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模倣品・海賊版対策 |
模倣品・海賊版は、世界各国において広く流通している。これらは、技術革新等を妨げ、世界の経済成長に悪影響を及ぼすだけでなく、消費者の健康や安全までも脅かしている。日本企業も、海外市場における潜在的な利益の喪失を被るなど、深刻な悪影響を受けている。
このため、外務省では、内閣総理大臣を本部長とする知的財産戦略本部において毎年策定される「知的財産推進計画」に沿って、様々な機会をとらえて知的財産権の保護強化及び模倣品・海賊版対策に関する施策に取り組んでいる。例えば、2005年3月以降、すべての在外公館において知的財産担当官を任命し、模倣品・海賊版被害を受けている日本企業を迅速かつ効果的に支援することを目的として、日本企業への助言や政府への照会、働き掛けなどを行ってきている。相談内容は外務本省と共有され、必要に応じて二国間及び多数国間協議(第3章第3節6.「知的財産権保護の強化」を参照)の場で取り上げられるなど外国政府への更なる働き掛けが行われている。また、知的財産担当官の能力向上を図り、知財侵害対策をより一層深めるために、日本企業の模倣品・海賊版被害の多い地域を中心に知的財産担当官会議(注1)を開催している。さらに、大使公邸において日本企業の知的財産権保護セミナーを相手国政府職員向けに開催するといった取組なども行われている。
そのほか、模倣品・海賊版対策における開発途上国の政府職員等の能力向上を図るため、国際協力機構(JICA)を通じて、専門家派遣、研修員受入れといった技術協力を行っている。
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(注1) | 2009年1月には、シンガポールでASEAN各国とインドの知的財産担当官を対象にした知的財産担当官会議を開催した。 |