3. |
グローバル化への対応 |
(1) |
主要国首脳会議(G8サミット) |
2007年、33回目を迎えたG8サミットは、6月6日から8日までドイツのハイリゲンダムにて開催された。議長国ドイツは、「成長と責任」をテーマとして、「世界経済」、「アフリカ」を主要議題として提示した。
特に世界経済の分野においては、気候変動が大きなテーマとなった。このサミットでは、安倍総理大臣より、先に発表した日本提案「クールアース50」を紹介し、世界全体の温室効果ガス排出量を現状に比して2050年までに半減することを全世界の共通の目標とするとともに、次期枠組みを構築するに当たって、「主要排出国の参加」、「柔軟かつ多様な枠組み」、「環境保全と経済発展の両立」という「3原則」を提案した。その結果、こうした内容を軸に議論が行われ、2050年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減することなどを真剣に検討することでG8首脳の一致が得られた。もう一つの主要議題であった「アフリカ」については、良い統治、投資と経済成長、平和と安全、保健等が議論され、G8が着実にコミットメントを実施すべきこと、新興援助国が建設的役割を果たすようG8として対話すべきこと等が指摘された。また政治・安全保障分野では、北朝鮮、イランの核問題を含む不拡散、コソボ、アフガニスタン、中東等について議論が行われた。
2008年は日本が議長国となり、7月7日から9日の日程でG8北海道洞爺湖サミットを開催する。同サミットでは、環境・気候変動問題、開発・アフリカ問題、世界経済、不拡散をはじめとする政治問題が主要な議題となる予定である(注28)。
G8ハイリゲンダム・サミットに出席する安倍総理大臣(中央)とG8首脳 |
(2) |
経済協力開発機構(OECD) |
OECD(注29)においても、日本は経済・貿易・投資・開発をはじめとする各分野で積極的に議論を牽引している。5月には第46回OECD閣僚理事会(注30)が行われ、「イノベーション:成長と公平に向けたOECDアジェンダの前進」をテーマに、「グローバル化、成長と公平」、「マクロ経済」、「イノベーションと成長」、「拡大と関与強化」、「貿易」等の議題の下で議論が行われた。同閣僚理事会においては、新興経済国がOECDルールに沿って行動することを確保するため、特別に関与強化を進めるとの方向性が打ち出された。これは、日本の従来の主張とも一致するものである。OECDを通じた非加盟国との協力の一環としては、日本は中東・北アフリカ(MENA)地域を対象とした投資とガバナンス向上のためのプロジェクトや、アフリカの投資環境向上のためのプロジェクトにも積極的に取り組んでいる。そのほか、12月には、グリア事務総長が訪日し、福田総理大臣への表敬のほか主要閣僚との会談を行った。