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演説
水野外務大臣政務官演説

「アジア森林パートナーシップ(AFP)」に関する国際会議
水野賢一外務大臣政務官による開会挨拶
(仮訳)

(英語版はこちら)

2002年7月31日
東京

ご列席の皆様、

 各国政府、国際機関、世界のNGO、産業界及びシンクタンクの専門家の方々のご参加を得て、この「アジア森林パートナーシップ(AFP)」に関する国際会議の開会の挨拶をする機会を賜り、大変嬉しく存じます。

 まず最初に、アジア、特にASEAN地域における経済繁栄及び健全な環境保全を発展させるためには、持続可能な森林経営を促進することが極めて重要であるということを述べたいと思います。アジアの民は、森林を始めとする自然環境の恩恵を享受しています。森林は、我々の生活に、土地の保全、水源のかん養、木材生産、生物多様性の保全など多面的な恩恵を与えてくれます。

 アジアにおいては、持続可能な森林経営のため、既に多くの活動が実施されています。この会合に参加されている各国政府、国際機関、NGOその他の皆様は、全て、この目的に向けて貢献されています。

 我が国は、ODAや2国間のプロジェクトタイプの技術協力を始めとする様々な枠組みを通じて、ASEAN地域及び中国における持続可能な森林経営を促進してきました。わが国の貢献には、マレーシアにおける技術開発、ヴィエトナムにおける調査研究及び植林、インドネシアにおける森林火災予防及び生物多様性保全、タイにおける再植林及びアグロフォレストリー研究、フィリピンにおける植林研究、ラオスにおける植林及び森林保全、ミャンマーにおける村落林業訓練、カンボジアにおける森林部門の人材育成、中国における再植林及び森林保全調査が含まれます。

 これら二国間での取組に加え、我が国は国際熱帯木材機関(ITTO)を通じ、カンボジア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ミャンマー及び中国において、多くの人材育成、技術協力及び様々な調査研究の事業に支援を行っています。

 こうした我が国や多くの方々による努力にもかかわらず、森林の劣化は急速に進行しています。将来の世代のために森林の多面的恩恵を確保するため、国際社会は更なる行動をとらねばなりません。

 あと一ヶ月で、10年に1度の極めて重要な地球規模の会議が南アフリカのヨハネスブルグで開催されます。持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD、通称:ヨハネスブルグサミット)です。この会議は、私達全員が森林の重要性について再確認し、アジアのより良き森林のための具体的な方策を発見する良い機会になるでしょう。

 本年6月にウイスラーで開催されたG8外相会合の際に発表された、G8森林行動プログラム最終報告書において、G8は、ヨハネスブルグサミットにおける森林の重要性と共に、依然として残されている森林経営の課題に取り組むために新規で革新的なパートナーシップが必要であると強調しています。

 こうした背景に応えるべく、我が国はインドネシアと協力し、他のアジア諸国、ドナー国・機関及び市民社会に対し、アジアにおける森林分野の協力を改善する枠組みである「アジア森林パートナーシップ(AFP)」に参加するよう呼びかけています。このパートナーシップの目的は、アジアにおける森林法の実行、違法伐採、森林火災防止、荒廃地の復旧などの緊急課題への取組についての協力を促進することにより、アジアにおける持続可能な森林経営を促進することです。

 我が国は、ヨハネスブルグサミットの会期中に、多くのパートナーと共に、このAFPを正式に発足させたいと考えています。また、サイドイベントとして、AFPの普及のためのワークショップを開催したいと考えています。私は、私達がこのゴールに向かって確実に前進してきたと確信しています。本日午前には、各国政府及び国際機関の専門家がAFPについて議論を行い、ヨハネスブルグサミットのタイプII文書としてのAFPテキストに合意しました。NGO、産業界及びシンクタンクを含む市民社会の活動は、AFPの実施に不可欠です。それ故、これら市民社会もAFPへの参加が期待されています。本日の機会が、今日のこの会議が、アジアにおける持続可能な森林経営の課題について、各国政府、国際機関、市民社会の間で意見交換を行うよい機会となることを期待しております。

 ご静聴、ありがとうございました。



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