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(2)南西アジア地域
南西アジア地域は世界最大の貧困人口を抱える地域であることから、わが国は、今後も、この地域の抱える貧困問題への対応を重視していくとともに、域内各国の経済自由化や経済面を中心とした地域協力等の望ましい動きを支援していく必要があります。わが国は以下の3点を重視して支援を行っており、2001年度には以下の支援を実施しました。
貧困削滅と貧困層の生存の確保のための支援としては、特に、後発開発途上国(LDC)であるバングラデシュ、ブータン、ネパール、モルディブに対しては、無償資金協力と技術協力の連携をはかりつつ、農業、居住環境、保健・医療等の基礎生活分野に重点をおいた協力を行っています。2001年度には貧困人口を抱えるスリランカ等に基礎生活分野を中心に支援したほか、円借款による支援等を実施しました。また、パキスタンに対しては、2001年11月に貧困削滅支援のために3億ドルの無償資金協力の実施を表明しました。
民間活動の活発化及び海外からの投資促進に資する環境整備のための人材育成、経済・社会インフラ整備等への支援としては、人材育成については、インド、パキスタン両国が比較的高い技術水準を有していることから、ネパール、バングラデシュ、スリランカを対象として支援を行っています。また、社会・経済インフラ整備に関しては、域内後発開発途上国(LDC)諸国に無償資金協力で基礎インフラ関連案件を行っています。2001年度には、インド、スリランカに対して円借款により電力インフラを、インド、パキスタンに交通インフラを支援しました。
人口増加や経済成長と関連した環境負荷増大に対応した、環境保全対策のための支援については、2001年度には、各国への環境関連の技術協力や生活環境改善に向けた円借款(スリランカ)を通じて環境保全に資する案件を実施しました。

図表II-12 南西アジア地域における援助実績

南西アジア地域における援助実績

コラムII-6.ヤムナ川流域諸都市下水道等整備事業



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