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演説
水野外務大臣政務官演説

第10回UNCTAD総会中間レビュー会合
第1回ハイレベル円卓会議での水野政務官発言

(英語版)

平成14年4月30日

(タイ政府及びUNCTADへの謝辞)

 第10回UNCTAD総会中間レビュー会合の成功に向けた主催国タイ政府及びリクーペロ事務局長を始めとするUNCTAD事務局のご尽力に感謝します。

(我が国の開発政策)

 2000年2月に開催されたUNCTAD第10回総会には、我が国より小渕総理が出席し、我が国の開発協力政策の基本的な考えを述べました。私は開発途上国における貧困撲滅と、持続可能な成長が「良い統治」を通じて実現されることが最も重要と認識しています。また、それと同時に、先進国や開発途上国政府のみならず、国際機関、NGO、民間企業など、あらゆる関係者が参加し取り組みを強化することが必要です。そのためには、確固たる目標を設定し、持続可能な成長を達成するために多様な資金が活用され、人間を中心に据えるアプローチという3つの要素が重要と考えています。

(途上国自身の取り組みの重要性)

 アジア諸国は、オーナーシップを大いに発揮して発展を遂げ、援助を受ける側から援助を行う側に移りつつあります。すなわち、開発を自らが行うという「オーナーシップ」が極めて重要であり、また、開発の過程で途上国がオーナーシップを発揮するためには経済・社会開発に必要な人造りが不可欠です。

(南南協力)

 我が国はアジア太平洋地域に位置する後発開発途上国に深い関心を持つと同時に、後発開発途上国が集中するアフリカ地域の開発支援問題の重要性を深く認識しています。これら諸国の支援にあたっては、より開発の進んだ途上国から他の途上国に対する協力、いわゆる「南南協力」を促進することが重要なことは、LDCⅢの「行動計画」で明記されているとおりです。我が国としては、アジア・アフリカ間の南南協力への支援を通じ、世界経済のグローバル化により高い経済成長を遂げたアジア諸国の経験とノウハウをアフリカ諸国と共有することができれば有意義と考えています。
 なお、アフリカについては、我が国は来年後半に第3回アフリカ開発会議(TICAD III)を開催する予定であり、また、それまでの1年余りを「対アフリカ協力飛躍の年」と位置付け、協力を行っていく所存です。

(日本の開発途上国支援に対する努力の説明)

 第10回UNCTAD総会で我が国は、WTO協定実施に困難を抱える国に対し、協定履行に関するキャパシティー・ビルディングのため、5年間で2,500人を対象とした人材育成の実施、重債務貧困国救済のためのケルン・イニシアティブの迅速な実施等について言及しコミットしました。その後、我が国は、WTO協定履行に関する人材育成については、当初の計画を上回り2000年度1年間で700名を超える受け入れを実施しました。また、2000年4月には、重債務貧困国に対する非ODA債権の削減率拡大や世銀の多国間債務救済信託基金に対する2億ドルの拠出を表明し、バンコク行動計画において合意されたコミットメント以上の措置を実施しています。
 開発途上国の開発を進める上で政府開発援助は重要な役割を果たしています。そのため、我が国は現在までに累計で2,000億ドルの援助を行っています。また、我が国の2000年のODA総額は135億ドルに上っており、世界第1位の座を維持しています。厳しい財政事情の中ではありますが、今後ともODAを効果的に活用していきたいと考えています。
 また、本年8月26日から9月4日まで開催されるヨハネスブルグ・サミットは、環境と開発に関する重要な会議と認識しています。我が国は、戦略、責任、経験を共有するという「地球規模の共有(Global Sharing)」という原則を提唱し、我が国自身、水、森林、保健、エネルギー等喫緊の課題に対して具体的な行動をおこしていく考えです。

(UNCTADを通じた支援)

 グローバル化が進む中で、途上国が持続可能な経済成長を達成するためには、援助とともに貿易や投資が重要な要素であり、そのためには途上国がWTO新ラウンドに参加したうえで、新ラウンドを推進していくことが必要と考えています。
 これまで我が国は貿易関連キャパシティー・ビルディングのための各種技術協力を行ってきており、本年3月にはWTOドーハ開発アジェンダ・グローバル・トラスト・ファンドに150万スイスフラン(約1億2千万円)を拠出しました。
 更に、WTOドーハ開発アジェンダを受けてUNCTADが提案している貿易関連キャパシティー・ビルディングを、可能な限り支援したいと考えています。中でも、途上国の経済的自立へ向けた人材育成、能力開発への支援が重要であることから、具体的には今年度4つの地域で予定されている途上国の貿易・投資担当者に対する研修セミナーのうち、アジア・太平洋地域のセミナーについての資金的援助を検討しています。この支援がバンコク行動計画のフォローアップに結びつくと同時に、経済のグローバル化の中で貿易関連技術協力活動におけるUNCTADの重要性がますます高まっていくことを期待しています。

(日本の経済・財政再建に向けた国内努力の説明)

 最後に我が国の経済情勢について一言申し上げます。我が国の経済は、依然厳しい状況にあります。こうした中、小泉内閣は「改革なくして成長なし」との方針の下で、揺るぎない決意で改革に邁進しています。構造改革は、着実に動き出しており、特殊法人改革や規制改革など、様々な改革がスタートしています。今年は、動き出した改革をひとつひとつ軌道に乗せ、さらに大きな流れを作り出す「改革本番の年」であり、「経済再生の基盤を築く年」とする所存です。日本では、既に景気の底入れに向けた動きが見られます。この正念場を乗り切り、2003年度から、改革の成果を示し、2004年度以降は、民間需要主導の着実な経済成長が実現されることを目指しています。


政務官 / 平成14年 / 目次


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