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   第4節   


欧州

マップ・欧州


【総論】


日本と欧州は、民主主義、人権、法の支配等の基本的価値を共有するとともに、国際社会の安定と繁栄に向けて主導的な役割を果たす上での戦略的パートナーである。日本がG8参加国の英国、フランス、ドイツ、イタリアを始め、欧州各国との間で、二国間関係を一層強化し、協力を進めていくことは、金融危機の影響による景気減速・後退や、テロや大量破壊兵器の拡散といった安全保障上の脅威等、不安定要素の多い今日の国際情勢の中で、グローバルな諸課題に国際社会が効果的に対応していく基盤を強化するものとして重要である。また、統合の進展を通じて発言力を増大させ、グルジア問題や金融危機においても国際的議論の中で積極的役割を果たした欧州連合(EU)や、冷戦時からその性格を変容させ、平和と安定に向けた活動領域を欧州・大西洋地域を越えてアフガニスタン等にも広げている北大西洋条約機構(NATO)との間で、日本は多くの関心分野・地域を共有しており、様々なレベルでの政治対話・協力を一層進めていく必要がある。さらに、日本は、地域的枠組みも活用しながら、中・東欧諸国やバルト諸国との政治及び経済分野での対話と協力を進めている。

6月、福田総理大臣はドイツ、英国及びイタリアを訪問した。各国首脳と実質的協議を行い、個人的な信頼関係を構築したことは、7月のG8北海道洞爺湖サミットを成功させるためにも、極めて重要な足掛かりとなった。10月には、麻生総理大臣がアジア欧州会合(ASEM)第7回首脳会合に出席し、金融危機への対応におけるアジアと欧州の連携強化を確認した。

一方、欧州からも、7月のG8北海道洞爺湖サミット及び6月のG8京都外相会合の機会に、英国、フランス、ドイツ、イタリア、EU(議長国及び欧州委員会)の首脳、外相級が訪日して気候変動を始めとする様々な分野における協力を確認したほか、数多くの要人が訪日した。引き続き、欧州各国、機関との密接な意見交換を通じて、良好な日欧関係をより具体的な協力関係へと深化させていくことが重要である。


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