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コーカサス諸国 |
親欧米路線をとるグルジアでは、11月野党勢力と当局との衝突を契機に非常事態令が発動される事態となったが、大統領選挙を実施すること等で事態は収拾された。2008年1月に実施された選挙でサーカシヴィリ大統領は53%超の得票率を得て再選された。アゼルバイジャンとアルメニアの内政はおおむね安定的に推移したが、両国間のナゴルノ・カラバフ問題や、グルジア国内のアブハジア自治共和国及び南オセチア自治州の帰属を巡る問題については解決に向けて進展は見られなかった。
緊張状態にあるグルジアとロシアの関係は、アブハジア・南オセチア情勢や、グルジアの非常事態令等を巡り、更に悪化したが、サーカシヴィリ大統領の再選を受け、関係改善を模索する双方の接触が開始された。
日本は、3月、サーカシヴィリ・グルジア大統領を訪日招聘し、安倍総理大臣との首脳会談を通じて両国のパートナー関係の強化を確認するとともに、5月に関口外務大臣政務官をグルジアに、8月に松島外務大臣政務官をアゼルバイジャンに派遣するなどして、同地域との政治対話の強化に努めた。また、6月には藪中外務審議官が出席して第1回「GUAM(注9)+日本」会合を開催し、12月には第2回「GUAM+日本」会合を開催した。
![]() アリエフ・アゼルバイジャン大統領(左)への表敬を行う松島外務大臣政務官(右)(8月16日、アゼルバイジャン・バクー) |
(注9) | 第2章第4節欧州1. 「欧州情勢」を参照。 |