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第II部 2004年度のODA実績

女子小学校で木の葉を使った絵の書き方を指導する青年海外協力隊員(ニジェール)(写真提供:JICA)
女子小学校で木の葉を使った絵の書き方を指導する青年海外協力隊員(ニジェール)(写真提供:JICA
日本が供与した給水タンクとイラクの子どもたち。給水タンクの側面には「キャプテン翼」のステッカーが貼られている。(イラク,168頁も参照)
日本が供与した給水タンクとイラクの子どもたち。給水タンクの側面には「キャプテン翼」のステッカーが貼られている。(イラク,第II部第2章第5節2.(4)も参照
津波被害者の支援にあたる緊急援助隊(写真提供:JICA)
津波被害者の支援にあたる緊急援助隊(写真提供:JICA)

第II部 Summary

 第II部では、第1章において、2004年の日本のODA実績をDAC統計に基づいて概観し、第2章において、2004年度のODAの実施状況を援助政策の新たな展開も含め、概括的に説明します。

 2004年(暦年)の日本のODA実績は、対前年比0.3%増の約89億555万ドルとなり、前年に引き続きDAC諸国中、米国に次いで第2位の援助国となりました。

 2004年度のODAの特筆すべき動きとしては、新ODA中期政策の策定、分野別イニシアティブの策定、インドネシア・スマトラ島沖大規模地震及びインド洋津波災害に対する支援などがあげられます。
 政府は、2003年8月にODA大綱が改定されたことを踏まえ、これまでのODA中期政策を抜本的に見直し、2005年2月、新ODA中期政策を策定しました。新ODA中期政策には、ODA大綱のうち、考え方や取組などを内外に対してより具体的に示すべき事項を中心に明記しており、ODAを一層効率的、効果的に実施することを目指しています。
 また、分野別の援助方針を明らかにし、推進していくために、2004年度以降3つの分野別イニシアティブを策定しました。2005年1月には、ODAを活用した災害分野の協力に関する基本方針となる「防災協力イニシアティブ」、3月には、ODAのあらゆる分野でジェンダー平等の達成を目指す「ジェンダーと開発(GAD)イニシアティブ」、6月には、保健関連MDGs達成への貢献に重点を置いた「「保健と開発」に関するイニシアティブ」を発表しました。
 2004年12月に発生し、インド洋沿岸諸国に未曾有の被害を与えたインドネシア・スマトラ島沖大規模地震及びインド洋津波災害に対して、日本は同じアジアの一員として、資金、人的貢献、知見の3点で最大限の支援を行うこと表明し、迅速に実施しました。
 課題別・地域別の取組については、平和の構築のための支援であるイラクやアフガニスタンに対するODAをはじめとして、ODA大綱及び新ODA中期政策に沿った形でそれぞれの取組を進めています。また、ODAをより効率的・効果的に実施するために、開発途上国との政策協議や現地の援助実施体制の強化を図るとともに、透明性を高めて積極的に広報することなどにより、援助活動への国民参加を促進し、さらに、評価を充実し、不正・腐敗を防止して適切な手続きを確保するなど、ODA大綱及び新ODA中期政策に沿ったODA改革を進めています。


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