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 7.

北アフリカ(マグレブを含む)


 (1) 

エジプト


エジプトは、近年、経済改革、外資導入、EU等との自由貿易協定(FTA)締結に取り組んでおり、高い経済成長が達成されるなど、成果が見られる一方で、依然、高い失業率や貧富の格差の問題が存在する。

外交面では、伝統的な域内の大国として、中東和平、スーダンなどの地域問題の解決に向けた努力を継続し、特にガザ地区でのイスラエルとハマス等パレスチナ武装勢力との停戦やパレスチナ諸派の間の国民対話の仲介努力を行っている。

日本とエジプト両国政府は、2008年を「日本・エジプト科学技術年」に指定し、1年を通して両国間で40以上の先端技術、医療、環境等に関するプログラムを実施した。また、日本的工学教育・研究活動を行う日本・エジプト科学技術大学(E-JUST(イー・ジャスト))設立構想も、11月に設立記念式典が開催され、実現に向け動き出すなど科学技術分野での協力・交流が進展している。


 (2) 

マグレブ


アルジェリアは近年、治安改善、経済改革に取り組み、イスラム過激派のテロが頻発した1990年代の「危機の10年」を脱して、主要国の企業が積極的に進出している。日本企業もプラント建設や高速道路の建設等で進出しており、外交面でも、G8北海道洞爺湖サミット・アウトリーチ会合の際、ブーテフリカ大統領と福田総理大臣が会談するなど、二国間関係が深化している。

リビアは2003年12月の大量破壊兵器計画の廃棄以降、行政改革、経済開放に取り組んでおり、日本は2008年からODAで人材育成支援等を行っているほか、日本企業が石油鉱区を落札して開発を行っている。

モロッコは近年、社会・地域間格差の是正、貧困撲滅に取り組み、5月の第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)にはエル・ファシ首相が参加し福田総理大臣との会談を行った。また10月には日本の招待により、シャミ商工業・新技術相が訪日し、経済関係の強化につき協議した。

チュニジアは近年順調な経済発展を遂げており、1月にEUとの間で工業製品に関する関税が撤廃された。日本との間では、3月に第6回日・チュニジア合同委員会を開催するなど、対話を促進している。5月のTICAD IVには、ガンヌーシ首相が参加し、福田総理大臣との会談を行った。


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