1.1997年の政府開発援助実績(注1)


 1997年の我が国の政府開発援助実績は、94.36億ドル(対前年比1.8%減)となり、経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)によれば、我が国は、91年以来7年連続して世界第1位のODA供与国となり、ODAの対GNP比は0.22%となった(前年は0.20%)(注2)。

 形態別では、97年の実績のうち二国間援助は全体の約7割を占め、66.13億ドル(対前年比20.9%減)であり、その内訳は、無償資金協力が20.18億ドル(同15.8%減)、技術協力が30.22億ドル(同5.0%減)、政府貸付等が15.74億ドル(同43.4%減)であった。また、国際機関(世界銀行など国際開発金融機関及び国連開発関係機関)を通じた援助は全体の約3割の28.23億ドル(同125.5%増)となった。

 地域別で見ると、二国間ODAのうちアジア向けは46.5%となり、前年の49.6%から若干減少した。そのうち東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国向けは、二国間ODA全体の20.5%で前年とほぼ横這いである。アフリカ地域向けは前年から微減し、12.1%となっている。中南米地域は10.8%(前年は11.8%)、中近東地域は7.8%(同6.7%)、大洋州地域は2.4%(同2.4%)、欧州地域(東欧等)は2.0%(同2.4%)となった。

 国際機関を通じた援助については、まず、開発や人道に関連する国連諸機関等に対する拠出は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)への1.16億ドルの拠出をはじめ全体で6.90億ドルの支援を行った。また、世界銀行等の国際開発金融機関への出資等については、増資サイクルの関係で97年実績は対前年比で352.4%増の21.33億ドルとなった。なお、我が国の世界銀行びアジア開発銀行の通常資本出資金への出資額はそれぞれ153.21億ドル(シェア8.2%)、74.51億ドル(シェア16.1%)となっている。また97年度には日本政府の拠出により設けられている日本特別基金向けとして、世界銀行の開発政策・人材育成基金への197.5億円(約1.62億ドル)、アジア開発銀行の特別基金への78.9億円(約0.63億ドル)の拠出等を行った。

(注1)
  • 国際的な比較の都合上、暦年・ドルベースの統計を主として用いている。円で実績等が示される場合については、括弧内に97年DACレートでドル換算した額を概数で表示することとした。
  • 資料編2.97年我が国政府開発援助実績参照。
  • 特記なき限り、東欧諸国及び卒業国向け及び欧州復興開発銀行(EBRD)向けを含む。
(注2)他のDAC諸国との比較上、東欧諸国向け及び卒業国向け、EBRD向けを除いた数値。

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