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演説
谷川外務副大臣演説

谷川秀善外務副大臣による
「津波早期警戒アレンジメントに関する地域協力閣僚会議」
におけるステートメント


平成17年1月29日

英語版はこちら


議長、

 先般の津波により、ここプーケットを中心にタイにおいて、多数のタイ国民及び我が国を含む外国人の尊い生命が失われたことに対して、ここに改めて哀悼の意を表します。また、タイ政府が自国民のみならず日本人を含む外国人の捜索・救難や遺体の保存・確認のために最大限の努力をされていることに感謝の意を表したいと思います。
 タイ政府主催による本会合は、神戸の国連防災世界会議の成果を更に発展させ、インド洋津波早期警戒システムの構築に貢献することを期待しております。

議長、

 先日の神戸の国連防災世界会議でも申し上げましたとおり、我が国は、インド洋の津波早期警戒メカニズムの構築に向けて、国際機関を経由する支援、及び二国間協力により、その持てる知見と技術を最大限に提供する用意があります。同時に、我が国は、インド洋地域において津波予防を強化するために、インド洋において津波早期警戒メカニズムが本格的に運用されるまでの間、暫定的な措置として、この地域の諸国の求めに応じ、現時点で利用可能な観測データから得られる津波監視情報を、既存の情報通信網を通じて提供する用意があります。この暫定的運用が機能を発揮するためには、インド洋沿岸各国が、津波監視情報を24時間体制で受信する国内機関(ナショナルセンター)を特定し、受信できる体制を整備するとともに、その情報を国内のテレビ・ラジオ局や行政機関等の通信手段を活用した連絡網を構築し沿岸住民等にまで伝達する体制を早急に整備することが必要です。

 かつてパプアニューギニアは、日本のノウハウに基づいて作成された津波防災教育パンフレットを用いて住民向け防災教育を実施し、その結果2000年の大地震・津波の際には犠牲者を出さずにすみました。このような住民向け防災教育も大事であり、この面でのノウハウをITIC(国際津波情報センター)及びADRC(アジア防災センター)と協力して日本は提供する用意があります。

 インド洋において効果的で持続的な津波早期警戒システムを構築するにあたっては、国連防災会議で発出された「共通の声明」が指摘するとおり、第一に、当該システムが国連の調整の下にインド洋特有の状況とインド洋諸国個別の要請に合わせてつくられ、これら諸国こそがシステムの形態や性格を決定することが必要であり、第二に、国際協調の下で、知見を有する各国や国際機関がインド洋諸国からの要請に応じ積極的な支援行動に速やかに着手することが必要であります。

 我が国は、今次津波がもたらした未曾有の被害に対して、資金、人的貢献、知見の三点で最大限の支援を実施していくことは、これまで累次我が国政府から表明してきたとおりです。その資金面での支援として、二国間支援の2.5億ドル及び国際機関などを経由して行う2.5億ドルの支援ともに、既に我が国は支出を完了しております。国連緊急アピールによれば、津波早期警戒メカニズムの構築のために、ISDR(国際防災戦略)がUNESCO等との緊密な連携の下に行う知見の提供のための事業にあたって800万ドルが必要とされておりますが、我が国はその内400万ドルの貢献を行いました。太平洋津波警戒システムを擁するUNESCOは、3月はじめに専門家会合を開催し、グローバルなシステム構築に向けた青写真を描くことを提唱しております。また、各国の津波警報システムを担当する省庁の高級実務レベルを対象に、我が国が地震・津波の警報システムや防災の分野で培ってきた経験・知見を各国と共有することを目的として、JICAによる研修を3月中に行うべく、被災各国との調整を開始しております。このように我が国は、国際機関経由の支援及び二国間協力を速やかに実施しているところです。タイ政府によるボランタリーファンドの設置や地域センターに関する提案については、ISDRやUNESCOなどの国連機関が進める事業との十分な連携と調整の下に検討されることを期待します。

議長、

 私は、ここプーケットに昨夜到着したばかりですが、プーケットの復興が既に早いスピードで進んでいることを実感しました。ここプーケットの観光産業の復興のためには、観光客が安心して来訪できるよう、この町が災害のリスクに備えているということをわかりやすく示す必要があります。日本の海沿いの観光地では、津波に備えた避難方法を示した分かりやすいサインポストを街中に掲示しています。このような日本の観光地のノウハウは、今回の津波で被害を受けた各国の観光地の復興の際に大変お役に立てるものと思います。日本政府としては、このインド洋における津波早期警戒システム構築への努力が、プーケットに観光客が戻ってくることへの助けになることを期待しております。


副大臣 / 平成17年 / 目次


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