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演説
矢野外務副大臣演説

対人地雷禁止条約第5回締約国会議における矢野外務副大臣演説

平成15年9月15日
於:バンコク

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(序)
議長、ご列席の皆様、
 まず、スラキアット外務大臣の議長就任を心からお祝い申し上げたいと思います。議長の采配により、本会議が成功を収めることを確信しています。
 本日、日本政府を代表して対人地雷禁止条約第5回締約国会議においてご挨拶する機会を得ましたことを大変光栄に思います。第5回という節目であり、また、翌年に初の運用検討会議を控えた重要な年の締約国会議がタイの首都バンコクで開催されることは、アジアの一員である日本にとっても非常に意義深いことです。この会議の開催に大きな役割を果たされたタイ政府、更にこの会議の準備に尽力された全ての関係者の皆様に対し、深甚なる敬意と謝意を表します。
 我が国は紛争が終了した地に平和を定着させる取組みに積極的に貢献しております。対人地雷や小型武器問題への取組みは復興の前提であり、平和の定着のために極めて重要な課題であります。7月に開催された国連小型武器中間会合では我が国の猪口邦子軍縮代表部大使が議長を務めました。対人地雷の問題についても従来にも増して積極的な取組みを行って参ります。日本はこれまでの1年間カンボジアと共に、地雷除去・地雷回避教育・地雷対策技術常設委員会の共同ラポラトラールを務めました。

(条約の普遍化)
議長、
 対人地雷禁止条約の締約国数は着実に増加し130を超えましたが、地域別に見てみると、アジアは条約の普遍化に向け更なる努力が必要な地域であると言えます。日本政府は機会ある毎に各国政府、特にアジアの国々に対し条約への参加を呼びかけてきました。本年3月にはプノンペンにおいて開催された地雷対策セミナーに共同スポンサーとして参加しました。今後もこの地域における普遍化を目指し、志を同じくする国々やNGOの方々と共に努力していきたいと思います。
 また、依然として多くの地雷を保有したままの、いわゆる「地雷大国」に対しても、働きかけを続けていく所存です。
 専守防衛国家である日本は、多くの対人地雷を保有していましたが、世界平和に貢献し、人類の苦しみを減らすため、対人地雷を放棄し、この条約を締結することを決断したのです。

(我が国の地雷対策支援)
議長、
 明年には初の運用検討会議が開催されます。普遍的かつ実効的な対人地雷の禁止を実現するための取り組みを更に強化していくために、条約の普遍化を進めるとともに、条約の精神を実践していくことが重要です。
 我が国は「犠牲者ゼロ」の目標の下、官民ともに力を合わせて本問題に取り組んで参りました。98年には向こう5年間に総額約100億円の支援を行うことを表明し、世界25の被埋設国・地域における地雷対策活動を支援して参りました。そして、この100億円の支援の目標は2002年10月末に達成されました。更に、我が国の国連地雷対策信託基金への拠出累計額は、2003年7月末現在約2330万米ドルで世界一という名誉ある地位を占めています。
 我が国の支援は地雷除去、犠牲者支援、地雷回避教育等多岐にわたり、地雷問題のあらゆる面を対象にしています。
 地雷除去活動については、従来の支援に加え、新たな試みとして、我が国の先端技術を利用した地雷探知器、除去機の開発を、地雷除去現場の声を聞きつつ、企業や研究者たちと共に進めています。絶えず生命の危険と隣り合わせである地雷除去活動については、地雷除去要員の安全を確保しつつ、如何に効率的に作業を進めていくかが永遠の課題です。我が国の技術が一日も早く地雷除去活動に役立てられることを希望します。また、日本は地雷除去等常設委員会の共同議長を努める用意があります。
 また、犠牲者支援や地雷回避教育も等しく重要です。私自身、モザンビークやアンゴラといった地雷被害国を訪れた際に地雷犠牲者の姿を目にし、地雷というものの悲惨さに心を痛めました。これ以上の犠牲者を出さないための努力と共に、こうした犠牲者の方々への支援についても一層推進して参ります。
 地雷対策全般にわたりNGOが貴重な貢献を行っています。我が国は引き続き地雷被害国、関係国際機関との連携に加え、NGOとの協力を重視しつつ効果的な支援を行って参ります。

(条約上の義務の履行)
議長、
 我が国は、条約で義務づけられている貯蔵対人地雷の廃棄を今年2月8日に完了しました。貯蔵地雷廃棄完了式典には、小泉総理が出席され、総理の発声により最後の対人地雷が爆破されました。我が国は、引き続き条約上の全ての義務を忠実に履行して参るとともに、全ての締約国が、主体的且つ強い政治的意志を持って条約上の義務の履行に取り組むべきであることを訴えます。

(結語)
議長、
 一昨年マナグアで開催された第3回締約国会議が、ラテンアメリカ諸国の地雷問題の克服に向けた動きを促進したように、バンコクにおける締約国会議を契機に、アジアから全世界に、地雷問題解決への気運が一層高まることを期待します。そして一日も早く、地雷の惨禍に苦しむ人たちが安心して生活できる社会を取り戻せるように努めていきたいと考えます。

ご静聴ありがとうございました。


副大臣 / 平成15年 / 目次


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