このような方針の下、日本は、約60か国との間で、「クールアース・パートナーシップ」に基づく取組を進めています(2008年10月現在)。
インドネシアとの間では、「クールアース・パートナーシップ」に基づく初の円借款として、3億ドルの気候変動対策プログラム・ローンの供与を実施しました。インドネシアからは、など、気候「クールアース推進構想」変動問題に対する日本の考え方に対し高い評価を得ています。インドネシア自身、バリ島でのCOP13の主催をはじめ、2013年以降の枠組み構築に積極的に取り組む姿勢を示しており、また、独自の「気候変動対策国家戦略」を策定するなど、自国国内での温暖化対策にも積極的に取り組んできました。このプログラム・ローンは、インドネシアが進める気候変動対策を、政策対話を通じて支援することにより、①温室効果ガス吸収源の保全や、セクター別アプローチの考え方を反映した産業部門における温室効果ガス排出削減目標・ロードマップの策定などの排出抑制策による温暖化緩和に貢献するほか、 ②気候変動の悪影響に対する適応能力強化、③気候変動に関する分野横断的課題への対応に寄与するものです。
気候変動の悪影響に直面するツバルに対しても、2008年2月から3月にかけて調査団を派遣して、気候変動問題への対策に関する協力可能性について調査しました。この結果を踏まえ、今後、海岸保全、防災、代替エネルギーの3分野において協力を進めていく予定です。
また、「クールアース・パートナーシップ」の対象となった開発途上国との間では、気候変動の次期枠組み交渉の進展に応じ、日本の考え方をよりよく理解してもらうため、関係者が気候変動関係の国際会議への参加のために集まる機会を捉えてクールアース・パートナーズ会合を開催したり、各国の大使館を通じて情報を提供したりしています。
日本は、これらの取組が世界全体の温室効果ガス排出削減、開発途上国の気候変動へのぜい弱性の克服の一助となり、また実効的な次期枠組みの構築に向けた積極的関与の促進へとつながることを期待しています。
どんなに厳しく温室効果ガス排出量の削減努力を行っても、今後数十年間は、先進国であるか開発途上国であるかを問わず、全世界において気候変動によるリスクはもはや避けられません。気候変動問題は、今後も引き続き開発分野における最重要課題の一つであり続けます。日本としては、今後も、温室効果ガスの排出削減と経済成長を目指す開発途上国との間で引き続き政策協議を行い、「クールアース・パートナーシップ」を進展させていきます。