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水野外務大臣政務官演説

世界食糧サミット5年後会合 円卓会議
「世界食糧サミット行動計画
 ― 達成された結果、実行上の困難、克服の手段」

(英語版)

2002年6月11日
イタリア、ローマ

 日本政府を代表して、この円卓会議に参加できることを、光栄に存じます。

 世界食糧サミットが公約とした「全ての人にとっての食糧安全保障」の確保、そして2015年までに世界の栄養不足人口を半減するという目標達成のため、我が国も積極的に尽力してきています。栄養不足人口半減目標に関しては、近年、東アジアでは成果が現れています。他方、アフリカ、南アジアでは、むしろ栄養不足人口が増えており、憂慮すべき状況にあります。目標達成のためには、更に我々の努力を強化する必要があります。

 この目標を達成するためには、まず栄養不足人口を抱える諸国の政府の努力が、そして国際社会からの支援が必要です。

 まず、食糧問題解決には、食料増産を基本としながら、その国の開発そのものに取り組む必要があります。その国が自らを発展させるという「オーナーシップ」を持って取り組む事が何よりも必要です。また、途上国の「良い統治」を通じて、紛争、水資源、農業開発、保健・衛生、教育・人材養成、女性のエンパワーメント、国際貿易といった種々の課題に総合的に対処するという「包括的なアプローチ」が必要です。

 次に、途上国の自助努力に対する国際社会からの支援が重要です。我が国の具体的な支援策について述べれば、厳しい経済・財政状況の中にあっても1996年の世界食糧サミット以降2000年迄で、途上国の食糧増産や、農村開発等を支援するために、我が国は75億ドルの二国間政府援助を実施してきました。FAOに対しても第2位の分担金拠出国として、また各種の基金を利用して任意拠出を行い、共同プロジェクトを実施しています。日本が国連に拠出している「人間の安全保障基金」を通じて、スーダン、ウガンダ、コンゴ民主共和国、東チモールでFAOのプロジェクトを支援しています。農業分野での世界の二国間ODA全体の内、日本のODAは約4割を占めています。

 食糧支援を論じるに当たっては、一部アフリカ諸国における深刻な状況から目を逸らす訳にはいきません。本年のG8サミットやヨハネスブルグサミット(WSSD)では、アフリカ問題が重要なテーマの一つになっており、お手元の資料の通り、我が国も積極的にアフリカ支援を行っているところです。我が国は、TICADプロセスにおいて、農業を含む様々な分野における持続可能な開発を支援してきています。来年後半には、第3回アフリカ開発会議(TICAD III)を、我が国で開催する予定です。

 我が国は、アジアでの食糧増産の経験を活かし、西アフリカ稲開発協会(WARDA)が実施する、病害虫に強く多収量でかつ栽培期間が短いネリカ(NERICA)米のアフリカにおける研究開発及び普及による生産力増大に向けた活動に支援を行っています。

 農業分野では、その気象条件、土地条件等が似通った地域で、途上国同士でその技術やノウハウを移転することができると考えます。すなわち、南南協力は、途上地域のオーナーシップの醸成に不可欠であり、日本はこの南南協力を積極的に後押ししています。

 さらに、貿易の面でLDCの発展に貢献するために、LDC産品に対する無税・無枠の市場アクセスの供与という目標に向け努力していく所存です。

 世界食糧サミットが掲げた目標を達成するため、我が国は行動計画の実施に引き続き最大限努力する考えです。

 御清聴ありがとうございました。


政務官 / 平成14年 / 目次


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