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CLV諸国の開発
(イ) |
小泉総理は、予想される規模が3年間で15億ドルに達するメコン地域開発に対する日本のイニシアティブについての決定を再度表明し、メコン地域開発の枠組みにおいてCLV諸国と協力していくという決意を表明した。 |
(ロ) |
各国首脳は、地域開発の優先的課題として、CLV諸国においては、運輸インフラ、電力網、情報通信ネットワークの整備等のインフラ整備が重要であるとの認識を共有した。小泉総理は、カンボジアによる電気通信分野の改革の努力及びラオスによる財政改革の努力に期待を示しつつ、カンボジアにおける「メコン地域通信基幹ネットワーク整備計画」、ラオスにおける「メコン地域電力ネットワーク整備計画」及びベトナムにおける「カイメップ・チーバイ国際港開発事業」に円借款を供与する意図を表明した。各国首脳は、東西回廊の重要性を認識し、CLV開発に資する東西経済回廊の実現のため作業することで一致した。
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(ハ) |
本会議において、CLV首脳は、各国の潜在力と補完的な長所を十分に活用しながら、この地域における経済成長や貧困削減、社会的文化的な進歩を加速させる目的でCLV三カ国首脳会議においてなされた、開発の三角地帯を設立する決定及びイニシアティブを改めて表明した。
CLV首脳は、カンボジア-ラオス-ベトナム開発の三角地帯設立に関するビエンチャン宣言及びマスタープランが11月28日にラオス・ビエンチャンで開催されたCLV首脳会議において採択されたことを、小泉総理に報告した。CLV首脳は、開発の三角地帯の設立がCLV諸国間の多面的な関係、相互理解及び信頼を新たな高みに促進するのみならず、メコン地域及び地域全体の平和、安定、協力及び友好発展に寄与することを強調した。
CLV首脳は、メコン地域の発展に対する日本の重要な役割及び貢献を高く評価し、日本がCLV諸国の発展に対してさらなる協力を行い、開発の三角地帯で挙げられるいくつかの優先案件の実現へ向け支援してほしいとの期待を表明した。
小泉総理は、開発の三角地帯に関するマスタープランについての説明に感謝し、農村部及び地域社会に裨益する小規模の無償援助である「草の根・人間の安全保障無償資金協力」といった日本のスキームを利用することで、マスタープランの実現に向け支援することを検討する旨述べた。CLV首脳と小泉総理は、将来的に他の援助主体も参加する会合をもつ可能性も含め、CLV諸国と日本との間においてフォローアップの方法を議論するための事務レベル会合を持つとの意見で一致した。
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貿易・投資の促進
各国首脳は、高い経済成長を達成するためには、貿易と外国直接投資の促進が不可欠であるとの認識を共有した。このため、CLV首脳は、CLV諸国間の越境手続の簡素化といった貿易投資環境整備に最大限の努力を払うとの意図を表明した。小泉総理はこのCLV諸国の意図を歓迎し、そのような努力に対する支持を表明した。小泉総理はまた、日本企業に対して第三国からCLV諸国へ向けた再投資を促し、税関分野における技術支援を継続する意図を表明した。
小泉総理は、本年のカンボジアのWTO正式加盟を歓迎し、ベトナムとラオスのWTO早期加盟への努力に対する強い支持を表明した。
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開発における環境及び水資源問題
各国首脳は、持続的な成長のためにメコン地域の環境保護に適切な考慮を払うことの重要性を認識し、この地域においてメコン河の水資源問題を扱う国際機関の一つとして、メコン河委員会を評価した。各国首脳は、近年メコン全域において洪水被害が増大していること及び洪水被害の緩和が喫緊の課題となっていることを確認した。この観点から、小泉総理は、この分野においてCLV諸国と進んで協力し、CLV諸国を支援するという意図を表明した。
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人造りの推進
各国首脳は、人材育成が国造りの基礎であって、この地域の発展に必要不可欠な条件であるとの認識で一致し、昨年12月に発表された日・ASEAN行動計画の着実なフォローアップの重要性を認識した。
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農業農村開発
各国首脳は、CLV諸国においては都市に比べ農村における貧困率が高いことを考慮し、貧困削減の為の農業、灌漑システム及び農村の開発が開発全体において重要であり、この分野において協力を続けていくとの見解で一致した。小泉総理は、特産品の確立や展覧会開催といった「一村一品」運動を通じた支持を表明した。
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