日米両国は普遍的価値及び戦略的利益を共有する同盟国であり、日米同盟は日本外交の基軸である。日米安全保障体制(日米安保体制)を中核とする日米同盟は、戦後60年以上にわたり、日本及び極東に平和と繁栄をもたらすとともに、アジア太平洋地域における安定と発展のための基本的な枠組みとしても有効に機能してきた。冷戦終結後も依然として不安定な要素が存在しているアジア太平洋地域において、日米同盟は日本及び同地域の平和と繁栄の礎(いしずえ)として不可欠な役割を担っている。
日米関係は、政治、安全保障、経済、文化等の幅広い分野において極めて密接であり、日米両国は二国間の課題に適切に対処するとともに、アジア太平洋地域の平和と繁栄の確保や国際社会が直面する地球規模の課題について、様々な機会をとらえて緊密に協力することによって、日米関係を絶えず強化してきた。1月に発足したオバマ政権は、累次の機会に日米同盟重視の姿勢を明確にしている。9月に発足した鳩山政権も日米同盟を日本外交の基軸と位置付けており、現行の日米安全保障条約締結50周年を記念する2010年は、二国間関係はもとより、アジア太平洋地域や地球規模の課題における日米協力を強化し、日米同盟を21世紀にふさわしい形で深化させていくことが大きなテーマとなっている。
日本とカナダは、基本的価値を共有するアジア太平洋諸国のパートナー及びG8のメンバーとして、政治、経済、安全保障、文化等様々な分野で緊密に協力している。4月と5月には、カナダから国際貿易大臣及び外務大臣が相次いで訪日し、両国間で、これら諸分野における課題に協働して取り組むこと、及び2010年にカナダで開催されるG8及び日本で開催されるAPECに向け、両国の協力を一層強化することで意見が一致した。また、人道支援・災害救援活動支援分野における具体的協力が確認された。さらに、7月には、天皇皇后両陛下が初めてカナダを公式に御訪問になり、日系人を含むカナダ国民から大きな歓迎をお受けになるなど、日加両国要人の活発な交流が行われ、カナダ国内における日本に対する関心も一層高まった。