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(3)第4回世界水フォーラム(2006年3月)
2006年3月にメキシコ・シティにおいて、「地球規模の水問題解決のために地域の行動を」をテーマに第4回世界水フォーラムが開催され、約140か国から約19,000人の各国政府代表、国際機関、民間企業、NGO、研究機関等の関係者が参加しました。世界水フォーラムは、世界の水問題について協議するために世界水会議(注1)が主催する国際会議で、1997年、モロッコのマラケシュで開催された第1回会合以来、3年に1度の割合で開催されています。
今回の会合では、持続可能な開発に向けた水問題の重要性等を謳った「閣僚宣言」が採択されたほか、2003年3月に日本(京都、滋賀及び大阪)で開催された第3回会合の際に日本が主導して発表した「水行動集(PWA:Portfolio of Water Actions)」を発展させた「持続可能な開発に関する水行動連携データベース(CSD・WAND:Commission on Sustainable Development・Water Action and Networking Database)」が発表されました。これは、「水行動集」を基礎として、各国政府や国際機関の分野別プロジェクトの実施状況など様々な情報や模範事例など情報交換のためのツールとして、国連との協力の下で発展・拡大されたデータベースです。
日本は、水と衛生分野の世界一の援助国として、国際機関、他の援助国等と連携しつつ支援をより一層強化するため、「水と衛生に関する拡大パートナーシップ・イニシアティブ(WASABI:Water and Sanitation Broad Partnership Initiative)」を発表しました。本イニシアティブでは、水利用の持続可能性の追求、人間の安全保障の視点の重視等の基本方針に基づき、統合水資源管理*1の推進をはじめとする包括的な取組を実施することとしています。また、日米水協力「きれいな水を人々へ」イニシアティブ(注2)について、連携の進展と成果を発表しました。

第4回世界水フォーラムの様子
囲み II-2 水と衛生に関する拡大パートナーシップ・イニシアティブの概要 Water and Sanitation Broad Partnership Initiative (WASABI)