第3章 分野別に見た外交 |
(2)ミサイル防衛 弾道ミサイル防衛システム(BMD)は、弾道ミサイル攻撃から日本国民の生命・財産を守るための純粋に防御的でほかに代替手段のない唯一の手段であり、専守防衛を旨とする日本の防衛政策にふさわしいとの考えに基づき、政府は2003年12月にその整備を決定した(図表「BMD整備構想・運用構想」参照)。 1999年から実施してきた海上配備型上層システムの日米共同技術研究の結果、当初の技術的課題を解決する見通しを得たため、政府は12月、安全保障会議と閣議で弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイルに関する日米共同開発に着手することを決よ定した。同時に、武器輸出三原則等の拠って立つ平和国家としての基本理念にかんがみ、武器の輸出管理については今後とも引き続き慎重に対処するとの方針を踏まえ、「本件日米共同開発において米国への供与が必要となる武器については、武器の供与のための枠組みを今後米国と調整し、厳格な管理の下に供与すること」とする内閣官房長官談話を発表した(注2)。 |
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