前頁前頁  次頁次頁


囲み II-4 ジェンダーと開発(GAD)イニシアティブ(概要)

1. 位置付け

 ●ODA大綱、ODA中期政策を踏まえた「分野別援助政策」
 ●我が国の開発援助のあらゆる段階にジェンダーの視点を盛り込むための政策文書
 ●開発途上国自らによるジェンダーに関する取組を支援
 ●国連婦人の地位委員会(北京+10)の場で発表

2. 基本的な考え方

 ●ODA大綱・ODA中期政策の改定による男女共同参画の視点の重視
 ●女性の地位向上を、保健、教育、経済活動の重点3分野に限定して支援する印象のあった「WIDイニシアティブ」の全面改定
 ●女性を直接に裨益の対象としない政策も含め、ODA活動全般をジェンダーの視点に立って策定し、実施することを目指す
 ●男女の生活状況やニーズの違いを事業計画段階で把握し実施の際に考慮する
 ●開発途上国のジェンダー平等と女性のエンパワーメントに向けた取組への支援を強化

3. ジェンダー主流化のための基本的アプローチ

 我が国がODAのあらゆる段階においてジェンダーの視点を盛り込むための基本的なアプローチ
(1)援助政策におけるジェンダー平等の視点の導入強化
  ○国別援助計画、重点課題別・分野別援助方針などに反映
  ○政策協議などを活用し、開発途上国と課題を共有
(2)ジェンダー分析の強化及び女性の参加促進
  ○ジェンダーの視点に立った事前評価の強化
  ○援助政策の策定、事業の計画・実施段階における女性の意志決定プロセスの参加へ配慮
  ○案件実施中・実施後のモニタリング・評価、効果的なフィードバック
(3)ジェンダー平等を推進する政策・制度支援
  ○ナショナル・マシーナリー機能強化、法律・制度支援などの開発途上国による取組支援
(4)国際社会・NGOとの連携強化
  ○知見や経験の蓄積がまだ十分でない分野における支援の強化
  ○ジェンダーに関する概況や統計などの情報の共有
(5)組織の能力向上及び体制整備
  ○職員・事業関係者の研修の強化
  ○ジェンダー主流化推進のための体制整備

4. ジェンダー主流化の視点に立った分野別の具体的取組

 ODA大綱の重点課題に取り組むに当たり、国際開発機関への拠出や二国間援助を通じ、ジェンダーの視点を盛り込んだ支援を例示
(1)貧困削減:教育、保健、農村開発・農林水産
(2)持続的成長:インフラ、経済・労働
(3)地球的規模の問題への取組:環境、人権及び暴力
(4)平和の構築:人道支援・復興支援、紛争予防・再発

注)ジェンダーと開発(GAD)イニシアティブの全文は第II部第3章「ODAに関する主な資料」を参照


前頁前頁  次頁次頁