BACK/FORWARD/目次

2. 評価についての国際的な議論

 OECDのDACでは、援助効率に対する関心の高まりを背景に、1982年12月にDACの下部機関として評価専門家会合を設置。DACメンバー国及び国際援助機関の援助評価関係者がそれぞれの評価経験を持ち寄り、情報交換を行うと共に、援助効率の向上を念頭に、援助評価の改善、評価作業の協働、被援助国側の評価能力向上等に資する協議を行ってきている(年2回開催)。

 最近では、次のような議論・検討が行われている。すなわち、(1)援助各国の評価経験から、評価を実施する際に依拠されるべき原則(妥当性、目標達成度、波及効果、効率性、自立発展性)が取りまとめられ、1991年12月のDAC上級会合で採択されたが、その後、援助ニーズの変化、新しい分野の出現等を勘案し、評価原則をレビューすることが決定された他、(2)「環境と開発」評価に関して(イ)途上国の環境対処能力形成への支援改善のための教訓取りまとめ、及び、(口)援助各国の環境援助政策に関する評価・評価手法の分析、等のオプションの下で、今後の作業取り進めが検討され、また、(3)案件の成功度を示す評点制度については、評価の客観性を高め、評価の結果をわかりやすく伝えるものとして、各国とも未だ試行錯誤の段階ではあるが、積極的に取り組んできており、今後、さらに各国が経験の蓄積を行い、その共有を行っていくこととされ、(4)「参加型開発と良い統治」(PD/GG)では、人権、法制度、参加、分権化、公的部門の運営の5分野について、これまでのドナー国の評価結果に基づき、いかなる開発戦略がPD/GGを促進するかについての研究が行われている。

 

BACK/FORWARD/目次