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(4)中東地域
中東地域はわが国のエネルギーの安定供給にとって死活的に重要な地域であること、また、テロや大量破壊兵器拡散といった脅威への対処という観点から、わが国は、この地域の平和と安定に寄与するための支援を行っています。
比較的発展した国に対しては、産業多角化へ向けた人材育成のための技術協力を中心とした支援を実施しています。また、2001年度は、モロッコ、トルコ、チュニジアに対して、円借款により道路建設などのインフラ支援を行い、一層の経済発展と渋滞緩和等による都市環境の改善に資する支援を行いました。
比較的開発が遅れている国に対しては、医療施設・器材の整備や農業、水資源開発等の経済社会インフラ整備のため、シリアの「種子生産能力向上計画(2001年)」などの無償資金協力を中心とした支援を行っています。また、ヨルダンの「家族計画・WIDプロジェクトフェーズ2(2001~2003年、技術協力プロジェクト)」といった技術協力を中心とした支援を通じ、保健・医療、IT、産業振興、水資源開発、環境保全等の分野に積極的に取り組んでいます。さらに、エジプトの「社会開発計画(2001年)」に対し円借款を供与し、設備投資を通じた中小企業育成を支援することにより産業多角化に貢献しています。
また、中東地域の水資源の不足といった環境問題に対処するため、わが国は、ヨルダンの水質汚染監視計画への無償資金協力、モロッコにおけるアカディール上水道整備計画への円借款の供与、中東淡水化研究センター設立への支援をはじめとする様々な協力を行っています。
中東和平プロセス進展のための支援としては、パレスチナに対して93年以降2002年12月までに6億3千万ドル以上の支援を行っています。中でも、2000年9月のイスラエル・パレスチナ間の衝突発生以降においては、医療、雇用創出、食料支援など緊急のニーズに応じた5千万ドル規模の対パレスチナ支援を行いました。また、アラブ側関係当事国であるエジプト、シリア、ヨルダン、レバノンについても、様々な分野で資金協力、技術協力の双方を通じた支援を行っています。
なお、アフガニスタン復興開発支援については、第I部第2章第3節(2)(イ)を参照して下さい。
2001年のわが国の中東地域への二国間援助は約2億8,700万ドルで、二国間援助全体に占める割合は3.9%です。

図表II-14 中東地域における援助実績

中東地域における援助実績




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