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阿部外務副大臣演説
アジア不拡散協議(ASTOP)における阿部外務副大臣演説
ご列席の皆様、 本日、第1回アジア不拡散協議が皆様のご出席を得てここに開催されたことを、大変喜ばしく思っております。アジア各国よりこの協議に出席するために来日頂いた皆様を、心から歓迎申し上げます。既に行われた午前中のセッションでは、極めて有意義な議論がなされたと聞いており、大変喜ばしく思っています。 本件協議は、我が国がASEAN諸国、韓国、米国、豪州各国の代表を招いて開催する、大量破壊兵器やミサイルなどの不拡散に関する初めての局長級協議です。現在のアジアを取り巻く安全保障環境に鑑みれば、この時期に本件協議を開催することには極めて大きな意義があると考えます。 ご列席の皆様、 核兵器、化学兵器、生物兵器といった大量破壊兵器は、それが使用されれば想像を絶する被害を人類に与えるのみでなく、それが保持されることにより、国際社会の平和と安定が大きく影響され不安定化する為、核兵器不拡散条約(NPT)、化学兵器禁止条約(CWC)、生物兵器禁止条約(BWC)により、その軍縮が追求される必要があります。 しかし、今日、大量破壊兵器・ミサイルの拡散やテロは、特定の地域にとどまらず、全世界的な広がりを持つようになり、我々にとって新たな脅威となってきています。こうした兵器やその関連物資が拡散することを防止することが、喫緊の課題となってきています。 アジアにおいては、北朝鮮による核問題及び弾道ミサイル活動がもたらす脅威は、現実かつ重大な問題です。北朝鮮による核兵器の開発・保有は、北東アジア地域の平和と安全及び国際的な核不拡散の観点から、絶対に容認することは出来ません。我が国は、このような立場から、北朝鮮に対し、すべての核開発計画を、速やかに、完全、検証可能かつ不可逆的な形で廃棄することを求めてきています。 また、米国における同時多発テロ事件以降の国際社会の真剣な取り組みにも拘わらず、アジアにおいてもテロ事件が多発しており、多くの尊い人命が失われているだけでなく、甚大な経済的及び社会的損失がもたらされています。テロ組織が、大量破壊兵器を入手すれば、その脅威が与える影響は計りしれません。大量破壊兵器等の拡散を食い止めることは一国によってはなしえず、ここに集まった各国の共同の取組が極めて重要であることを確認したいと思います。 我が国は、我が国及びアジア全体、ひいては国際社会の安全保障を確保するための重要な柱の1つとして、不拡散政策を極めて重視しています。国際的には、本年6月にエビアンで開催されたG8首脳会合において「大量破壊兵器の不拡散に関するG8宣言」が発出されています。また、本年7月のアジア欧州会合(ASEM)第5回外相会合においては、我が国が提案した「大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散防止に関する政治宣言」が、各国の支持を得てコンセンサスで採択されました。アジアにおいても、大量破壊兵器等の不拡散への各国の取組みが加速しつつあります。 我が国は、大量破壊兵器等の拡散を防止するためには、大量破壊兵器等の拡散が辿る道のり、即ち、大量破壊兵器及び運搬手段並びに関連物資・技術の輸出・輸送・輸入・移転の全ての段階において、各国が取締りを強化していく必要があると考えています。アジアにおいてもこのような包括的アプローチをとることにより、不拡散への取組が実効的なものとなり、地域の安定、ひいては繁栄につながっていくことを期待します。 こうした包括的な不拡散のアプローチの一つとして、本年5月に米国のブッシュ大統領が提唱した「拡散安全保障イニシアティブ」(PSI)があります。これは、国際社会の平和と安定に対する脅威である大量破壊兵器・ミサイルの拡散を阻止するために、参加国が共同して取りうる措置を検討しようとの提案で、現在、我が国を含む11ヵ国がこのPSIに参加しています。 9月にパリにおいて開催されたPSI第3回会合において、各参加国が大量破壊兵器等の拡散を阻止するための努力を個別または共同で行うことにつき約束した「阻止原則宣言」が合意されました。我が国は、このPSIの原則を支持し、その活動に対して積極的な貢献を行ってきています。また、アジアにおける唯一のPSI原参加国として、アジア諸国に対しPSIへの理解と協力を働きかけて参りました。 午後のセッションにおいては、「いまそこにある拡散」を阻止するためのこの新しい取組であるPSIについて、十分な議論がなされるものと承知しています。ついては、このASTOPの場で、PSIが一国でも多くのアジア諸国の理解と協力を得て、より効果的なものとなり、地域及び国際社会の平和と安全に寄与することを切に希望します。 最後に、ここに参加されている14カ国の政策担当者がともに知恵を出し合い、効果的な不拡散政策のあり方について引き続き活発に議論し、具体的な成果につながっていくことを期待いたします。 ご静聴ありがとうございました。 |
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