第3章 分野別に見た外交 |
(2)2005年の交渉概観 2001年11月のドーハ閣僚会議で交渉開始が決まった「ドーハ開発アジェンダ」交渉では、農業、非農産品(鉱工業品、林水産品)、サービス、開発問題、ルール(アンチダンピング等)、貿易円滑化(貿易手続きの簡素化等)等の貿易にかかわる様々な問題について交渉されてきた。 2005年には、スイス・ダボス、ケニア・モンバサ、パリ、中国・大連等で非公式な閣僚間交渉が随時行われた。2005年10月から主要国間で、農業分野における関税や国内補助金の具体的な削減率を含めた本格的な交渉の段階に入り、日本を含むG10グループ(注2)も農産品の関税削減方式等に関するG10提案を出した。 12月に第6回WTO閣僚会議(香港閣僚会議)が開催された。会議ではその時点で各国が合意できる点を確認し、2006年4月末までに農業・非農産品分野に関して具体的な関税削減率等、各国共通のルールについて合意を目指すことで合意した。また日本は、「ドーハ開発アジェンダ」交渉の主要議題である開発途上国の開発問題に関して、会議に先立って、「開発イニシアティブ」(参照)を発表することで、開発途上国の懸念にこたえる内容の閣僚宣言採択に大きく貢献した。
▼開発イニシアティブ |
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