Summit Venue 01 大阪発祥の伝統芸能「文楽」
文楽は、重要無形文化財にも指定された、大阪発祥の由緒ある伝統芸能です。今から300年以上前の1684年、大阪の道頓堀にできた劇場「竹本座」で上演された人形浄瑠璃が、現在の「文楽」の始まりとなります。
太夫の語り・三味線の演奏・繊細な人形の動きから成る総合芸術である「文楽」は、それぞれに技と見どころがあります。
太夫は、情景の描写から登場人物の台詞まで、すべて一人で語り分けます。
三味線奏者は、さまざまな技法を使い、物語の背景や人物の心情を音だけで表現します。また、ただ演奏をするだけではなく、太夫を影で支え、ときにリードしており、「三味線弾きは太夫の女房役」ともいわれています。
人形遣いは、ときには10kgを超える重たい人形を、3人1組で呼吸を合わせ、生きているように人形を動かします。
「文楽」の演目は、「世話物」、「時代物」、「景事」の3つに分けられます。当時の庶民の恋愛や人情を描いた演目を「世話物」、歴史上の事件や人物を主題にした演目を「時代物」、舞踊や音楽の要素が強い演目を「景事」と呼びます。
数ある演目のうち、「菅原伝授手習鑑」、「義経千本桜」、「仮名手本忠臣蔵」は、三大名作とされています。現代にも通じる心情が描かれている「文楽」の演目は、歌舞伎でも多く上演されています(3つの画像の演目は、『義経千本桜 道行初音旅』です。)。