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 3.

青年海外協力隊・シニア海外ボランティア


【総論】


2007年6月、青年海外協力隊の累積派遣隊員数が3万人を超えた。日本の青年たちの海外に向ける熱い思いに道を開こうと1965年に発足したこの事業は、カンボジア、フィリピン、ラオス、マレーシアに26人の青年を派遣して以来、実に40年以上にわたって日本の青年を82か国の開発途上国に送ってきたことになる。青年海外協力隊・シニア海外ボランティアとして開発途上国で活躍する日本人は、開発途上国の発展に貢献するとともに、日本と開発途上国の相互理解や友好親善の促進に大きな役割を果たしている。


写真・フィリピンに向け出発する青年海外協力隊第1期生

フィリピンに向け出発する青年海外協力隊第1期生(写真提供:国際協力機構)



【各論】


青年海外協力隊は、技術を有する20歳から39歳の青年男女が、開発途上国地域住民と生活を共にしつつ、当該地域の経済及び社会の発展に協力することを支援する事業で、派遣された協力隊はまさしく「顔の見える」協力を通じて開発途上国に貢献してきた。その活動分野は幅広く、現在は農林水産、加工、保守操作、土木建築、保健衛生、教育文化、スポーツ、計画・行政の8分野120職種にわたるボランティアが各地で活躍している。

またシニア海外ボランティアは、幅広い技術と豊かな経験を有する40歳から69歳の男女を開発途上国に派遣する事業である。1990年の事業発足以来年々事業規模を拡大しており、これまでに59か国に3,122人を派遣し、9分野105職種にわたる協力を行ってきた。

近年は一線を退いたシニア層の再出発という観点からシニア海外ボランティアが注目を集めるなど、国内におけるボランティアへの関心は増大している。青年海外協力隊及びシニア海外ボランティアは、国民参加型国際協力の中核を担う事業として、開発途上国でボランティア活動に従事したいという国民の高い志を広く支援している。

2007年12月末現在、2,466人の青年海外協力隊と506人のシニア海外ボランティアが、世界各地(それぞれ76か国、55か国)で活躍を続けている。また、帰国したボランティア参加者はその経験を教育や地域活動の現場で共有するなど、社会への還元を進めており、この世界に広がるユニークな活動は、受入れ国をはじめ国内外から高い評価と期待を得ている。


写真・ガーナの中学校に理数科教員として派遣され、生徒に物理の授業を行う隊員の活動風景

ガーナの中学校に理数科教員として派遣され、生徒に物理の授業を行う隊員の活動風景(写真提供:国際協力機構)


出身都道府県派遣実績(集計期間:2007年1月1日~12月31日)

出身都道府県派遣実績(集計期間:2007年1月1日~12月31日)

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