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河井外務大臣政務官演説
対人地雷禁止条約(オタワ条約)第1回検討会議(於ナイロビ)における河井外務大臣政務官スピーチ(仮訳)
議長、 ご列席の皆様、 今般、日本政府を代表してオタワ条約第1回検討会議において発言する機会を得ましたことを光栄に思います。また、先月訪日されたキバキ大統領の母国を訪れることが出来ましたことは、私にとり大きな喜びであります。 (対人地雷に係る認識:その非人道性) 本日、我々は、対人地雷問題を解決するという共通の努力のため、ここアフリカ大陸に結集しました。人類が誕生したのは、まさにここアフリカであると考えられています。このアフリカの大地において自らの足で立ち上がった最初の人類から、文明は花開きました。しかしながら、極めて残念なことに、人類はその後、歩行能力のみならず、人の生命さえも奪い去る兵器を開発しました。そうしたことから、本日、ここアフリカの地において、対人地雷のもたらす惨禍に終止符を打つべく、我々の声を一つに結集することには大きな意義があります。 60年前、広島は一発の原子爆弾によって全てを破壊され、数ヶ月の内に14万人に及ぶ人命が失われました。今でも多くの被爆者が原爆の後遺症に苦しまれ、また、亡くなられています。私はその広島の出身です。被爆者の話を聞いて育った私は、核兵器の非人道性を身近に感じており、そのため、私は世界平和のために働く決意を抱くこととなりました。 幸いにも、広島・長崎以来、核兵器は再び使用されてはいません。しかし、対人地雷の使用を含め、過去と現在の紛争は、世界の各地で市民の犠牲者を出しています。対人地雷は無辜の市民を無差別に襲い、その命や手足を奪っており、多数の女性や子供が対人地雷の犠牲になっています。 本年8月、日本の新旭町において、地雷犠牲者を含む1200人の若者が「地雷をなくそう!世界こどもサミット」を開催し、地雷のない世界の実現を強く訴えました。こうした呼びかけに応えて対人地雷廃絶に向けた決意を新たにすべく、すべての関係者、特に市民社会と緊密に協力して取り組んでいきましょう。 (オタワ条約普遍化の重要性) 議長、 オタワ条約の普遍化は、地雷廃絶に向けた重要な課題です。これまで、多くの国が様々な困難を乗り越えてオタワ条約に加盟しました。日本もその例外ではありませんでした。1997年のオタワ条約署名式において、故小渕恵三外務大臣は「この条約への署名は、我が国自身の防衛に密接に関わる問題であることから、容易ならざる決断であった」と述べています。それにもかかわらず、私たちの子孫が地雷の脅威に脅かされない世界に住めるように、人道主義という高尚な目的のために、小渕大臣はオタワ条約署名という大局的な決断を行いました。私は、本日改めて、未だオタワ条約に加入していない国々に対し、遅滞なくこの条約に加入するよう呼びかけます。 (今後の地雷対策に係る3原則) 議長、 我々のもう一つの重要な課題は、犠牲者ゼロを達成することです。我が国は、「犠牲者ゼロ・プログラム」を提唱し、1998年から5年間で100億円(9100万米ドル)規模の支援を行うことを表明しました。爾来、我が国は、このプログラムのもと、30以上の国に対して、約160億円(1億4500万米ドル)の支援を行ってきました。2009年には多くの地雷埋設国が地雷除去期限を迎えます。今後5年間我が国は、アジア、中東及びアフリカに力点を置きつつ、以下の3つの原則に従って、従来同様の規模で地雷対策支援を行っていく考えです。 第1の原則は「平和の構築」です。我が国は、紛争後の平和を構築するための方途として、地雷対策を支援します。地雷除去や犠牲者支援は、紛争後の国内の安定及び復興開発に資するものと確信します。 第2は「人間の安全保障」です。一人一人の犠牲者を保護し、その能力を開発すべく、我が国は生存者への医療支援、リハビリ支援及び社会経済復帰を促進していきます。 最後の原則は産官学民の緊密な協力です。我が国は、地雷除去活動の安全性及び効率性を改善すべく、先端技術の研究開発を促進します。例えば、我が国は、アフガニスタン及び国内において実証・性能試験を行いつつあります。 議長、 人類が初めて自らの足で立ち上がるには、きっと、それまでになかったような勇気を必要としたはずです。そして、我々の歴史に偉大な変化をもたらしたのは、まさにこの勇気です。本日、我々はこの勇気を思い起こし、地雷のない世界を実現するための行動を開始するとの決意を新たにしましょう。犠牲者ゼロに向けた我が国の揺るぎないコミットメントを再確認して、私のスピーチを終わります。 ご静聴ありがとうございました。 |
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