第3章 分野別に見た外交


(2)OECD

 OECD (注20) においても、日本は経済・貿易・開発をはじめとする各分野で積極的に議論を牽引している。5月にはOECD閣僚理事会 (注21) が行われ、“繁栄の実現”をテーマに中国やインド等の新興経済国との関係構築や非加盟国との関係強化・新規加盟などOECDの今後の在り方を左右する問題がとりあげられた。日本からは、これまでリードしてきた開発のための投資関連活動の重要性を提起し、その結果、投資のための政策枠組み(PFI) (注22) がOECDにおける重要プロジェクトとして承認された。PFIについては、7月に東京、9月にベトナムにおいてその普及のためのセミナーが実施された。また、OECDを通じた非加盟国との協力の一環としては、日本は中東・北アフリカ地域(MENA)を対象とした投資とガバナンス向上のためのプロジェクト及びアフリカの投資環境向上のためのプロジェクトにも積極的に取り組んでいる。そのほか、日本は、6月1日に就任したグリア事務総長を7月に訪日招聘し、小泉総理大臣、麻生外務大臣ほか主要閣僚との会談を通じて、日本とOECDの関係強化に努めた。同事務総長の訪日にあわせ、OECDでは、日本経済は構造改革の結果、不況を脱したと評価したOECD対日経済審査報告書が公表された。なお、ジョンストン前事務総長には10年にわたる在任期間中の功績により、11月7日、旭日大綬章が贈られた。




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