(2)パキスタン
パキスタンは、アフガニスタン国境地域を中心とする対テロ掃討作戦やインド洋における「不朽の自由作戦」に基づく海上阻止活動(OEF‐MIO)への自国艦船派遣などを通じ、「テロとの闘い」に引き続き取り組んでいる。9月には、連邦直轄部族地域(FATA)の北ワジリスタン管区において和平合意が成立し、同合意の成否が周辺地域の安定にも一定の影響を与えるものと見られる。
内政面では、ムシャラフ大統領及び下院議会の任期が2007年11月に満了し、大統領選挙と総選挙が前後して実施される見通しであり、パキスタン国外で活動中のブットー、シャリフ両元首相の言動に注目が集まっている。また、アジーズ首相の経済運営は、引き続き高い経済成長率(2005/06年度6.6% (注59) 、パキスタン政府発表)を実現している。
日本との間では、2005年の両国首相の相互訪問に続き、1月には麻生外務大臣がパキスタンを訪問し、人材育成、テロ対策、軍縮・不拡散の分野における関係強化で合意したほか、2005年の地震被害に対する追加支援として無償資金協力40億円と国際機関経由の緊急人道支援2,000万ドルの供与を表明した。現在、北西辺境州のバタグラムにおいて日本の支援による病院や小中学校の建設が進められている。

▲カスーリ・パキスタン外相と会談する麻生外務大臣(1月5日、パキスタン・イスラマバード)
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