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中央アジア諸国 |
中央アジアでは、多くの国で議会選挙または大統領選挙が実施され、その結果はおおむね各国の政権の強化につながるものとなった。豊富なエネルギー資源の開発により著しい経済成長を続けるカザフスタンでは、5月の憲法改正により議会の権限が強化された一方、ナザルバーエフ大統領に限って三選禁止規定が適用されないこととなり、8月の下院選挙の結果、親大統領与党が全議席を独占した。ウズベキスタンでは、12月の大統領選挙の結果、長期政権を続けるカリモフ大統領が再選された。政治的不安定が続いていたキルギスでは、野党勢力が弱体化する中でバキーエフ大統領が政局の主導権を握り、10月に行われた国民投票の結果、新憲法が採択されるとともに、新選挙法の下で12月に議会選挙が実施され、親大統領政党が圧倒的な得票率を得て、最大議席を獲得した。一方、トルクメニスタンでは、長年にわたって独裁体制を敷いてきたニヤゾフ大統領の急逝を受け、2月に行われた大統領選挙でベルディムハメドフ大統領が選出されたが、新政権は教育分野など一定の改革に着手するとともに、外交面でも徐々に近隣諸国や国際社会に対し開かれた政策をとるなど変化の兆しが見られる。
日本と中央アジア諸国との間の対話と協力の枠組みである「中央アジア+日本」対話について、日本は2006年6月の第2回外相会合において採択された「行動計画」の着実な実施に努めるとともに、12月にタジキスタンで開催された第3回高級実務者会合において、今後の協力の方向性に関する議論を行った。
また、日本は、11月にバキーエフ・キルギス大統領、12月にラフモン・タジキスタン大統領を相次いで訪日招聘して福田総理大臣が会談を行い、2006年8月の小泉総理大臣のカザフスタン・ウズベキスタン訪問に引き続き、中央アジア諸国との積極的な首脳外交を展開した。また、甘利明経済産業大臣のカザフスタン・ウズベキスタン訪問(4月)、松島外務大臣政務官のウズベキスタン訪問(8月)等によって、両国との更なる関係強化が図られた。
![]() バキーエフ・キルギス大統領(左)との共同記者発表に臨む福田総理大臣(右)(11月14日、東京 写真提供:内閣広報室) |