第3章 分野別に見た外交


(1)G8サミット

 32回目を迎えたG8サミットは、7月15日から17日まで、ロシアのサンクトペテルブルクで開催された。

 G8サミットでは、議長であるプーチン大統領が主要議題として提示した、エネルギー安全保障、教育、感染症に加え、貿易等についても活発な議論が行われた。政治分野では、レバノン情勢の悪化により中東が大きな焦点となり、小泉総理大臣からは、G8サミット直前のイスラエル及びパレスチナ訪問を踏まえて現地の最新情勢や各首脳との意見交換の結果を紹介した。さらに、北朝鮮の問題については、小泉総理大臣から、ミサイル発射問題に関する安保理決議が全会一致で採決されたことに関し、関係国の協力に対する謝意を表しつつ、G8による明確なメッセージの必要性を強調するとともに、北朝鮮の核や拉致問題の解決への協力も訴えた。その結果、これらの問題に関し、G8として明確なメッセージが発出された。



▲G8サンクトペテルブルク・サミット参加のG8首脳(7月16日、ロシア・サンクトペテルブルク 写真提供:内閣広報室)

 なお、以上の議論を踏まえ、「議長総括」に加え、エネルギー安全保障、教育、感染症、貿易、腐敗との闘い、知的財産権の保護、アフリカ報告書、中東、テロ対策、不拡散(北朝鮮、イランを含む)、安定化と復興のための行動についての文書が発出された。また、「ムンバイ及びインドの他の地域で発生した野蛮なテロ行為に対する声明」が、G8と招待国及び国際機関等 (注19) により発出された。




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