラス、マイナスの価値判断も含まずに影響を与えるということはあると思いますか。
(報道官)ORHAの機能そのものは既にガーナー氏の下で動き始めていて、日本からも今までに既に2人、そして3人目の政府の、これは経産省の方ですが、文民がORHAに派遣されているという状態になっております。既に様々な形で、特に、既にバグダッドのORHAの中で日本との連絡調整に当たっている2人の外務省のスタッフはしっかりとした仕事をしてくれていると聞いております。またそうしたスタッフからの報告でも、ORHAそのものはまだまだ規模も小さいし、やることはたくさんあるし、特に治安の問題については、十分治安が守られるというところからすればはるかに遠い状態だと聞いています。しかしORHAという組織そのものは既に動きだしていて、これが新たにブレマー文民行政官が着任することによって組織としてまとまりをもってきちんとした仕事を始め、これが出来るだけ早い段階でイラクの暫定統治機構、いわゆるIIA(Iraqi Interim Authority)というものに移行していくことが望ましいわけですから、そうした下準備を、きちんとした形でブレマー氏を中心としたORHAがやってくれることを期待したいと思っています。日本が既に送り込んでいる連絡調整役の文民からも連絡を受けながら、特に人道支援の面、例えばウンム・カスル港の浚渫に急遽資金を提供するといったことも致しましたが、そうしたまさにイラクの人々のために役に立つ支援をしていきたい。その情報を速やかに手に入れるという意味で大変役に立つ存在になっていると思います。
(問)今のところで、細かい質問になって申し訳ないですが、行っている2人の外務省の方は現地で具体的にどういう仕事をやられているのでしょうか。
(報道官)私が聞いておりますところでは、実は大変に、ORHAそのものが人数が少ないために、実際のORHAの仕事も多少お手伝いをしているようですが、それと共に本省とアンマンのイラク担当のスタッフに対して連日の報告をしてくれています。特に今、バグダッドにいる奥参事官を始めとする2人は、その意味では大変にORHA側、アメリカのスタッフからの信頼も厚くて、きちんとした情報入手が出来ているように聞いております。
(問)そうしますと、以前からリエゾン的な役割というのは、正式に表明される前から奥さんとかはされていたと思うのですが、日本政府が正式に派遣を表明したからといって、奥さんたちが具体的によりしっかりしたポジションを得てORHAの意思決定に参画できるというふうになったわけではないわけですか。
(報道官)意思決定の状況を横で見ているというのが正確な言い方だろうと思います。ORHAの一員となって意思決定の中に参画をしているわけではありませんので。その形の中で日本がどういう支援が出来るのかといったようなことを日本の目で探ってくること。またORHAが何を考えているのか、今実際問題としてイラクでどういう問題があるのかといったようなことを情報収集すると共に日本側の考えも伝えるというリエゾン役をやっていると聞いております。また彼らの仕事がないと、大使館の再開という我々が今早急にやらなければと考えていることもなかなかうまく進まない、そういう意味でも大変に役に立っていると判断しております。
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