2007年の日本の政府開発援助実績(注1)は、支出純額(ネットベース)で、二国間政府開発援助(注2)が約57億7,815万ドル(約6,807億円)、国際機関に対する出資・拠出などが約19億80万ドル(約2,239億円)(注3)、政府開発援助全体では対前年比31%減の約76 億7,895万ドル(円ベースでは対前年比30.2%減の約9,046億円)です。
また、政府貸付などの回収額を算定に入れない支出総額(グロスベース)での日本の政府開発援助額(注4)は、約135億6,629万ドル(約1兆5,981億円)で、対前年比で約20.5%減(円ベースでは対前年比19.5%減)となっています。
日本の2007年の政府開発援助実績(支出純額(ネットベース))は、OECD-DAC(注5)加盟国では、米国、ドイツ、フランス、英国に続く第5位となりました(注6)。政府開発援助額の減少の大きな要因は、国際機関向け出資・拠出などの支出実績や債務救済が減少したことです。国際機関向けの出資が減少したのは、国際金融機関に対する計上が減少したためです。債務救済の減少については、2007年には、日本が2006年にナイジェリアに対して実施したような大規模な債務救済がなかったことが主な要因となっています。
2007年政府開発援助実績(支出純額(ネットベース))の内訳としては、二国間政府開発援助が全体の約75.2%、国際機関を通じた政府開発援助が約24.8%となっています。二国間政府開発援助については、開発途上国との協議を経て援助を実施するため、日本と被援助国との関係強化に貢献することが期待されています。また、国際機関を通じた政府開発援助は国際機関の専門的知見の活用、政治的中立性の確保、政府ベースの援助が届きにくい国・地域への支援が可能であるなどのメリットがあります。そのため日本は、二国間援助および国際機関を通じた支援を柔軟に使い分けるとともに相互の連携を図り、適切に援助が供与されるよう努力しています。
二国間政府開発援助の内訳を見ると、無償資金協力として計上された実績は約34億1,391万ドル、政府開発援助実績(支出純額(ネットベース))全体の約44.5%となっています。このうち債務救済は約19億4,135万ドル、約25.3%を占めています。また、国際機関を通じた贈与は、約3億9,503万ドルで全体の約5.1%です。上記項目を除くと、無償資金協力として日本が供与した金額は、約10億7,753万ドル、約14%となります。
また、技術協力は約25億6,891万ドル、約33.5%、政府貸付等は約▲2億467万ドル(注8)、債務救済を除いた政府貸付などは約1億6,085万ドルとなっています。
二国間政府開発援助を地域別に見ると、アジア(注9)は全体の28.3%、約16億3,358万ドル(約1,924億円)です。アフリカは全体の29.4%、約17億53万ドル(約2,003億円)です。中東については、全体の16.4%で約9億4,828万ドル(約1,117億円)となっており、中南米は3.9%で約2億2,560万ドル(約266億円)、大洋州は1.2%で約7,029万ドル(約83億円)、欧州は0.8%であり、約4,755万ドル(約56億円)です。また、各地域をまたぐ協力は複数地域にまたがる援助などとしており、約11億5,232万ドル(約1,357億円)となっています。
地域別の債務救済については、アジア(注10)が約1,078万ドル(約13億円)、アフリカが約8億1,560万ドル(約961億円)、さらに、中東が約7億4,944万ドル(約883億円)です。