第4章 国際社会で活躍する日本人と外交の役割


2.知的財産権保護

 模倣品・海賊版はアジア地域を中 心に今や世界各国に広く流通しているが、その世界的な拡散は、権利者が本来得るべき利益を奪うことにより創造意欲を減退させ、技術革新等を妨げることから世界の経済成長に悪影響を及ぼしている。日本企業についても例外ではなく、海外市場における潜在的な利益の喪失も含め、深刻な悪影響を受けている。

 このため、外務省では、内閣総理大臣を本部長とする知的財産戦略本部で6月に改定された「知的財産推進計画2006」に沿って、様々な機会をとらえて知的財産権の保護強化及び模倣品・海賊版対策に関する施策に取り組んでいる。例えば、在外公館における知的財産担当官(注1)による支援を行うとともに、日中、日米(注2)、日・EU間での知的財産権保護の強化・協力に関する対話を続けている。また、知的財産権の国際的な保護及び協力を推進するため、模倣品・海賊版拡散防止のための法的枠組み構想の実現に向けた取組を進め、主要国首脳会議(G8サミット)(注3)、アジア太平洋経済協力(APEC)(注4)、経済協力開発機構(OECD)、WTOのTRIPS理事会や世界知的所有権機関(WIPO)等での議論にも積極的に参画している。




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