【別添3】
-セミナーの結果概要- 「ICCの現状とその将来」
(Work and Future of the International Criminal Court)
【セミナー開催の趣旨】
このたび外務省は、欧州連合(EU)と共催で、国際刑事裁判所(ICC)の関係者並びに国際刑事裁判所(ICC)の設立に関わってきた欧州諸国政府関係者の参加を得て、ICCの活動の現状や今後の課題などにつき、国内の有識者と自由に意見交換をして頂くセミナーを開催することとなりました(日時:平成16年12月3日(金)午後1時00分~5時30分。東京都港区内三田共用会議所)。こうした意見交換を通じ、ICCへの日本国内における関心が一層高まることを期待しています。
【国際刑事裁判所設立の背景】
冷戦後も、旧ユーゴ、ルワンダといった各地で紛争が発生し、世界各地で多くの人命が失われるなど、悲しむべき事件が相次いで生じました。こうした事態を受けて、集団殺害(ジェノサイド)、人道に対する罪、戦争犯罪といった国際社会で最も深刻な罪を処罰するための常設の国際裁判所を設立すべきという声はこれまで以上に強まり、2002年7月1日に国際刑事裁判所(ICC)を設立する条約が発効しました。2002年7月に国際刑事裁判所が発足して以降、ICCは徐々にその活動を本格化させており、現在ではアフリカにおける2つの事態の捜査を行っています。
【セミナーの具体的な構成・内容】(総合司会:秋葉剛男外務省国際法課長)
【セッションの概要】
- ICC検察局の活動の現状について、検察局の体制をはじめ、現在進行中のアフリカにおける2つの事態に関する捜査の課題などについて、包括的かつ詳細な説明がなされました。
13:45 |
第1セッション:ICCの活動の現状と評価 |
【セッションの概要】
- 2002年にICC規程が発効して以降のICCによる活動につき紹介するとともに、最新の状況に対する評価等について意見交換が行われました。
冒頭発言:
ベッレーリ・イタリア外務省参事官兼トリノ軍事裁判所長
各パネリスト発言:
-古谷修一早稲田大学教授
-フリーマン・スウェーデン法務省刑法課次長
-犬塚直史参議院議員
パネリストの間の自由討議
質疑応答
15:00 |
第2セッション:ICCの法的構造と国際社会への影響 |
【セッションの概要】
- ICCが機能する前提となる法的枠組みや締約国との関係について触れ、現在の国際社会に与えうる影響についてパネリストから意見が示されました。
冒頭発言:
ブスマン・ドイツ外務省ICC部門長
各パネリスト発言:
-洪恵子三重大学助教授
-デュルソ・フランス法務省欧州国際課長
-稲角光恵金沢大学助教授
-ベヴェルス・オランダ法務省刑事矯正法部顧問
パネリストの間の自由討議
質疑応答
16:10 |
第3セッション:ICCの課題とその将来 |
【セッションの概要】
- ICCが有効に機能する上での課題と、ICCが直面し得る問題点等を検証し、ICCの今後の可能性について討論が行われました。
冒頭発言:
遠山清彦参議院議員
各パネリスト発言:
-ワレンスティン・オランダ外務省ICCタスクフォース局長(大使)
-植木俊哉東北大学教授
-オリヴェイラEU理事会事務局ICC担当
-フェルナンデス・デ・グルメンディICC検察局官房長
パネリストの間の自由討議
質疑応答
17:15 |
最終セッション
全般的な講評:ワレンスティン・オランダ外務省ICCタスクフォース長(10 分)
閉会の辞:秋葉国際法課長
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17:30 |
セミナー修了(引き続き、三田会議所内で、外務省及び在日オランダ大使館(EU議長国)主催レセプションが開かれ、EU及びICC関係者とセミナーに参加した聴衆の方が直接意見交換する機会が得られました。)
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ICC規程が採択された1998年のローマ外交会議の模様
(上記も含め写真はいずれもICCホームページから転載) |
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