第3章 分野別に見た外交


第4節 政府開発援助(ODA)

【総  論】

 2005年は、国際社会における主要な課題への取組の中で、開発援助を巡る以下の2つの動きが大きな位置を占めた。

 第一に、2005年は「国連ミレニアム宣言」採択後5年目の区切りとなる年で、世界共通の開発課題であるMDGs (注1) の達成状況を初めて検証する重要な年であった。3月に出されたアナン国連事務総長の報告「より大きな自由に向けて」では、国連改革全体の中でMDGs達成のために開発問題で前進することの重要性が強調された。また、9月の国連首脳会合では、MDGs達成に向けた努力が改めて確認され、「成果文書」では、先進国と途上国の開発に関するグローバル・パートナーシップ構築や双方の努力の必要性等が提言された。

 第二に、MDGsに焦点が当たったことで、開発課題の多くが集中するアフリカ支援の重要性が再確認された。

 日本は、MDGs達成に寄与するためODAの対国民総所得(GNI)比0.7%の目標 (注2) 達成に向け引き続き努力するとの観点から、日本にふさわしい十分なODAの水準を確保するとともに、今後3年間でアフリカ向けODAを倍増することを4月のアジア・アフリカ首脳会議で表明した。また、7月のG8グレンイーグルズ・サミットでは、今後5年間のODA事業量について、2004年実績と比較して100億ドルの積み増しを目指すことを表明した。




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