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国際刑事裁判所に関するEU専門家の訪日
(概要と評価)


平成14年12月


1.今回の訪日の経緯及び概要
(1) 12月9日から11日まで、EU各国及び欧州委員会より、国際刑事裁判所(ICC)に関する大使、局長クラスを含む専門家11名(デンマーク(議長国)、ギリシャ(次期議長国)、フランス、ドイツ、オランダ、英国、欧州委員会)が訪日し、日本において、政府関係者、研究者と意見交換を行った。また、今回の訪日の機会に、外務省主催により一般向けのパネル・ディスカッションを開催し、ICCについて幅広い意見交換を行った。

(2) 今回の訪日は、ICCに関し、日本との間で意見交換を行いたいとのEU側の提案を受け、外務省が協力して実現した。今回のEU側の訪日を通じ、日本におけるICC規程締結に関する国内での検討に役立てることができ有益であった。また、ICCに関する公開の意見交換を通じ、ICCへの国内における理解を深める上で効果的であった。



2. 具体的な日程
(1) 政府関係者との意見交換
 外務省及び関係各省庁との意見交換を10日、11日の2日間に、合計3回実施し、内閣官房、防衛庁、法務省など、ICCに関心を有する関係局課からの参加を得た。
 EU各国からは、ICC規程の国内実施法制につき説明があった他、ICCを実効的かつ普遍的な裁判所とする上でEUが重視している点等について指摘がなされた。また、政府関係者からは、日本がICC規程と国内法との整合性を確保する上で検討すべき論点などにつき照会がなされ、活発な意見交換が行われた。

(2) 研究者との意見交換
 9日には、研究者との意見交換の機会を設け、EU関係者からは、ICC設立の歴史的な意義、各国における国内法整備の取り組みなどにつき紹介があった。出席者からは、ICC設立に向けたEU全体としての姿勢や、今後のICCの活動の展望について質問やコメントがなされた。

(3) パネル・ディスカッション
 11日には三田会議所において、EUからの専門家に加え、国内の有識者の参加を得て、ICCに関する様々な論点を議論するためのパネル・ディスカッションを開催し、110名近い出席者を得た(パネリストの氏名を含むパネル・ディスカッションの概要についてはホームページ参照)。
 パネル・ディスカッションにおいては、EU議長国であるデンマーク外務省関係者からの基調講演に引き続き、3つのセッションに分割し、「国際法におけるICCの意義」「ICCの課題(各国の協力と見通し)」「ICCと市民社会」につき活発な議論が行われた。各パネリストからは、時間を大幅に超過する程に中身の濃い意見開陳がなされ、満員に近い聴衆もパネリストの議論に聞き入っていた。聴衆からも様々な質問、コメントがなされたが、多くの関心は、日本のICC規程締結の見通しや今後ICCが活動を行う上での課題といった点に集中した。



3.今次訪日の評価
(1) 今回のEU側の訪日を通じ、日本によるICC規程の早期締結に対するEU側の希望が随所で示され、日本のICCへの積極的参加へのEU側の高い期待感が感じられた。また、EU側からは7ヶ国及び欧州委員会11名の専門家が訪日したこと自体が、こうしたEUによる期待感の現れであると考えられる。

(2) 今回の意見交換を通じて、EU各国がどのような形で国内法を整備し、ICC規程を締結したかにつき、これまで以上に詳細にわたり知ることが出来た。EU各国から提供された、それぞれの国における国内実施法制あるいはその解説といった諸資料は、日本における更なる検討に資するものと考えられる。

(3) また、今回広く一般を対象とした、ICCに関するパネル・ディスカッションを開催できたことは、日本におけるICCへの関心を高める上で、大きな意義があったものと考えられる。今回のパネル・ディスカッションは、ICCが国際法上有する意義や、その設立の経緯、あるいは今後活動を進めていく上で検討すべき諸課題や、ICCとNGOとの関係など、ICCの有する様々な側面を取り上げることを試みた。
 時間の制約はあったが、パネル・ディスカッションの開催そのものについて、多くの参加者からこうした試みを評価する声が見られた。

(4) EU側にとっても、日本における現在のICC規程締結に関する検討状況及び国内関係者の関心の所在等を知る良い機会になったと考えられる。

(5) 今回のEU専門家の訪日を通じて得た知見、あるいは更に明らかになった諸論点を更に検討し、またパネル・ディスカッションを通じて得た様々な関心事項を踏まえて、今後の日本としてのICC規程締結に関する検討を進めていくことが重要である。





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