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谷川外務副大臣演説
第7回・日・南ア・パートナーシップ・フォーラム
(谷川外務副大臣閉会挨拶) 平成16年10月1日
アジス・パハッド南アフリカ共和国外務副大臣閣下、ベン・ングバネ駐日南アフリカ共和国大使閣下、 ご一同の皆様、 第7回 日・南ア・パートナーシップ・フォーラムの閉会に当りまして、日本政府を代表して御挨拶申し上げます。 まず始めに、約30名にも上る代表団を率いて、今回のフォーラムを成功に導かれたパハッド副大臣閣下のご尽力に敬意を表します。また、このフォーラムの準備に際し陣頭指揮を執られたングバネ大使の御努力にも厚く御礼申し上げます。 この二日間、両国から多くの省庁・機関の関係者が参加する形で、大変建設的な議論が行われたとの報告を受けております。幅広い分野で、未来志向の具体的な協力関係が確認され、今回の会合を主催した日本側代表として大変心強く思っております。 私自身は、パハッド副大臣との間で昨日大変実り多い会談を行うことができました。パハッド副大臣は私にも、「東京の外務省には『帰ってきた』ような気持ちだ」と言っておられましたが、一貫して日・南アの関係強化にご尽力頂いており、今やパハッド副大臣なしに日・南ア関係を語ることはできません。 今回のフォーラムの成果を総括すれば、「戦略的かつグローバルな日・南ア・パートナーシップを具体的な形で確認・強化することができた」ことにあると考えております。本日は、共同プレス・リリースを採択することができました。 (二国間関係) 二国間関係の観点からは、保健、文化、環境、観光、科学・技術、貿易・投資といった非常に包括的な分野において両国専門家同士による建設的な議論が行われました。私もまだ外務省の経験が浅くはありますが、これだけ多くの分野で内容のある議論を行っているフォーラムは、他にはあまり例も多くないものと思います。 とりわけ2010年サッカー・ワールドカップに向けた協力は、日・南ア関係の新しいフロンティアとも言うべきものであります。 昨日の分科会では、国際サッカー連盟(FIFA)理事を務め、自ら貴国に賛成票を投じた小倉純二日本サッカー協会副会長から、日本の経験について詳細な説明をさせて頂きました。両国の警察当局間でも、競技場警備、フーリガン対策、テロ対策等について具体的な意見交換が行われ、少なからず貴国のお役に立つことができたことを大変喜ばしく思います。今後とも、6年後の開催に向けて我が国政府は貴国への協力を惜しみません。 サッカーは日本国内で益々人気が高まっております。2010年には日本から数多くのサッカー・ファンが貴国を訪れることでしょう。我々外務省は、海外を訪れる日本国民の安全確保に責任を有しております。日本国民の安全を確保し、貴国との観光を一層振興するという点からも、我が国として出来る限りの経験とノウハウを提供させて頂きます。 また、アジア最大の経済大国である日本とアフリカ最大の経済大国である南アフリカとの貿易・投資関係の拡大の可能性についても突っ込んだ議論が行われました。最近、日本のスーパー・マーケットでは南ア産のグレープ・フルーツを頻繁に見かけます。南ア産のワインも人気を集めております。日本を代表する企業であるトヨタ、日産が貴国で操業していることも有名です。また我が国は、貴国から金、白金、バナジウム、マンガン、クロム、ニッケル等多くの希少鉱物を輸入しており、これらは日本の工業生産を支える不可欠の要素です。今後、このように極めて深い相互依存の関係にある日本と南アフリカの経済関係を更に高い次元に高めていけることを期待しており、外務省としてもそのために全力を挙げたいと考えています。 (アフリカ大陸全体の開発) アフリカ開発の観点からは、第三回アフリカ開発会議(TICAD III )と、「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」との連携強化の方針が再確認されました。我が国が昨年開催したTICAD III はNEPADに対する支援の結集とそのためのパートナーシップの拡大を最大の目的の一つとしておりました。 NEPADは、我が国のTICADを父に、ムベキ大統領が提唱する「アフリカン・ルネッサンス」を母に持つイニシアティヴであると捉えております。従って、TICADとNEPADの連携強化は必然の帰結であります。 TICAD III フォローアップの観点からは、11月1日・2日に東京でTICADアジア・アフリカ貿易投資会議を開催致しますが、貴国から積極的な参加と協力の意図が表明されたことに感謝しております。アフリカ最大の経済大国である貴国の具体的な貢献が会議の成功に不可欠でありますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 さらに、日本-南アフリカという直線的な関係を越えて、近隣アフリカ諸国の平和と安定のための日・南ア協力、すなわちアフリカ域内においての第三国協力についても具体的な協力の方向性が確認されました。 その顕著な例として、アフリカ大陸全体の平和の定着に決定的な影響を持つコンゴ民主共和国の平和と安定に向け、日・南ア両国は、本年10月にコンゴ民主共和国警察の能力強化を目的として、南アにおいてセミナーを共同開催することを協議しました。 また、アフリカ開発の中核となる農業と保健についても、南部アフリカの地域協力推進の観点から、双方専門家の突っ込んだ議論を踏まえて協力の方向性を確認することができたことを大変喜ばしく思います。 (グローバルな課題における協力) グローバルな協力の観点からは、昨日のオープニング・セッションにおいて、パハッド副大臣より、我が国の国連安保理常任理事国入りを支持する旨明確な形で御発言を頂いたことに大変意を強くしております。この点につきましては、共同通信の記事でも、パハッド副大臣は「日本は安保理のメンバーとして幅広い役割を果たすことができる。日本は安保理常任理事国入りすべきだ。」と述べられた旨報じられております。 今後とも安保理改革の実現に向けて緊密に協力していきたいと思います。 来年は、貴国がインドネシアとともに主導するバンドン・プロセスが大きな節目の年を迎えます。4月にはバンドン会議50周年記念としてアジア・アフリカ首脳会議が開催されます。TICADプロセスにおいてアジア・アフリカを推進してきた我が国は、バンドン・プロセスに対しては強力な貢献をしていきたいと考えており、この観点からも貴国との協力関係を強化していく方針です。 今回、期せずして外務副大臣としての初仕事で南アフリカの皆様と良好な関係を築くことができたのは、決して偶然ではなく、日本にとっての南アフリカという国の重要性という必然がもたらした運命の巡り合わせであると確信しております。できるだけ近い将来、是非貴国を訪問して、パハッド副大臣ともまたお目にかかることができればと考えております。その際には是非、南アフリカの象で御歓迎下さい。 次回のフォーラムは貴国で開催することが合意されました。今回の成果を十分フォローして、具体的な協力を出来るだけ多く実現していきたいと思います。 最後に、皆様のご健勝と日・南ア関係の益々の発展を祈念致しまして、私の御挨拶とさせて頂きます。 |
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