外務大臣会見記録 (平成15年12月26日(金)10:45~ 於:芝会見室)
閣議、閣僚懇談会
(外務大臣)閣議では、私からは特に発言をしておりません。閣僚懇談会では、イラクへの復興支援についてのパンフレットを作っているのですが、それについて改訂版を最近作りましたので、その御紹介をしました。これはなかなかいいパンフレットだと皆さんにおっしゃって頂いています。アラビア語のパンフレットを作成中で、今日にも出来るということです。前回からの改定した内容は、マドリードの会議と基本計画等がその時点から新しくありましたので付け加えてあります。アラビア語も作ってイラクの国内で自衛隊の方等から配布をして頂こうと思っています。今日が今年最後ということで、いろいろとありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。
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航空自衛隊先遣隊の出発
(問)今日、イラク復興支援で航空自衛隊の先遣隊がクウェートに向けて出発したようですが、改めて意味についてお考えをお聞かせください。
(外務大臣)イラクの人たちがスケジュールを作って来年、6カ月後に政権を、暫定的な行政機構を作ってそこに移転することになっていて、イラクの人たちに統治権を来年6月に返すというスケジュールがあります。それに向けイラクの人たちが一生懸命に今対応しています。国連の決議もあるわけで、我が国として国際社会の一員としてイラクの人たちの復興に支援をしていくことが我が国の責任であると考えているということです。今、いろいろなソフトターゲットに向けてテロ攻撃などがある中で、日本として支援をしていくやり方として一番ふさわしいのがまさに自衛隊の方々による復興支援であると考えています。我が国がこれをやっていくことは国際社会の要請に応えてということですが、更に我が国にとっても、これをやっていくことが国益であると考えています。なぜ国益かというと、まず日本の平和、繁栄は国際社会が平和であって、安定しているということにまさに依存しているわけで、イラクがこのまま復興、あるいは民主的な国家になるという過程をうまく進めないようなことがあると中東地域全体が不安定になる恐れがあるわけで、それは我が国にとっても望むところではありません。イラクがそういう国家になれない、あるいは時間がかかるような状況になると、まさにフェイルド・ステートという状況になって、それが更なるテロリストの国際社会における動きを加速しかねない。もちろん我が国として考えているのは、中東和平との連携でもあります。イラクの問題がうまく解決していかないと中東和平についても非常に問題があるだろうということです。更にエネルギーという観点から言えば、我が国は石油については9割近くを中東地域に依存しているわけで、その地域が不安定であるということは直接的に我が国に大きな影響を与えるだろうという観点から、イラクに対して復興支援をしていくことは国益であると考えています。
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森前首相の訪台
(問)森前首相が台湾で陳水扁総統と会談し、中国が反発しているようですが、外務省としてはこれをどう受け止め、どういうふうに対応していかれますか。
(外務大臣)森前首相の台湾の訪問については私的な訪問であると理解しています。政府の方針はずっと前から申し上げているように、日中共同声明に従って台湾との関係は実務的な非政府間の関係であると整理をしていて、この方針は全く変わりはありません。
(問)昨日の逢沢副大臣の会見だと、森前首相が行かれるのはラグビーの交流だとか、弔問とかであって、私的なものであるという話でしたが、陳水扁総統と総統府で会談されたということを踏まえても私的な訪問という理解でしょうか。
(外務大臣)私的な訪問という理解です。
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北朝鮮(拉致問題)
(問)北朝鮮の問題ですが、拉致問題が1年間進展がなかったということで、家族の方に相当不平が出てきているようですが、この1年間、進展がなかったことについて今後どういうふうなお考えを持っていくのか。更にそれを踏まえて来年はどういうふうにしたいですか。
(外務大臣)1年間進展がなかったことについては、まさに無念という一言に尽きるということです。来年ですが、我が方として今まで北朝鮮に対しては、日本に帰っている拉致被害者の家族の人たちを日本に帰すべきであるということと、事実関係の究明について求めてきているわけで、これに北朝鮮が積極的に応じるべきであるというのが我が国の立場です。これについては来年も引き続き強く求めていきたいと思っています。
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外務大臣会見記録 (平成15年12月24日(水)10:55~ 於:芝会見室)
閣議、閣僚懇談会
(外務大臣)今日の閣議では、平成16年度の政府の予算原案が閣議決定されました。なかなか厳しい財政状況の中ですが、外交の重要性を配慮して頂いて復活要求も認めて頂きました。また実施体制の強化という意味で、機構、定員についてもお願いしていましたが、そこも認めて頂いたということで、今後、そういったことをベースに来年も引き続き良い外交をしていきたいと考えています。閣議での私の発言は特にありません。閣僚懇談会の場で、ITER(国際熱核融合実験炉)についての報告がありました。私からは、外務省としても今まで様々な方、外務大臣との懇談の席上でITERについて話をして理解を得てきたわけですが、今後、引き続きそういった努力をしていきたいということも申しました。
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イラク(日本人外交官殺害事件、べーカー米特使の来日、自衛隊派遣)
(問)一部の報道で、イラクの日本人外交官殺害事件で米軍側が容疑者の1人を特定したという報道があるのですが、日本政府としてそういう事実を確認されているのでしょうか。
(外務大臣)これについては、私どもも一日も早く、その犯人を突き止めて逮捕してもらいたいと思っています。それについてのいろいろな情報はありますが、一つ一つについて、今まさに捜査中のことでもありますので、私の立場からコメントを申し上げるのは控えさせて頂きたいと思います。
(問)来週、べーカーさんがお出でになるかと思うのですが、イラクに対する債務問題ということが議題になると思うのですが、日本としてどういった対応をされるのか。
(外務大臣)イラクについての債権、向こう側の債務ですが、これはパリクラブの議論の中で債務の全体像とか、経済の状況とか、様々なことを勘案して全体として決まっていくことだと思います。日本としてそういった議論に、建設的、積極的に対応していくという姿勢は持っています。べーカー特使がいらした時の話というのは、先程申し上げたような考え方を踏まえて対応させて頂くということになると思います。
(問)イラクへの自衛隊の派遣について、現地の理解を得るための広報活動が重要であると大臣自身がおっしゃっているわけですが、例えば具体的にどのような方法で、地元のテレビに出られるとか、何か広報文を発出するとか、そういったことは考えているのでしょうか。
(外務大臣)それは今既にいろいろやっています。日本が様々な復興についての支援をしていく中で、日本についての理解を深めてもらいたいということで『おしん』も放映しているわけですが、その他に、例えばアラビア語のパンフレットを作るということもやっています。テレビも、これはいろいろな方が、例えばアル・ジャジーラとか、他の近隣の諸国でも見られるテレビに出るということで話はしていっています。いろいろなプログラム、既にこういうことを行うというプログラムは出来ていまして、それを全部、片端から実施していくということです。
(問)今の関連ですが、小泉総理が、今おっしゃったアル・ジャジーラに出演するという話もあるようですが、具体的なスケジュールについては聞かれていますでしょうか。
(外務大臣)私は聞いていません。アル・ジャジーラは私も今まで既に何回も出ていますし、この間も中東地域の大使の方々と話をして、幾つかいいアイデアも頂いたりしていますので、そういうことをどんどん行っていきたいと思います。
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年明けの外遊日程
(問)年明けの外遊日程というのは、何か固まっていれば。
(外務大臣)固まれば出来るだけ早く話しをさせて頂きたいと思っています。年内はありません。年明けは今いろいろ検討していますが、相手もあることですので、今日の段階で申し上げる状況ではありません。私自身、どことはまだ決めていません。決まれば出来るだけ早くお伝えしたいと思います。
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外務大臣会見記録 (平成15年12月22日(月)16:20~ 於:芝会見室)
平成16年度外務省予算
(外務大臣)大臣折衝が終わったところです。お願いをしたことは、在外公館に対してテロ等の脅威が高まっている中で、警備体制の強化に必要な経費16億800万円、これについて復活を求め、了承されました。これにより、在外公館の警備員を650名から1420名に、770名増加することが可能になります。在外公館への脅威が高まっていることに鑑み、外務省としては今年度の予算で防弾車10台の追加配備をします。本年度の予備費による14億円規模の物的な警備の強化を講じてきています。今回、それに加えて人的な警備の強化について、谷垣財務大臣から緊急性、重要性、必要性を認めて頂いたものと考えています。この結果、外務省の予算総額は7212億円、対前年度比2%の減になります。今回は財政事情が非常に厳しい中の予算編成ですが、外交の重要性に御理解を頂いて、重点外交を実施するための体制作り及びその数値自体の両方について適切な予算措置が出来たと考えています。
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外務大臣会見記録 (平成15年12月19日(金)10:30~ 於:官邸)
冒頭
(外務大臣)600万ドルのパレスチナ向け緊急無償が決まりました。これについては高村元外相と逢沢副大臣が、今、特使として向こうに行ってらっしゃいますけれども、既にお伝えいただいております。貧困対策、雇用対策、医療等といった分野です。それから、安保会議に引き続いての閣議でBMDについての決定がございました。これは純粋に防衛的なものですから、日本のいろいろな今までの政策との関係で全く問題ないわけですけれども、近隣の諸国に対しては外務省としても、説明をきちんとしていく努力をしていきたいと思っています。私のほうからは、以上です。
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ミサイル防衛
(問)閣議でもミサイル防衛については、予算等について閣議決定されたという風に伺っているんですけども。
(外務大臣)閣議でされたということです。予算ではありません。予算は関係ありません。整備をするということが決定されたということです。
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在外公館の警備強化
(問)在外公館の警備強化については財務省と話しているということですが、今、どの程度の話になっていますか。
(外務大臣)今いろいろな調整を最終的に行っていますので、こういう風になったということが決まらないとお話できませんが、この問題については、ご理解をかなりいただいているという感触は持っています。もともとこういった事件が起こる前から、外務省の改革といいますか、機構の改革の一環として、これについては問題意識を持っていまして、そもそも、原案の段階でお願いをかなりいたしておりました。
(問)線としては、警備員倍増であるとか防弾車をかなり導入すると。
(外務大臣)考えられるいろいろなことです。問題の性格上、具体的に今の段階では申し上げにくいところもございますが、大事なことですのでやりたいと思っています。
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武器輸出三原則
(問)武器輸出三原則の見直しについては閣議で話はでましたか。
(外務大臣)特に話はでていません。
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安保会議
(問)安保会議は、総理のご発言について何かご紹介いただけますか。
(外務大臣)後で官房長官の談話が出ると思いますので、同じような内容のことです。わが国を取り巻く、あるいは、今の世界に存在する安保環境の変化等を踏まえて整備をする。それから技術的な観点から検討を行っていたわけですが、技術、進歩、そういう観点からも併せて整備を決定するということです。
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外務大臣会見記録 (平成15年12月16日(火)09:10~ 於:官邸)
冒頭
(外務大臣)私の方からは今日閣議でエイズ・結核・マラリア基金に対して、無償資金協力で5030万ドル拠出することが決まったということで、それに関連した発言をしました。
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6ヵ国協議
(問)6ヵ国協議の年内開催がなくなりましたが、来年の開催見通しはどのように考えていますか。
(外務大臣)できるだけ早期にと思っています。今週の開催はだめになった、年内もおそらく難しいだろうと思いますが、一月は、来年はできるだけ早くやりたいというのが日本の考えていることです。
(問)年内という区切りがなくなったことで朝鮮プロセスがスピードダウンする懸念とかそういったことありますか。
(外務大臣)我々としては年内と強く思っていたのは、そうことでやりたいということですが、これは日本だけではなく他の国も早期に開催したいと思っていますので、調整を引き続き続けていくことで、スピードが落ちることはないと思います。
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フセイン元大統領の拘束
(問)フセイン元大統領拘束ですが改めて今後の日本の方針に対する影響とかありますか。
(外務大臣)日本が人道復興支援をしていくときに治安の状況というのは表裏一体にあるわけです。フセイン大統領が拘束をされたことでイラクが全体としてイラクを復興していこうという国民和解の契機になって、治安についていい状況に向けての進展がみられるということになることを日本としては期待をしています。そして国際協調ということも大事なので、日本としてそれも働きかけていくということで、私も昨日、カシヤノフ首相と話をした時に、国際協調が大事でロシアとしてもさらに協力をしてほしいということを言いました。
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カシヤノフ首相との会談
(問)昨日のカシヤノフ首相との会談で東シベリアのパイプライン計画のルート決定にどんな感触を大臣としては持ちましたか。
(外務大臣)どちらかの感触を得たということではありませんが、わが国としては、これはロシアにとっても日本にとっても重要なプロジェクトであると。ロシアにとっても東シベリアにとっても油田の開発ということがシベリア、極東ロシアの経済の開発につながるということですし、太平洋にパイプラインが繋がっていくということが、太平洋のこちら側にある国々との関係が強化されるという意味でも意味があると思っています。これについては今日総理とも中川大臣ともカシヤノフ首相にお会いになるということで、さらに話が進むことだと思います。
(問)平和条約締結交渉に関して大臣は訪ロも予定しているようですが目処はどの時期でしょうか。
(外務大臣)来年前半というふうに昨日は私は言いました。具体的にいつ頃だとかいうのは国会その他の日程がありますので今の時点で何月とか言う段階のところまでは決めていません。
(問)大統領選の後くらいですか。
(外務大臣)いろいろな考えるべき要素がありますので、今の時点でそれをさらにどちらかというふうには決めていないということです。
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22年前の北朝鮮工作員の報告書
(問)22年前に宮崎で逮捕された北朝鮮のスパイが北朝鮮の工作員の日程を明らかにした捜査報告書が警察庁で作られたというそういう事実は大臣は把握されていましたでしょうか。
(外務大臣)それは存じていません。
(問)その資料によりますと、日本の密入国の上陸のポイントであるとか工作船の実態であるとかこと細かく示るされているとのことですが、それが当時から政府で共有していればもう少し拉致の問題解決に繋がっていたという意見もあるのですが、その点はいかがでしょうか。
(外務大臣)その資料は情報公開か何かでしょうか。
(問)一部報道でやっていました。
(外務大臣)そういう資料が本当にあったかどうか、事実関係を聞いてみたいと思います。
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外務大臣会見記録 (平成15年12月12日(金)8:55~ 於:官邸)
冒頭
(外務大臣)私の方からは閣議での発言もありませんので、特にお話しすることはありません。
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日・ASEAN首脳会議
(問)ASEANの首脳会議についてどのようにご覧になっていますか。
(外務大臣)一日目は非常にいい滑り出しで、いい雰囲気で会議が行われたと思います。私が強く印象として感じるのは、今までASEANとの間で良き隣人という、福田元総理が行かれて以来そのような関係でもあったわけですが、今回の会議を通じて非常にはっきりした形でASEANの国々と日本が一緒に色々なことを行っていくパートナーだ、という意識が双方に出てきたと思います。ASEANの国もいろいろ国によって差がありますので、日本として支援する部分は、はっきりと支援するとコミットもしているわけですが、同時に、ASEAN全体として、アフリカですとか他の国に対する支援を日本と一緒にやっていくことが必要だ、ASEANが非常に変化を遂げたという印象があります。そして、政治、安全保障といった面についても、経済だけではなくて、ASEANと一緒に協力をしていこうという雰囲気が強く出たということだと思います。日本がASEANに対して強くコミットをしている、していくということについてのASEANとしての確信を持っているとも思いました。
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六カ国協議
(問)六カ国協議なんですけれども、また若干往来があるようですけれども開催の見通しについてはどのようにお考えですか。
(外務大臣)まだ決まっていないというのは前々から申し上げている通りです。引き続き努力を続けているということです。
(問)年内に開催するとすれば、あまり時間がないようですけれども。
(外務大臣)できるだけ最後まで、今日は金曜日ですから、まだ年内には日にちがあるわけでして、努力を続けているという姿勢でみんながいるということだと思います。
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外務大臣会見記録 (平成15年12月9日(火)10:45~ 於:芝会見室)
閣議・閣僚懇談会
(外務大臣)今日の閣議において、私からは何も発言をしていません。閣僚懇談会において、『週刊現代』にお二人の御遺体の写真が掲載された件について、私はこれは言語道断であると思っていますので、その旨を話させて頂きました。外務省として強く抗議しました。これは御遺体の尊厳、御両家のお気持ち、人権問題であると思っています。
(問)閣僚懇で『週刊現代』のお話をされた時、他の閣僚から何か発言はありましたか。
(外務大臣)これは野沢法務大臣も非常に問題であるとおっしゃって頂き、法務省からも申し入れを既にして頂いたということでした。他の閣僚からも口々に、問題であると考えるという趣旨の御発言がありました。
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合同葬儀
(外務大臣)この席を借りまして、土曜日の御両家及び外務省の合同葬儀に大勢の方に御参列頂いたことについて御礼を申し上げます。3500ぐらいと聞いております。いろいろな方、大勢の方に御参加頂きました。中には長時間お待たせしたり、会葬のお礼状をお渡し出来なかったりといったこともありました。お詫びと共に御礼を申し上げます。
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イラク(テロ非難の安保理議長声明、基本計画)
(外務大臣)テロを非難する安保理の議長声明が日本時間本9日未明に発出されました。これは日本がずっと働きかけてきたもので、反テロの声明と決議1511の完全な履行の必要性を改めて訴えるものです。イラクの復興支援に対して一層の協力が必要であることを訴えるものとして、日本としてその声明の発出を高く評価しております。
(問)1511の完全な履行の必要性を訴える安保理議長声明について、裏を返しますと、現時点で1511が15対0であったということとは別に、仏独ロと米英との溝というのは埋まっていないと思うのですが、日本はイラク戦争の開戦以来、日米同盟と国際協調ということを総理もおっしゃっていたわけなんですが、現時点ではそれはまだ実現していないと思うのですが、イラク戦争がどういう局面になれば日本が求める両立ということが可能になるのか、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
(外務大臣)イラクの復興に対してそれぞれの国で考え方の違いがあるわけで、国の間の違いが全くなくなるということではないと思います。言及されていた、どういうことになれば日米同盟と国際協調が両立するかについては、既に両立していると私は思っています。それはまさに1511が出ているわけですから。日米同盟ももちろん日本としては大前提です。そして日本としては、より国際協調が、1511の言うところが実行されて、イラクにおいて支援がもっと行われることも大事だろうと思います。従って、常に努力をし続けていくという全部の過程だと思います。そういう状態で国際社会が動いていくことが望ましい。ですから議長声明はそういうことに向けて更に一歩を踏み出されたものでありますし、特使というのもそういうことであると思います。
(問)今日いろいろ出ていますように、臨時閣議で基本計画が決定される、それはもちろん今おっしゃれないのはよく分かっているので、今から基本計画が決定されても必ずしも、もちろん年内に、時間的な問題もあるので無理だという意見も相当多いわけですが、その辺はどのようにお考えでしょうか。
(外務大臣)今まさに基本計画自体を与党のプロセスで調整中ですから、今の時点で先のことについてどうなるということを申し上げるのは控えさせて頂きたいと思います。
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六者会合
(問)北朝鮮の核開発を巡る6カ国協議の関連なんですが、先週末、日米韓をやったと思うのですが、今後、6カ国の間での大臣の把握されている動きと、今後年内の開催に向けた見通しなどは今どのような流れでしょうか。
(外務大臣)今、引き続き、国際的な場での調整の努力が進められております。今の時点で年内に開催できるとかできないとか、12月のいつ開催するとか、そういうことは一切決まっていません。これはずっと変わらないことです。
(問)国際的な場の調整というのはどういうことを指しているのでしょうか。
(外務大臣)今までずっと行ってきたように、いろいろな国が、開催が可能になるようにお互いに今調整しあっている過程ということです。
(問)今の質問に絡んでですが、日米韓の3カ国が局長級協議をやりまして、そこで基本的な考えを一致させ、それを中国側に提案する、あるいは提案したと伝えられております。日米韓の基本的な考えが北朝鮮に示され、北朝鮮がそれに同意するというプロセスがこれからあり得るのか、それとももう一度中国、北朝鮮と議論して、もうちょっと中間的なところで折り合うことになるのか、その点、現時点での見通しはいかがでしょうか。
(外務大臣)いろいろな可能性があると思います。今は調整中だと申し上げたわけですが、どういう形でこれから行われることになるのかということも、たくさん可能性があります。今、こういうことで動いており、今の時点でこれを行っていますと具体的に一つに絞って申し上げられるものではありません。調整を皆で努力しているということです。
(問)加えて、前回の局長級協議で、いわゆる基本合意されたとされる日米韓としての案は絶対譲れない一線だと考えるべきなのか、それとも一つのオプションと考えるべきなのか、この点、大臣はどのように認識されていますでしょうか。
(外務大臣)これもいろいろな調整を行っている過程ですから、何かについて日本はこうですとか、そういうことを申し上げることは差し控えさせて頂きたいと思います。
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ロシアの選挙
(問)ロシアの選挙なんですが、極右がだいぶ台頭してきたり、プーチン大統領の翼賛政党みたいなものが最大政党になったり、かなり大統領の権力が一極集中というか強まるという傾向が一つ見られるのと、OSCEなんかも選挙のあり方、かなり政権が自分たちの影響力を心配させるような、有利な形で展開されていることに懸念を表明され、アメリカもそれを共有すると言いますが、日本政府としてはロシアの政権をどう御覧になっていますか。
(外務大臣)プーチン大統領の統一ロシアへの支持が非常に大きく表明された、ああいう形で表明されたことについては、日本として、プーチン大統領と外交政策、あるいは日ロ行動計画というものを作ってやろうとしているわけですから、基盤がより堅いものになったという意味で評価をしています。基本的にプーチン大統領の統一ロシアが選挙に勝ったわけですから、日本とロシアの間での外交政策等について、それによって何か大きな違いが生ずるということではないと思っています。
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外務大臣会見記録 (平成15年12月5日(金)10:55~ 於:芝会見室)
閣議
(外務大臣)今日の閣議で、亡くなられた奥大使、井ノ上書記官、運転手のジュルジース・スライマン・ズーラさんの叙勲が決定されました。奥大使には従四位と旭日中授章、井ノ上書記官には従七位と旭日双光章、そして運転手の方には、この方は20年仕事をなさったわけですが、日本国としての感謝の念を込め旭日単光章が贈られることになりました。
(問)叙勲の話は、昨日発表になったいわゆる2階級特進というのがありますが、叙勲のいわゆるランクというのでしょうか、そういうのは何か関係してくるのでしょうか。
(外務大臣)2階級特進というのは、外務省の内規です。叙勲の話は、私の理解では賞勲局の方でいろいろな功績、業績を総合的に判断して決められると聞いています。
(問)大使だと何等とか、参事官だと何等とか。
(外務大臣)どのようなルールで賞勲局が何に値するということを決められるかということの詳細は把握していません。
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アナン国連事務総長との電話会談
(外務大臣)先程、国連のアナン事務総長と電話会談を行いました。アナン事務総長から奥大使、井ノ上書記官が亡くなられたことについてお悔やみの言葉を頂いておりましたので、それについて御礼を申し上げました。その際に、日本として今後も、今まで同様にイラクの復興支援に取り組む我が国の考え方、テロとの戦いを積極的に行っていくという我が国の考え方、この基本方針について揺らぐことはないということを申し上げました。更に、無差別なテロは許し難いものであって、国際社会が怯むことなく、テロに屈することなく、反テロのメッセージを出していく必要がある、安保理としてテロを非難するメッセージを改めて発する必要があることを申しました。イラクが困難な状況にある今こそ、国連がイラク問題に積極的な役割を果たしていくという
強い決意を明らかにすることが重要であり、今、国連の役割が大事であることを申し上げました。これに対してアナン事務総長からは、更にお悔やみのお言葉があり、無差別なテロは許し難いというのは同じ考え方をしている、安保理としてテロを非難するメッセージということは安保が決めることだが、日本が働きかけを進めることを行ってもらえば、安保理としてはそう考えるのではないだろうかという趣旨の話がありました。国連のイラクにおける役割ですが、今後の国連の進め方について、来週にも報告書を出したいと述べられていました。
私は、故デメロ特別代表の後任の新しい事務総長特別代表の早期任命が大事だということを申し上げたわけですが、それについては近い将来任命をしたい、早い時期に新事務総長特別代表の代行を任命したい、これはおそらく来週、あるいは再来週のはじめなのか、その辺のタイミングで代行を任命したいとの話がありました。
イラク問題、国際社会が直面している新たな脅威について、アナン事務総長と議論させて頂くためにも、是非日本に来て頂きたいという話をしました。アナン事務総長からは、これについてはスケジュールを見て、日程の調整をしたいと返答がありました。
(問)国連改革の話というのは出なかったのでしょうか。
(外務大臣)電話では国連改革の話はしませんでした。むしろイラクということに焦点を絞って話をしました。
(問)今後、日本としては安保理の場で非難決議等が採択されるような働きかけをしていくという理解でよろしいでしょうか。
(外務大臣)決議という形になるか、形はいろいろあると思います。ただ安保理として何らかのメッセージを出すということが大事だと考えています。ちなみにデメロ特別代表が亡くなられた時は議長のステートメントでした。
(問)国連に対しては政府特使の派遣も言及されているようですが、どういう状況になっていますか。
(外務大臣)総理の御意志を体してどうするかということをいろいろ検討しているのではないかと思います。今の時点で何か決まっているということではないと承知しています。
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イラクでの襲撃事件
(問)共同通信が5日、イラク暫定内閣のジバリ外務大臣と単独会見をやりまして、その中で、現地のジバリ外務大臣が、これまでの捜査結果から今回の事件について旧フセイン政権の情報機関のムハバラトが日本人を標的にして計画的に犯行を行ったと断言されました。その理由について、ジバリ外務大臣は、日本がアメリカの占領統治に協力しており、2人が日本人の外交官だからだと説明されました。更に、なぜ情報機関ムハバラトの犯行だとみるかという点について、襲撃方法がムハバラトの教則、教本どおりだと説明しました。川口大臣はこうしたイラク暫定内閣の現時点での捜査状況について、今申し上げたような内容の報告を受けておられるかどうか。更に、ムハバラトの計画的犯行ではないかという見方について、どのように認識されているか
、この点についてお伺いしたいと思います。
(外務大臣)この件について、誰がやった、どのようにこれが行われたとか、いろいろな情報について入手はしています。あるいは入手をする過程のものもありますが。きちんと確認をさせて頂いたこと、これははっきりそうだと申し上げられることについては、逢沢副大臣が今朝言われたと思いますが、そういう形で外務省から出させて頂いています。本当に何が起こったということについてはまだはっきり解明されていないということです。
(問)確認になりますが、今、外務省が入手されている情報の中で、捜査線上にムハバラトという固有名詞が浮上しているかどうか、この点についてはいかがでしょうか。
(外務大臣)いろいろな情報はありますと申し上げさせて頂きたいと思います。一つ一つについて、こういうことについて入手しているとかを申し上げることはしていません。
(問)下世話な話で聞きにくいのですが、お二人の御遺族に対する外務省の経済的な支援と言いますか、それは公のものと御有志の方々がいろいろボランティアで募金などもされているようですが、公のものとボランティアレベルのものと、今どのように把握されていますか。
(外務大臣)今、いろいろ検討していると承知しています。お子さん方が非常に小さいので、これから教育にもいろいろお金がかかるという状況ですから、有志がお金を出し合うというのも大事なことだと思っています。
(問)今回の事件で、ペルーの大使公邸事件や去年の瀋陽の事件とかの教訓が十分に生かされなかったと思うのですが、大臣は御自身の責任問題についてどのようにお考えでしょうか。
(外務大臣)ペルーの教訓が生かされたか生かされなかったかということについて、それは必ずしも生かされなかったとは言えないと私は思っています。ペルーの教訓から、これはしばらく前の話ですが、外務省は多くのものを学び、それを生かす努力は様々にしていると思います。私の責任問題ですが、もちろんある組織の長ですから、そういう意味ではその組織の中で起こったことに対しては、組織の長として、それは私の知らないことですということを申し上げるつもりは全くありません。ただこの世界の言葉として、責任があると申し上げると、ある特定のことを意味するということのようで、そういうことを意味して言及しているのであれば、私は通常の人間の組織の長の問題として、起こったことは当然そういう意味で責任を持つということです。それ
が責任をとって辞めることを意味しているのであれば、そういうことは考えていないということです。
(問)今回の外交官の殺害事件について、新聞などで、例えば政府専用機を使って行くことが出来なかったのかとか、あるいは大臣自らが行くべきではなかったのかとか、あるいは国葬級の形に出来なかったのかとか、いろいろな議論が出てきているようですが、これはどのようにして決まったのかなど、御説明頂けますか。
(外務大臣)今言及されたようなことについて、我々として中でいろいろな意見交換を行い、必要な相談を申し上げて、我々として一番いい形、適切な形で鋭意決めたと思っています。
(問)適切な形で鋭意決めたとおっしゃいましたが、よくスペインとかイタリアの例とか、外国でのやり方もご存知と思いますが、それと比較されても適切だったとお考えでしょうか。
(外務大臣)我々の一つの考え方というのは、御遺体に出来るだけ早く、一刻も早く日本に戻ってきて頂くことであるわけです。そういう観点、あるいは御家族の御意見、いろいろな意見が省内にも省外にもありますから、そういったことを全部検討して、適切であるということです。
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日米韓非公式局長級協議
(問)北朝鮮問題についての日米韓の協議で、現在行われているのが終わって、今どの辺の報告を受けていますか。
(外務大臣)まだワーキングディナーを行っているのではないかと思います。従ってまだ終わってはいないわけです。これについて、日米韓、今までも非常に緊密に議論をしてきているわで、そういう形で今回も非常に緊密な協議が行われたと承知しています。日米韓の間での考え方の違いというのは、今まで何回もやっていますから難しいということでは基本的になかったと承知しています。
(問)現時点で6カ国協議の年内開催の見通しはどうですか。
(外務大臣)これはずっと今まで申し上げてきていますように、今の時点で年内に開催されることが決まっているということではない。それについて、その状況は変わりはありません。多くの国がこれを早く開催したいと思っている、その熱意は変っていないと思います。
(問)なかなか日程が決まらない背景というか原因はどのように大臣は分析されていますか。
(外務大臣)元々どの会議でも、会議の日程とそこで何を議論するかということは表裏一体の関係にあるわけですから、そういうことだと思っています。どういう成果を出していくかということを議論していく必要があるということです。
(問)今、ワシントン発、あるいは北京発の報道などで、北朝鮮が核を完全に放棄する、事実上、見返りとして重油供給を含めた、エネルギー支援も経済支援という範疇に含めて、経済支援を行うと我々は強く思っていると指摘されているわけですが、これに対して安全の保証の中にそうした経済支援が盛り込まれる可能性はあるのかないのか。そして盛り込まれるとすれば、日本政府としてどう受け止めるか、この点についてはいかがお考えでしょうか。
(外務大臣)今言及されたようなことは、まさにこれから話し合いが行われる内容、どのような形でこれからプロセスを進めていくか、我々にとって重大な関心事である核とかミサイルとか拉致とか、そういうことが片方にあり、また北朝鮮にとっては安全の保証、あるいはその他のことがあるわけです。それをどのような形で行っていくかというのはまさにこれからの議論の内容そのものですから、今の時点で何かが決まっているということではなくて、これから議論をしていく話だと思います。日本の考え方、これは全く変りはなくて、基本的な考え方、平壌宣言に則って様々な問題を包括的に解決していくという基本的な方針は全く変わっていません。解決をして正常化、経済協力と進んでいくというのは平壌宣言に書かれているということです。全く今まで
どおりです。
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鉄鋼セーフガードガード
(問)アメリカの鉄鋼セーフガードの件なんですが、アメリカ側が撤回した評価と、日本の外交措置についてお伺いしたいのですが。
(外務大臣)アメリカがセーフガードを撤回したということについては評価をしています。WTOのルール、自由貿易が大事だということに沿った考え方をアメリカがとったということについて評価をするということです。日本としてリバランシングの措置をとるということは考えていません。
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外務大臣会見記録 (平成15年12月2日(火)11:15~ 於:芝会見室)
イラクでの襲撃事件
(外務大臣)今朝8時から1時間ぐらい開かれました緊急対策本部についてです。今日、話し合われたことは、クウェートに向かっていらっしゃる奥参事官と井ノ上書記官の御家族の御様子、昨日の緊急対策本部の会合以来の動きといったことについて事務レベルから報告を受け、そして今後の予定についての意見交換を行いました。御家族についてですが、日本時間で今日の午後の早い時間だと思いますが、ロンドンからクウェートに到着される予定です。田中政務官が日本時間の昨日の段階でクウェートに到着していまして、出迎えを現地の樽井大使と共にすることになっています。私は昨晩、田中政務官から電話を頂き、クウェートに到着した、空港からその足で、米軍のキャンプの中の安置されているところに伺いましたという報告を受けました。お花等、きれいにしてありますということでした。御家族がお見えになられた時にきちんとお出迎え出来るような体制を現地の大使館共々作ってあります、あるいは作っておきますということでした。私からその電話の模様を今朝の対策本部の会合で紹介しました。私からは田中政務官に対して、御家族の御様子に十分配慮して、お二人の御家族のお気持ちも十分に踏まえながら、安全に出来るだけ早く日本に帰国して頂きたいということを話しました。
今回の事件に関連して様々な意見交換を行いました。引き続き、例えば事件がテロであったのか、そうでなかったのかといった問題など、依然として我が方としてはっきり事実関係が解明されていない部分が断定できる状況にないわけで、そういったことについてバグダッドの大使館では更に事故の状況の詳細な把握に努めるように、そのために警備会社の関係者を現地に再度派遣することにしたという連絡も受けています。私からも事実解明について更に一層取り組みを強化するようにという指示をしました。
(問)事件が起きた当時の状況なんですが、CPAのスポークスマンがおっしゃっていた、路傍の店で物を買おうとして停車したところという話は、その後CPAが再調査するなりして更に確認されたり否定されたりという状況はあるのでしょうか。状況の再捜査みたいなことは。
(外務大臣)ずっといろいろな質問をしています。事実の解明という作業については、分からないところは沢山ありますので、引き続き現地で取り組んでいます。こちらからもいろいろな指示を出して行っています。CPAの言っていることについて、今まで我々が聞いていることを覆す話は出てきていません。
(問)バグダッドの日本大使館にテロの予告みたいなことがあったという事実はあるのでしょうか。
(外務大臣)直接にですか。
(問)直接、間接で。
(外務大臣)直接に何かあったという記憶はありません。いろいろな情報、手紙が来たとかそういうことについては記憶していませんが、いろいろなテロについての情報はもちろん出来る限りの把握をしていました。テロについての危険性は十分に、常に現地では認識しながら行動しています。
(問)最初の質問に対する大臣のお答えで、CPAの言っていることについて、今まで我々の聞いていることを覆す話は出てきていないと今おっしゃっいましたが、それはつまり最初にCPAの報道官が言った、買い物をしている時に銃撃されたということを今だにCPA側はそういう説明をしているという理解でよろしいですか。
(外務大臣)その情報が引き続きスタンドしている。
(問)そういうふうに言っているということですか。
(外務大臣)そうです。
(問)逢沢副大臣が自民党の外交部会で、自衛隊に在外公館の警備をさせる法改正を検討していると。その点についてはどのような。
(外務大臣)それは今朝のお話でしょうか。
(問)はい。
(外務大臣)例えばバグダッドで言えばほとんどの大使館が自国の軍なり特殊警察なりに公館を警備してもらっているということがあるわけです。場合によっては大使館員の数をはるかに上回る警護の人たちを置いていることがあるわけです。我が国としては、そういったことが出来ないわけで、それは幾つかの、例えば日本の自衛隊法においてそういう任務が与えられていないとか、我が国の法体系全般の話とかいろいろ関わり合いがある話で、逢沢副大臣がどういう文脈で述べたかということは承知していませんが、外務省としてそういったことの必要性、警護をどういう形で行うかについて検討することが必要だという問題意識は持っています。しかし、外務省の法律でそれが出来るといったことではないのではないかと思います。むしろ日本全体の考え方をどうするかということだと思います。
(問)対象は自衛隊法の改正ということですか。
(外務大臣)それは一つ入ると思いますが、それだけで済むかどうか、いろいろな議論をかなりしていかなければいけないと考えていますので、何をどうすればそれが可能かということについて、今の時点で結論を申し上げられるものではありません。
(問)それを検討しているということなんでしょうか。
(外務大臣)具体的に、自衛隊法の何条をどうしたらいいかとか、そういうことを考えているかという御質問でしたら、これは他の省の法律ですから、問題意識としてどのように外務省として公館の警備をするかという問題意識を持っているということです。副大臣がどういう文脈で述べたかということは承知していませんので、それに直接にコメントを申し上げているわけではありません。
(問)自衛隊法の改正かどうかは別にして、何らかの、警護するための対策を少なくとも外務省としては、政府全体ではなくても、検討は始めているということですか。
(外務大臣)それは安全対策を強化するということではもう既に、具体的にはものの性格上申し上げられませんが、イラクも他のところも手を付けているわけです。それは現在の出来る範囲でやっているということであって、今朝の緊急対策本部でも若干議論をしましたが、それを超えて、例えばよその国が行っているようなことを行うこと、そういった問題意識というレベルの話です。ですから、先程言いましたように具体的に自衛隊法をどうするべきだとか、あるいはどの法律を変えることをするのかとか、出来るのかとか、そういった議論を外務省として始めているわけではありません。
(問)問題意識とおっしゃいましたが、大臣としてはこの問題を政府の中で検討すべきとお考えでしょうか。
(外務大臣)そう思っています。ただ、その問題を単独で出来るということでもないと思っています。
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閣議・閣僚懇談会
(外務大臣)今日の閣議では私から何も発言をしておりません。特に申し上げることはありません。閣僚懇談会の時に私の方からイラクの事件について閣僚の皆様に、これはあの(事件の)後初めての閣議ですので話をさせて頂きました。この内容については官房長官から後でいろいろ記者会見があるかと思います。何人かの閣僚の方から頂戴した御意見は、奥参事官と井ノ上書記官と面識のある方、ない方いらっしゃいますが、大変惜しい人材、素晴らしい活動をしてくださった方々なのにというお悔やみ、このことがあっても日本としてはテロに屈することなく引き続きイラクの人道復興支援についてはやるべきことをやるという姿勢で進むべきだという御意見の表明がありました。
(問)今日の閣僚懇で、事件を受けてイラクの人道復興支援のあり方について総理から何か御発言はありましたでしょうか。
(外務大臣)これは私からも紹介しましたし、総理からも人道復興支援について日本として国際社会と協調してやっていくことが重要だと考えているという趣旨の御発言がありました。
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日米韓非公式実務者協議
(外務大臣)12月4日に北朝鮮の問題に関しての日米韓非公式実務者協議がワシントンで行われます。外務省からは薮中局長が出席します。いつものメンバーですが、米国からはケリー次官補、韓国からは李秀赫・外交通商部次官補が中心になって行います。
(問)今回、日米韓局長級協議はどういう議題で、どの程度議論を詰めていくのか、その点についてお願いします。
(外務大臣)来る六者会合においてどのような議論をしていくかということを、例えば日本と韓国、日本と中国、あるいは米国のケリー次官補が日本においでになって議論をしたとか、今まで2国間で議論を基本的にしてきたわけですが、それを日米韓という枠組みで議論をしようということです。ですから当然、議論した内容は、その後のことにも繋がっていくということだろうと思います。様々な議論をしています。
(問)六者協議の開催見通しについて、年内開催の可能性については現時点でどういうふうに受け止められていますか。
(外務大臣)これは従来から申し上げているように、今の時点では何かが決まったということではありません。幾つかの国にも前向きの動きがある中で、少なくとも5カ国は出来るだけ早く開催することが望ましいと思っていると思います。
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