本編 > 第2章 地域別に見た外交 > 第7節 アフリカ > 【各論】 > 3.アフリカに対する日本の具体的取組
アフリカは、近年、年平均約6%という好調な経済成長によって活気を示してきている。経済成長を持続的なものとすることがアフリカの貧困削減につながるとの問題意識の下、日本はTICAD IVにおいて表明した支援策の一つとして、8月末から9月にかけて、貿易・投資促進合同ミッションをアフリカ12か国(注5)に派遣した。同ミッションには、団長として、吉川貴盛経済産業副大臣(南部)、御法川外務大臣政務官(東部)、西村康稔外務大臣政務官(中・西部)が参加したほか、国会議員、関係省庁、政府関係機関及び延べ62の民間企業を含む合計179名が参加、訪問国の政府要人との会談を始め、投資促進セミナーの開催、進出企業・ODAサイトの視察等を行った。ミッションの派遣を通じ、対アフリカ貿易投資の可能性が改めて確認されると同時に、アフリカでのビジネスを展開する上で改善すべき問題点が指摘された。また12月には、アフリカ6か国から貿易・投資の専門家を招待し、各国のビジネス環境を紹介する「対アフリカ貿易・投資促進シンポジウム」を開催した。
御法川外務大臣政務官(中央)ほか貿易・投資促進合同ミッション一行とムセベニ・ウガンダ大統領(右)(9月14日、ウガンダ)
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平和は持続的な開発の実現にとって不可欠である。また、「平和の配当」を紛争の被害者に広くもたらすことが極めて重要である。こうした考えから、日本は、G8議長国として開催したアフリカ・クリアリングハウス会合等(注6)の各種会合を通じて、アフリカの平和構築に関する議論を主導し、その成果がG8北海道洞爺湖サミットの成果文書に盛り込まれた(注7)。日本は、スーダンやコンゴ民主共和国等の紛争国での平和構築に取り組むとともに、アフリカ諸国の紛争解決に係るオーナーシップを後押しすべく、「賢人パネル」等のAUの紛争解決メカニズムに対する支援を行い、また、アフリカの平和維持能力強化を目的として、アフリカ5か国に所在するPKOセンターへの支援を開始した(注8)。本支援では、機材や設備の供与、研修コースの設置等に加え、エジプト及びガーナのPKOセンターに自衛官を含む日本人専門家を講師として派遣し、平和構築分野における日本の知的貢献の強化に努めている。
(注5) |
ボツワナ、モザンビーク、マダガスカル、南アフリカ共和国(以上南部)、ケニア、ウガンダ、エチオピア、タンザニア(以上東部)、ナイジェリア、ガーナ、セネガル、カメルーン(以上中・西部)。 |
(注6) |
アフリカ諸国の平和維持能力強化等に関するG8及び関心国の専門家会合。外務省ホームページ「第5回アフリカ・クリアリングハウス(概要と評価)」を参照。 |
(注7) |
外務省ホームページ「G8北海道洞爺湖サミット首脳宣言 開発・アフリカ」を参照。 |
(注8) |
外務省ホームページ「わかる!国際情勢vol.19 アフリカにおける紛争の現状と平和構築~PKOセンターへの支援」を参照。5か国とは、エジプト、ガーナ、ケニア、マリ、ルワンダである。 |
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