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演説
植竹副大臣演説

植竹副大臣主催レセプション・スピーチ
(於:太平洋諸島訪問)

(英語版はこちら)

平成14年8月24日
於 在パプア・ニューギニア大使公邸

 マラット副首相閣下、
 ナマリュウー外相閣下、
 フィレモン蔵相閣下、
 モラウタ前首相閣下、
 閣僚の皆様並びにご列席の皆様

(冒頭)

 今夕、皆様方とこのように親しくお会いする機会を持つことが出来ますことを大変嬉しく思います。今回の訪問で、ソマレ首相、マラット副首相、ナマリュー外相、フィレモン蔵相、ディオン東ニューブリテン州知事及びその他多くの方々とお会いし、有意義な会合をもてたことを感謝致します。

 また、ナマリュー外相には、ラバウル訪問にお付き合い頂き誠にありがたく思います。

 今般、西ニューブリテン州のパゴ火山の噴火により、多くの被災民の方々が避難生活を余儀なくされていることにお見舞い申し上げます。これに対し、我が国より、一昨日、25万キナ相当の支援物資を引き渡したところであります。来週には噴火予知や防災の専門家が訪問します。

 さて、本日は、我が国の太平洋諸島諸国に対する外交政策と日・パプア・ニューギニアの二国間関係について簡単にお話したいと思います。

(我が国の対太平洋諸島諸国外交政策)

 我が国と貴国を始めとする諸国とは、歴史的な繋がりが深く、外交関係や経済的にも緊密な関係を築いてきております。このような太平洋諸島諸国の安定と繁栄が確保されることは極めて重要であります。このような観点から、2000年4月の「太平洋・島サミット」で、我が国は「太平洋島嶼国の持続可能な開発」、「地域及び地球規模の共通の課題」、「日・PIFパートナーシップの強化」を三つの柱とする「太平洋フロンティア外交」を提唱し、現在、具体的な取り組みを推進しております。

 第一に、持続可能な開発を追求していくためには、人材の育成が鍵となり、そのために各国の持続可能な開発に向けた人材育成政策をテーマとする「太平洋国際シンポジウム」を開催しました。また、IT分野では、「太平洋IT推進セミナー」の開催やUNDPの各国別の「IT推進国家計画」の策定に対する支援の実施を行いました。

 第二に、地球環境の悪化を防ぐことは、全ての国にとり緊急の課題です。そのためには、地球温暖化対策の実効性を確保することが必要です。この観点から米国や途上国を含む全ての国が参加する共通のルールの構築が重要であり、我が国としては、従来より最大限の努力を行ってきました。サモアにある「南太平洋地域環境計画」訓練・教育センターへの支援もその一環です。

 第三に、太平洋諸国と日本がこれらの協力を進めていくためには、国民相互間の「パートナーシップ」が基礎となります。貴国にも参りました「太平洋知的対話ミッション」は、相互理解、教育・人材育成、文化財保存について今後取り組むべき具体的施策をとりまとめ、小泉総理に提言しました。

 また、近年、この地域では政情の安定、民主化、紛争後の平和構築・開発が課題となっており、我が国は、民主化支援の一環として、昨年のフィジー及びソロモンでの総選挙の際に選挙監視要員の派遣等を含む選挙協力を実施しました。今後も引き続き努力していきたいと思います。

 こうした成果を踏まえて、次期「太平洋・島サミット」を明年4月から6月頃に開催する方向で準備を進めております。今回、ソマレ首相とお会いした際にも、このサミットへの招請を申し上げました。

(日・パプア・ニューギニア関係)

 続いて、我が国と貴国との関係について申し上げます。貴国は第二次大戦中、多くの方々が亡くなったところであり、多くの日本人も特別な思いを持っております。私は、今回の訪問では、激戦地となったラバウルを訪問し、日本人のみならず貴国の方々をはじめとして亡くなられた全ての方のご冥福をお祈り致しました。

 現在、世界には解決すべき問題が多々起こっております。世界が直面する環境問題や国際テロといった問題は、一国のみで対処することは不可能です。是非、貴国と協力してこれらの問題に取り組んでいきたいと思います。

(経済改革)

 我が国と貴国に共通している課題は「改革」であると思います。我が国は現在小泉総理の下、「構造改革なくして成長なし」との方針により、構造改革を最優先課題として推進しております。我が国は貴国の構造改革も支援しておりますが、貴国がソマレ首相の下で経済状況の改善を図られるよう強く希望します。

(経済協力)

 我が国は、貴国との関係に鑑み、種々の協力を行ってきており、最近では、貴国政府の構造調整に対する財政的な支援、ポート・モレスビー国際空港整備計画やハイランド・ハイウェイ沿いの橋梁の建設、ゴロカやロウレンガウにおける給水施設の建設、農業振興に対する技術支援などを実施しております。また、貴国の食糧安全保障の努力には敬意を払っており、この観点から稲作振興のための技術協力と農業機器の供与を進めております。

(経済関係)

 経済関係も良好です。貴国は、我が国には少ない、鉱山、森林、水産といった天然資源を有しており、我が国からも林業やセメント製造へ投資を行うと共に、また多くの産品を輸入しております。また、本年4月にニューギニア航空が成田への直航便を就航させて以来、多くの日本人観光客が貴国を訪問し、貴国の皆様の日本人に対する親近感やこの国の魅力あふれる自然の豊かさに大変強い印象を受けていると聞いております。

(極楽鳥及び桜の寄贈)

 この直航便就航の際に、貴国国民より国鳥である極楽鳥二つがいを東京の上野動物園に寄贈頂きました。この機会に日本国民を代表して改めて御礼申し上げます。また、この返礼として寄贈された20本の桜の苗木が、現在ゴロカ大学構内においてすくすくと成長していると伺っております。同大学は、日本語教育にも関心を有している教育機関であり、そのような環境の中になじんで、近いうちに満開の桜の花見ができることを今から楽しみにしております。

(結び)

 私にとってこの度の貴国訪問は大変有意義であり、また美しい自然と心温かい国民の皆様に大変感銘を受けました。私は、一人でも多くの日本人が貴国を訪問し、貴国のすばらしさを直接味わっていただきたいと願っております。また、本日のホストでもある田中大使と大使館のスタッフも貴国との関係を発展させるために日夜頑張っておりますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。

 ご静聴ありがとうございました。


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