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矢野外務副大臣演説
ABAC総会での矢野外務副大臣挨拶
平成15年5月14日 本日、ABAC委員の皆様の前で御挨拶することができることを大変光栄に存じます。 日本政府は、アジア太平洋協力を幅広い分野で推進し、それを年一回の首脳会議でまとめあげるAPECの活動を非常に重要なものと考えています。またAPECの目的とする域内の経済協力を促進するためには、その実際の担い手である民間の皆様方の意向を十分APECに反映させることが不可欠であります。今回、ABAC総会が日本で開催されたことを機会に、日本政府としてもABACとの協力を一層強化していきたいと考えています。 私ども日本政府関係者としては、APECの役割は、次に述べる三点で特に重要と考えています。 第一に、WTO加盟国・地域が増大するとともに、世界各地で地域的な統合が進展していますが、アジア太平洋地域でも、WTOを強化しつつ、ボゴール目標に向けて様々な分野で貿易、投資の自由化、円滑化を進め、同時に地域としての統合も更に推進していく必要があります。この観点で、APECがこれまで果たしてきた役割は高く評価されます。昨年から、各エコノミーの自由化、円滑化の状況をレビューする作業が行われていますが、本年と来年の作業を通じて、APECの強みを再確認し、APEC活動に一層の弾みを与えることを期待しています。貿易円滑化作業でも、ABACの意見を得ながら、日本政府として一層活動を強化する所存です。本年4月より我が国は、APECビジネス・トラベル・カード制度に参加しましたが、これもABAC日本からの御要望を踏まえたものです。 第二に、昨今の経済的な不況・困難の下で、域内の経済成長を達成し、また地域統合を進めるためにも、各エコノミーが構造改革を進めていく必要があります。APECは、そのエコテク活動などを通じて、各エコノミーの経済体制をより強靱にすることに向けても、大きな役割を果たせるものと考えています。日本政府としても、小泉内閣の最重要課題として構造改革に取り組んでいますが、ABACから御提案、御助言を得たいと希望しています。 第三に、テロ等、我々の経済活動を脅かす新しい課題にも、APECとしての一致団結した取り組みが期待されます。SARSについても、経済活動への影響が出始めております。本問題に対しては適切な対策を講じつつ、経済への否定的な影響を最小限にすることが肝要と考えますが、かかる観点から今次ABAC総会においてSARSの経済的影響及び対策のあり方について議論されることを評価しており、準備にあたられた関係者のご努力を多とするものであります。SARS問題については今月末のAPEC高級実務者会合、来月初めのAPEC貿易担当大臣会合、そして6月末のAPEC保健大臣会合で有益な議論がなされることを期待しています。昨年秋のAPEC首脳会議で採択された北朝鮮に関する首脳声明などの取り組みも、日本政府は高く評価しています。この地域の経済活動が安心して行われるように、日本政府としても、APECでの協力を一層推進していく考えです。 上記の諸課題に応えていくために、ABAC委員から積極的かつ具体的な御意見・御提言を是非頂きたいと思っています。 APECと各エコノミー政府側との交流も、更に相方向的にすべきと考えております。日本政府はABAC日本委員と緊密な協議の機会を持っていますが、皆さんのエコノミーで、もしそのような慣行がなければ、是非日本の例も参考にして頂ければと存じます。その観点から、16日午後には、日本政府とABAC日本の共催によるシンポジウムを開催しますので、皆さんにもふるって御参加頂きたいと存じます。 ABAC総会の御成功をお祈りして、私の挨拶とさせて頂きます。 |
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