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松宮大臣政務官演説
第10回国連北東アジア金沢シンポジウム
平成16年6月7日
6月7日(月)、石川県金沢市において「第10回国連北東アジア金沢シンポジウム」が開催されました。このシンポジウムは、政治、軍事的に複雑な地域である北東アジア諸国から専門家の参加を得て意見交換を行うことにより、北東アジアにおける対話と協力の拡大を図り、同地域の交流促進と平和と安定を考える場として、国連発足50年を機に1995年、石川県金沢市において開催され、これまで9回の開催実績を数えています。 今回第10回目を記念し、外務省を代表して出席した松宮外務大臣政務官の祝辞は以下の通りです。
第10回という記念すべきシンポジウム開催に際し、心からお祝い申し上げますとともに、本シンポジウム開催のためにご尽力されました日本国際連合協会、国際連合アジア太平洋平和軍縮センター、石川県、並びに、金沢市の関係者の皆様に対し、深く敬意を表します。 本シンポジウムが開催されてから10年が経ち、この間、世界情勢と平和と安定に対する脅威の認識は大きく変化しました。アフガンにおけるテロとの戦い、米英等による対イラク武力行使はこうした認識の変化を正に実感させるものでした。この金沢が位置する北東アジアもその例外ではありません。本シンポジウムにおいて、3日間にわたり、新たに生じる複雑化した数々の課題に対処するための取組が議論されることは大きな意義を有するものです。 (北東アジア情勢) 北東アジア地域においては、先月小泉総理が2回目の訪朝を果たし、拉致問題については拉致被害者御家族5名の帰国と安否不明の拉致被害者の本格的再調査の確約を得、核問題については六者会合を核として平和的解決に努力していくこと、ミサイル発射実験のモラトリアムが再確認されるなどの成果が得られました。拉致問題を始め緊要な課題の一層の進展を図り、北朝鮮との不正常な関係を正常化し、双方の対立関係を友好・協力関係に変えていくことは、地域の将来にも直結する大きな課題です。 北東アジアの平和と安定に資するため、本シンポジウムは平和や安全保障、軍縮・不拡散を中核に据えたテーマに真摯に取り組んでこられました。我が国は、国際的な軍縮・不拡散体制の強化に向けた積極的な外交努力を展開してきています。北朝鮮に対しては、すべての核計画の完全、検証可能かつ後戻りできない廃棄を求めていますが、これは我が国のみならず、地域及び世界の平和と安定にとっても喫緊の課題であると言えます。 (グローバル化、人間の安全保障)
(「脅威」への対応) さて、国際連合は来年で設立60周年を迎えます。この間国際社会は大きく変容し、国際社会が投げかける諸課題に、国連は十分に対応できるのかという国連のレゾンデートルに関わる問題提起が各方面からなされています。また今はできているとしても今後もできるのか、どのような改革が必要なのか。そのような問題意識から、現在いろいろな所で議論がなされています。 目下、国連においては、アナン事務総長が提唱し設立されたハイレベル委員会において、国際社会が直面する新たな脅威に対して集団行動で対処するために如何に国連の機能・組織を改革するかという問題意識の下、我が国の緒方貞子氏を含む世界中の有識者により真剣な議論が行われております。国内でも、外務大臣の私的懇談会として設立された「国連改革に関する有識者懇談会」では、学会、経済界及び市民社会から有識者をお招きし、安保理改革、旧敵国条項、行財政改革等の課題を中心にアナン事務総長の問題意識を踏まえつつ、幅広い観点から議論しております。 こうした政府や国際社会での議論に先駆けて「脅威」への対応につき議論を重ねてきたのがまさにこの「北東アジア金沢シンポジウム」であります。これまで、政治、軍事的に複雑な地域である北東アジア諸国から多くの優れた専門家が集まり、活発な対話と協力の拡大を通じて「金沢プロセス」と称されるに至り、この地域を中心とした交流促進、平和と安定に向けた環境づくりに大きく寄与してまいりました。その先見の明には改めて感銘を受ける次第です。第10回目の記念すべき会にあたり、これまで10年間の金沢での取組を総括し、我々が向かうべき時代を見据え、次の共同行動に向けた契機となることを政府としても強く期待しております。 最後になりましたが、本シンポジウムの成功を心よりお祈り申し上げるとともに、今回で第10回を迎えました本シンポジウムが、今後も継続され、北東アジア、更には国際社会全体の平和と発展に益々貢献されますことを祈念いたしまして、ごあいさつの言葉とさせていただきます。 |
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