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3.ミャンマー
 日本の対ミャンマー経済協力は、1988年の軍事政権成立以降原則として停止していましたが、1995年に国民民主連盟(NLD:National League for Democracy)のアウン・サン・スー・チー女史の自宅軟禁が解除されるなど事態の改善があったことから、同国の民主化や人権状況の改善を見守りつつ、当面は既往継続案件や民衆に直接利益となる基礎生活分野を中心にケース・バイ・ケースで検討の上、経済協力を実施することとしました。
 しかしながら、2003年5月にスー・チー女史などが軍政当局に拘束され、自宅軟禁下におかれる(3度目)という事態が発生しました。日本は、事件の直後から事態を懸念し、スー・チー女史を含むすべての関係者が関与した形での国民和解・民主化プロセスの早急な進展をミャンマー政府へ求めてきました。
 2003年5月以降のこうした状況にかんがみて、現在は、ミャンマーに対する新規の経済協力案件を基本的に見合わせていますが、同国の劣悪な生活環境などを考慮して、緊急性が高く真に人道的な案件などについては、ミャンマーの政治情勢を注意深く見守りつつ、案件内容を個別に慎重に吟味した上で実施しています。
 日本としては、ミャンマーの民主化の早期進展が重要と考えており、今後も同国の前向きな動きを引き出すべく、引き続き粘り強く働きかけていく方針です。(コラムII-8を参照してください。)


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