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小渕総理の公式訪露について

平成10年11月14日

1.総論
(1)小渕総理は11月11~13日、ロシアを公式訪問し、エリツィン大統領との間で日露首脳会談を行うとともに、プリマコフ首相とも会談した。今次総理訪露は、我が国の総理大臣による25年振りの公式訪露であった。

(2)両首脳は、首脳会談の結果を踏まえ、「日露間の創造的パートナーシップに関するモスクワ宣言」に署名した。同宣言においては、日露両国が21世紀に向けて、政治、経済、安全保障、文化、国際協力等、あらゆる分野において日露間の協力を一層強化し、「信頼」から「合意」の時代に入っていくという両国の決意が謳われている(モスクワ宣言骨子)

(3)平和条約交渉については、東京宣言ならびにクラスノヤルスク合意及び川奈合意に基づき、平和条約を2000年までに締結するよう全力を尽くすとの決意が再確認されるとともに、平和条約締結問題日露合同委員会の枠内において国境画定委員会及び共同経済活動委員会を設置すること、及び、旧島民及びその家族による四島への自由訪問を実施していくことで合意する等の成果があった。

(4)小渕総理より、民主化及び市場経済化に向けたロシアの改革努力に対する全面的な支持を改めて表明するとともに、対露協力に関する具体的な新施策を表明し、エリツィン大統領はこれを高く評価した。

2.平和条約問題

(1)本年4月に川奈で行われた我が方提案に対するロシア側の回答が提示され、日本側としてはこれを持ち帰って検討し、明年早期にもあり得べき首脳会談までに検討結果を回答することとなった。

(2)両首脳は、東京宣言並びにクラスノヤルスク合意及び川奈合意に基づいて平和条約の締結に関する交渉を加速することで一致した。

(3)平和条約を2000年までに締結するよう全力をつくすとの決意が再確認され、このため平和条約締結問題日露合同委員会の枠内に国境画定委員会を設置することで一致した。

(4)国境画定委員会と並行して活動する共同経済活動委員会を設置し、四島においていかなる経済活動を双方の法的立場を害することなく実施し得るかについて検討することで一致した。

(5)人道的見地から、旧島民及びその家族による四島への自由訪問を実施することにつき原則的に合意し、かかる訪問の手続について事務的に検討することとなった。

3.日露協力に関する新たな施策

 小渕総理より、日露協力に関する新たな施策として以下を表明し、エリツィン大統領はこれを高く評価した。

(1)世銀との協調融資による15億ドル輸銀アンタイド・ローンの枠内で、8億ドルの融資を実施する。

(2)「改革のためのパートナーシップ」として、知的・技術協力を抜本的に拡充する。具体的には、(イ)産業育成分野の技術協力、(ロ)政策金融をはじめとするロシア国内投資の促進のためのノウハウの提供、(ハ)日本センターのネットワークの拡充等の地方レベルの協力の強化等の一連の措置を実施する。これにあたり、日本側は、支援委員会に約1億ドルの追加拠出を行う。

(3)国民レベルの人的交流の抜本的な拡充を図ることとし、その一環として「日露青年交流センター(小渕・エリツィン・センター)」を設立する。 今後、ロシア側の協力を得て同センターを立ち上げ、日本側より約2000万ドルの拠出を行い、約1000人を目処に各種派遣・招聘等の青年交流を行う。

(4)緊急医療協力として、約1000万ドル相当の医薬品・医療機材を供与する。

4.各種実務文書

 経済・実務分野の協力に関し、以下の文書が署名ないし発表された(各文書の概要)

5.エリツィン大統領の訪日招請

 小渕総理よりエリツィン大統領に対して、来年早期に日本を公式訪問するようにとの招請が改めて行われ、エリツィン大統領は感謝をもってこれを受け入れた。

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