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演説
谷川外務副大臣演説

NPT東京セミナーにおける谷川副大臣挨拶


平成17年2月7日

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ご列席の皆様、

 本日、NPT東京セミナーが皆様のご出席を得てここに開催されることを、大変喜ばしく思います。このセミナーに出席するために来日頂いた皆様を心から歓迎申し上げます。

 NPTは、国際的な核軍縮・不拡散体制の礎ですが、今日、北朝鮮やイランの核問題、地下ネットワークを通じた核拡散等により、重大な挑戦にさらされております。NPT体制を基礎とする核軍縮・不拡散体制の維持・強化は、地域及び世界の安全保障環境を改善する上で極めて重要です。本年5月に開催されるNPT運用検討会議は、国際社会がNPT体制への信頼を維持・強化する上で、極めて重要な会議です。1995年NPT運用検討会議においては、「核不拡散と核軍縮のための原則と目標」が採択され、また、2000年NPT運用検討会議では核軍縮・不拡散における将来に向けた重要な措置を含む最終文書が採択されています。これらの重要な合意の積み重ねを踏まえ、来る運用検討会議において、国際社会がNPT体制への信頼を新たにし、また、その機能を強化するために力強いメッセージを発出することを期待します。

 本日のセミナーの目的は、5月に開催される運用検討会議が円滑に運営されるよう貢献することであり、運用検討会議議長に内定しているデュアルテ大使にもご出席いただいております。NPT体制は、核軍縮、核不拡散、原子力の平和的利用という三つの柱から成り立っています。NPT体制が信頼を維持し、国際の平和と安定のために十分機能するためには、これら3つの側面においてバランス良く進展が図られねばなりません。この3つの側面について日本の考えを申し上げます。

 第一に、核軍縮の重要性を改めて訴えたいと思います。我が国は、広島と長崎における核の惨禍を経験した唯一の国として、世界に核廃絶を訴えていく使命があると考えます。これまでNPT体制の下で、ほぼ全ての国が、核兵器保有という選択肢を放棄する約束をしています。核兵器国は、この事実を重く受け止め、目に見える核軍縮の成果を示すべきです。日本は、核兵器のない平和で安全な世界の実現に向けて、現実的かつ漸進的な措置を積み重ねることを重視しています。

 第二に、現在、核不拡散の重要性が改めて強く認識されています。昨年顕在化した核拡散の地下ネットワークは、核兵器や関連物資の拡散の脅威の高まりを浮かび上がらせました。テロリストや懸念国への核の拡散を防ぐという問題は、現在の国際社会が取り組むべき安全保障上の最重要課題の1つです。核不拡散体制の「抜け穴」が明らかとなった現在、これを塞ぎ、不拡散体制を強化していくことは、国際社会が取り組むべき喫緊の課題です。私は、この認識が我々全員の共通の認識と信じます。

 第三に、NPT締約国の共有する原子力の正当な平和的利用の権利は十分尊重されねばなりません。同時に、原子力活動を行う国は、自らの活動に関して最大限の透明性を確保すべきです。我が国は、NPT、IAEAとの保障措置協定及び追加議定書、更に二国間原子力協力協定を通じて高い透明性と平和的利用担保を確保しつつ、正当な原子力の平和的利用が推進されることを支持します。

 本年は、我が国の被爆60周年にあたります。この年に開催されるNPT運用検討会議の機会に、世界各国が核軍縮・不拡散への誓いを新たにし、一丸となって、力強いメッセージを打ち出すことができることを強く願います。今回のセミナーの機会に関係国・国際機関の代表、代表的な有識者の皆様が一堂に会し、知恵を出し合うことは極めて大きな意義があると考えます。セミナーにおける実りある議論を期待します。

 ご静聴ありがとうございました。


副大臣 / 平成17年 / 目次


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