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水野外務大臣政務官演説
第32回ITTO理事会における水野賢一外務大臣政務官の演説(仮訳)
平成14年5月13日 ユルゲン・ブラザー理事会議長、モハメド・プラサコ・インドネシア林業大臣閣下、フアン・マイル・マルドナド・コロンビア環境大臣閣下、ボカ・アグシ・アンジェル・象牙海岸水・森林大臣閣下、マノエル・ソブラル・フィーリョITTO事務局長、各国代表及び御列席の皆様第32回ITTO理事会において、挨拶する機会を得ましたことは、私の大きな喜びです。 まず、インドネシアのご尽力に心より感謝申し上げます。今次理事会の主催国であるインドネシアは、ITTOの活発なメンバー国であり、わが国との間で極めて緊密かつ友好的な協力関係を構築・発展させてきています。また、日本、インドネシアは、共に国土の半分以上が森林で覆われており、森林に強い愛着を有しています。 議長、 わが国では、今から約13,000年前から始まった縄文時代(石器時代)でも、森林を大切にした生活が営まれていました。縄文人は、栗や胡桃などのナッツを砕き、パンケーキを焼いて食べていました。また、集落の近くには植林した「栗林」がありました。調査の結果、自然の栗ではなく、人工に植林された栗であったことがわかっています。このように人々は古くから自然と共生して豊かな生活を送っていました。現在のわれわれも自然と共生する「縄文人の心」を持つ必要があります。 議長 当地バリは、ITTOにとり重要な「ITTO2000年目標」が採択された第8回理事会の開催地であり、「バリ・パートナーシップ基金」の命名も当地にちなんだものです。ITTOは、国連等の国際機関と共に、持続可能な森林経営のための取り組みを続けています。ITTOでは、2000年に「2000年目標」の達成状況のレビューが行われ、生産国において森林法や森林関係機関の整備の面では進展が見られたものの、森林法の施行や現場における更なる取り組みが必要であるとの報告が行われました。同レビューの結果は、昨年11月の理事会で採択されたITTO新横浜計画に反映されており、ITTO及びわれわれ加盟国は、この横浜新行動計画の達成に向けてより一層努力してくことが重要であると考えます。 議長、 持続可能な森林経営を損なう違法伐採への対策は私たちの緊急の課題です。わが国は、ITTO及び今次理事会のホスト国であるインドネシア政府による同問題に対する最近の取組みを高く評価しています。ITTOとインドネシア政府が同問題に引き続き積極的に取り組んでいくことを、わが国も支援していく考えです。 一方、違法伐採問題を始めとする森林問題に対しては、地域の取組も重要です。この観点から、我が国は、インドネシア政府と共に、他のアジア諸国及びドナー国・機関に「アジア森林パートナーシップ」と名付けた地域協力を呼びかけます。本パートナーシップは、違法伐採、森林火災予防及び荒廃地の復旧等の施策を通じてアジアの持続可能な森林経営を促進することを目的とした、国際協調のための枠組みパートナーシップです。わが国はITTO、他のアジア諸国、ドナー国、機関も同パートナーシップに参加することを希望します。 また、わが国は、インドネシアだけでなく、他のアジア諸国におけるITTOのプロジェクト及び活動にも引き続き協力していきたいと考えています。 さらに、わが国は、これまで、中南米地域において、アマゾン流域の熱帯林の保全プロジェクト、コロンビア、ホンデュラスにおけるマングローブの保全プロジェクト、ペルーとエクアドルの国境地帯における熱帯林保全プロジェクトなどに等に拠出してきましたが、今後とも、同地域への支援を継続していく所存です。 議長、 本年は、開発資金国際会議が3月にモントレイで開催され、6月にはG8カナナスキス・サミット、8月末より「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(WSSD)が開催されるなど、開発問題に焦点が当たっています。その中でも、WSSDは、21世紀の持続可能な開発のあり方について、経済成長、社会開発、環境保全などの面から議論される重要な会議です。わが国は、ITTOが、WSSDの活動との関係が深く、貢献が可能なことから、同会議に積極的に関与していくことが重要と考えます。最近、アフリカの開発が国際社会における重要なテーマになっています。今次理事会で、ITTOが、コンゴー川流域諸国に派遣されたミッションの報告の結果を踏まえ、これら諸国における具体的な活動につき合意し、その活動がWSSDのアフリカにおける森林分野に対する協力の一環となることを期待します。WSSDにおいては、ITTOの活動などを広報するための行事を企画することを提案したいと思います。 議長、 わが国は、ITTOの設立以来、最大の拠出国としてITTOの活動を積極的に支援してきました。昨今の厳しい財政状況にもかかわらず、わが国は、今後も、ITTOへの支援を継続すべく最大限の努力を払う所存であり、2002年において、例年とほぼ同様の約1千万ドルの拠出表明を行う予定です。わが国は、同時に、現在年2回開催されている理事会の合理化を含めた活動の一層の効率化を求めていきたいと考えます。 議長 今次理事会において活発な議論が行われ、今後のITTOの活動にとり有益な結果が得られることを期待します。 また、ITTOの事務局長及び事務局職員の皆様が、この会議の準備に献身的に努力されたことに敬意を表したいと思います。 御清聴ありがとうございました。 |
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