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演説
新藤外務大臣政務官演説

「持続可能な開発における農業の役割」に関する国際セミナー
新藤外務大臣政務官による開会挨拶

平成14年10月25日 
於:東京(国際連合大学)

ご列席の皆様、

 本日、このセミナーを開催するに当たりまして、各種のご準備を頂きました国際農業研究協議グループ(CGIAR)、国際連合大学、国際連合大学高等研究所、世界銀行の関係者の皆様、並びにご多忙の中、遠方よりご出席を賜りました基調講演者、パネリストその他の出席者の皆様に対し、外務省を代表致しまして、厚く御礼を申し上げます。

 我が国の政府開発援助は、特にその初期において、我が国の優れた農業技術を開発途上国に移転するための技術協力が中心であったと聞いております。そして、我が国の約半世紀にわたるODAの歴史の中において、農業分野は常にその重要な役割を担って参りました。

 農業は、人々の生存の基本となる食糧を確保する手段としてのみならず、貧困層に就業の機会を与えるなど、重要な役割を果たしています。我が国は、農業のこうした重要性を十分に認識し、開発途上国に対して、肥料や農業機材等の購入、灌漑施設の整備、流通システムの改善等に関する資金協力、農業技術向上のための研修員受け入れ、専門家・青年海外協力隊の派遣を通じた技術協力等、様々な形態による援助を実施して参りました。

 農業分野へのこうした援助をより効果的・効率的に行うためには、共通した基盤を形成する、農業研究に対する支援を充実させる必要があります。この点において、本日のセミナーの主催者の一つでありますCGIARは、長年にわたりグローバルな視点から農業分野における研究・開発・普及活動を促進して参りました。このCGIARの研究成果は、開発途上国の貧困の削減に目覚ましい効果をもたらし、ひいては世界の食糧安全保障の確保に大きく寄与してきたと認識しております。

 皆様ご承知の通り、本年8月26日から9月4日の間、南アフリカ共和国において「持続可能な開発に関する世界首脳会議」が開催され、アフリカ地域を念頭に置いた、多方面にわたる開発政策に関する議論が行われました。

 我が国は、これまで、UNDP(国連開発計画)、CGIAR等と共に、CGIAR傘下のWARDA(西アフリカ稲開発協会)が研究・開発を行って参りましたネリカ米プロジェクト(NERICA : New Rice for Africa)に対し、資金協力及び専門家派遣の支援を行って参りました。このネリカ米につきましては、世界首脳会議の機会を捉えて、川口外務大臣がサイド・イベントを開催し、多くの参加者から高い関心を得たと聞いております。特に西アフリカにおけるネリカ米の普及は、CGIARが行う研究活動の中でも、今後、アフリカの食糧事情の改善の一助として期待されるものであり、我が国としても積極的に支援していく考えであります。

 ここで余談でございますが、ネリカ米がこのように注目を集めていますので、本日、私は会場の皆様と一口でも食べられることを期待しながら参りました。しかし、残念ながら充分な量を確保することができなかったとのことであり、サンプルを見せて頂きました。その際、本セミナーにパネリストとして参加しているWARDA所長のンワンゼ氏に「ネリカ米は美味しいですか」と聞きましたところ、「ン」所長は「美味しいと思いますが、味は人それぞれですから」とのご返事でございました。私としてはネリカ米はきっと美味しいものと思っております。

 さて、開発途上地域の発展が世界の関心事項となっている現在において、発展の基幹となる農業、その発展に資するCGIARの研究活動に対する期待は、CGIAR設立後31年にわたる歴史の中でも、最も高まっている時期にあると考えられます。

 10月の最終週には、本セミナーに続き、フィリピンにおいてCGIARの年次会合が開催されると聞いております。世界の農業が更なる発展を遂げるために、本日のセミナーのみならず、年次会合におきましても実り多い議論が行われることを祈念致しまして、私からのご挨拶とさせて頂きます。

ご静聴ありがとうございました。



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