(1) |
今回のEU側の訪日を通じ、日本によるICC規程の早期締結に対するEU側の希望が随所で示され、日本のICCへの積極的参加へのEU側の高い期待感が感じられた。また、EU側からは7ヶ国及び欧州委員会11名の専門家が訪日したこと自体が、こうしたEUによる期待感の現れであると考えられる。
|
(2) |
今回の意見交換を通じて、EU各国がどのような形で国内法を整備し、ICC規程を締結したかにつき、これまで以上に詳細にわたり知ることが出来た。EU各国から提供された、それぞれの国における国内実施法制あるいはその解説といった諸資料は、日本における更なる検討に資するものと考えられる。
|
(3) |
また、今回広く一般を対象とした、ICCに関するパネル・ディスカッションを開催できたことは、日本におけるICCへの関心を高める上で、大きな意義があったものと考えられる。今回のパネル・ディスカッションは、ICCが国際法上有する意義や、その設立の経緯、あるいは今後活動を進めていく上で検討すべき諸課題や、ICCとNGOとの関係など、ICCの有する様々な側面を取り上げることを試みた。
時間の制約はあったが、パネル・ディスカッションの開催そのものについて、多くの参加者からこうした試みを評価する声が見られた。
|
(4) |
EU側にとっても、日本における現在のICC規程締結に関する検討状況及び国内関係者の関心の所在等を知る良い機会になったと考えられる。
|
(5) |
今回のEU専門家の訪日を通じて得た知見、あるいは更に明らかになった諸論点を更に検討し、またパネル・ディスカッションを通じて得た様々な関心事項を踏まえて、今後の日本としてのICC規程締結に関する検討を進めていくことが重要である。
|