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植竹副大臣演説
第3回国連後発開発途上国会議 植竹外務副大臣一般演説
平成13年5月15日 グローバル化 途上国、特に後発開発途上国がグローバル化の流れからの利益を十分に享受できる環境を整備することは、今日の国際社会全体の責務。 貧困削減と開発支援 貧困問題に立ち向かうためには、後発開発途上国自身が自らの問題として取り組む一方、全ての開発関係者が連携することが肝要。 我が国は厳しい経済・財政状況にあるにもかかわらず、ODA総額は10年連続して世界第1位、先進諸国全体の約4分の1。我が国の援助の実績及び経験に基づく本会議への貢献として、例えば、インフラ開発に関して、5月19日のテーマ別会合の共同進行役をセネガルと共に行う。 人間の安全保障 後発開発途上国の人々は、環境破壊、薬物、国際組織犯罪、感染症、紛争等様々な脅威からの解放に一層の困難を生じており、支援を必要としている。 我が国は、国連に設置された「国連人間の安全保障基金」に対し、既に111億円を拠出し、更に今年度(2001年度)中に77億円を拠出することとした。 対アフリカ協力及び南南協力 後発開発途上国49ヶ国中34ヶ国が集中するアフリカ地域の開発は重要。我が国は1993年と1998年にアフリカ開発会議(TICAD)を開催。将来TICAD IIIを開催すべく、本年(2001年)12月初旬に、アフリカ開発に関する閣僚レベル会合を東京で開催することを予定。 貿易及び債務救済 後発開発途上国が直面する問題や正当な懸念にも適切に配慮しつつ、WTOを中心とする多角的貿易体制を維持・強化して行くべき。新ラウンド交渉を本年(2001年)11月の第4回WTO閣僚会議にて立ち上げることが重要。 我が国は4月より新たにLDCを対象とする特恵品目を設ける等の特別措置を拡充、約360品目を無関税化。今後は残余の品目についても対処していく考え。後発開発途上国のための貿易関連技術支援に関する統合フレームワークのパイロット・スキームに50万ドル程度を上限とした資金的援助を行う用意あり。 我が国は昨年(2000年)4月に、ODA債権の他に国際的枠組みの下での非ODA債権の100%削減、世界銀行の多国間債務救済基金に対する2億ドルまでの拠出を決定。 <全文> 議長閣下、各国代表、国連事務総長閣下を始めとする諸国際機関の代表各位、並びにご列席の皆様、 第ニ回国連後発開発途上国会議が開催された1990年以降、情報通信技術の飛躍的な進歩は世界経済のグローバル化を加速させ、この間の貿易・投資の拡大は、途上国の経済成長をも促進してきました。 他方、後発開発途上国を始めとする低開発に苦しむ国々は、こうしたグローバル化の流れから取り残されているとの指摘もあり、グローバル化の負の側面を最小化し、途上国、特に後発開発途上国がこの利益を十分に享受できる環境を整備することは、今日の国際社会全体の責務であります。 議長、 貧困問題に立ち向かうためには、後発開発途上国自身が自らの問題として取り組むという強い意志を有することが必要であります。一方、国際社会は全ての開発関係者が連携しつつ、これらの努力を促すための協力を行うことが肝要であります。 持続可能な経済成長のため貿易、投資等が重要であると同時に政府開発援助(ODA)が引き続き大きな役割を果たすことは言うまでもありません。我が国は厳しい経済・財政状況にあるにもかかわらず、ODA量としては世界最大の貢献をしています。我が国のODA総額は、2000年に、約131億ドルと10年連続して世界第一位であり、先進諸国全体の約四分の一を占めています。さらに、後発開発途上国向けの援助総額についても2000年には約11億ドルであり、1990年代の累計は約116億ドルに上ります。 我が国は、このような援助の実績及び経験に基づき、本会議に積極的に貢献する考えです。我が国援助の重点分野の一つであるインフラ開発に関しては、19日のテーマ別会合の共同進行役をセネガルと共に務めさせて頂きます。また、ジェンダー問題については、南アフリカで開催された事前会合及び本日午後に開催されるジェンダー平等に関するパネルについて、開催経費の支援を行っております。 議長、 とりわけ、HIV/AIDS、結核、マラリア等の感染症の被害から後発開発途上国の住民を守ることは喫緊の課題です。この解決に向けて、我が国はG8九州・沖縄サミットで「沖縄感染症対策イニシアティブ」として、今後5年間で30億ドルをめどとする支援を表明し、更に、昨年(2000年)12月に我が国が主催した「感染症対策沖縄国際会議」においては、G8サミットで合意された数値目標達成のための具体的行動計画が策定されました。 また、紛争や難民問題も、後発開発途上国の人々の生活を脅かし、その開発や成長の足枷となっています。紛争を力によらず対話を通じて解決するには、当事者の自助努力と国際的支援体制の双方が必要であり、国際機関や関係国政府、NGO等が緊密に連携出来るよう、我が国も尽力したいと考えます。 議長、 また、より開発の進んだ開発途上国からの後発開発途上国に対する協力、いわゆる「南南協力」を積極的に支援することが重要です。我が国は、特にアジア・アフリカ間の協力について多くの取り組みを実施しており、更なる南南協力の発展のために引き続き支援を行っていく決意であります。 議長、 また、後発開発途上国からの輸出を促進するためには、新ラウンド開始を待たず、できることをやるべきです。その意味で、無関税・無枠の特恵待遇を実質的に全てのLDC産品に対して供与し実施するとのイニシアティブの下、我が国は4月より新たに後発開発途上国を対象とする特恵品目を設ける等の特別措置を拡充し、360品目を無関税化しました。その結果、全ての繊維製品を含む鉱工業品の約99%が無関税・無枠の扱いとなりました。今後は残余の品目についても対処していく考えです。 また、貿易関連キャパシティ・ビルディングは大幅に強化されるべきであると考えます。我が国はこれまでにも後発開発途上国に対する二国間の貿易関連技術支援を積極的に行ってきました。更に、我が国は後発開発途上国のための貿易関連技術支援に関する統合フレームワークのパイロット・スキームに50万ドル程度を上限とした資金的援助を行う用意があります。 後発開発途上国31ヶ国を含む重債務貧困国に対する債務救済は、看過し得ない課題です。我が国は昨年(2000年)4月に、ODA債権の他に国際的枠組みの下での非ODA債権の100%削減、世界銀行の多国間債務救済基金に対する2億ドルまでの拠出を決定しました。他方、債務救済は貧困問題解決の万能薬ではありません。開発途上国の開発への主体的な取り組みを育むため、経済的自立に向けた人材育成、能力構築への支援等が重要であり、我が国はこうした分野でも引き続き尽力していく所存です。 議長、 ご清聴ありがとうございました。 |
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